円が上昇、輸出企業などの買いで-対ドル一時81円後半と3週ぶり高値

東京外国為替市場では円が上昇。米 金利の低下などを背景に円高に圧力がかかりやすい中、国内輸出企業の 円買いも指摘され、円は対ドルで3週間ぶり高値を更新した。

ドル・円相場は1ドル=82円半ば付近で東京市場を迎えた後、一 時81円83銭までドル売り・円買いが進行。その後82円前半まで値を戻し たが、正午に向けては再び円がじり高となり、午後には再び82円ちょう どを割り込む場面が見られた。

三菱東京UFJ銀行金融市場部カスタマーグループの佐原満次長 は、「期末の仲値は例年割と大口の取引が飛び交うが、きょうは朝にか なりドル売りが出た後、仲値にかけてドル買いも出た」と説明。「期末 日はいつもそうだが、マーケットのニュースなどに反応して動くという ことはあまりなく、フローで動く」と話した。

ユーロ・円相場も1ユーロ=109円後半から一時109円04銭まで円買 いが進行。その後、109円90銭付近まで値を戻したが、午後にかけて は109円半ばを中心にもみ合う展開となった。

米景気動向を意識

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、円は年初来約9.7%下落。日本の貿易赤字化による経常収支の早 期悪化懸念や日銀の金融緩和強化を背景に今月15日には対ドルで約11カ 月ぶり安値となる84円18銭を付けた。ドルは年初来2.8%安、ユーロ は0.5%高。

一方、この日の東京市場日中の取引では円が主要通貨に対して前日 終値比で総じて強含みとなり、対ドルでは一時0.7%高となる場面も見 られた。あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、ドル・円相場につい て「基本的にはまだ82円から84円のレンジでの動き」としながらも、米 金利もやや下げ基調になっており、「今は圧力的に円高方向に行きやす い局面」との見方を示した。

この日発表された日本の経済指標は強弱まちまち。2月の全国消費 物価指数(CPI)では生鮮食品を除いたコア指数が前年同月比0.1% 上昇と予想外のプラスとなった。また、2月の完全失業率は4.5%と前 月から予想外に改善したが、2月の鉱工業生産指数は予想に反して前月 比1.2%低下した。

諸我氏は、4月以降の相場展開について、「来週の雇用統計を中心 に米国の景気動向というのをかなり意識していくことになる」と予想。 一方、日本勢による年度末のレパトリエーション(自国への資金回帰) が一巡してくるため、需給面については「円高圧力は少し薄れてくる」 と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれ ば、30日発表される2月の個人消費支出(PCE)は前月比0.6%増が 見込まれている。3月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マイ ンド指数(確定値)は、ガソリン価格の上昇によって伸びが抑えられ、 1年ぶり高水準近辺にとどまると予想されている。

EU財務相会合

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.32ドル後半から一時1.3377ドルま でユーロが反発。週末開かれる欧州連合(EU)財務相会合を前に、週 前半に付けた2月29日以来のユーロ高値(1.3386ドル)手前まで値を戻 した。

三菱東京UFJ銀の佐原氏は、救済基金の上限引き上げに焦点が集 まる中、とりあえず「欧州の頓死のようなシナリオ」の可能性は低下し ており、「みんな売りから入るので、成り行き次第でショートカバー (買い戻し)的にユーロが買われる局面はある」と予想。もっとも、欧 州債務問題をめぐっては「最後に誰かがツケを追わなければならないと いう部分は解決していない」とし、「中長期的にはユーロは売りやすい 通貨」だとしている。

ドイツのショイブレ財務相は29日、ユーロ圏の救済基金拡充に向け た取り組みが債務危機後退につながるとの見解を示した。また、スペイ ンに対して、労働市場改革を推進するよう求めた。スペインのモントロ 国庫相は30日に2012年予算案を提示する。

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