3月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円が上昇、世界的な成長減速懸念で逃避買い-豪ドル下落

ニューヨーク外国為替市場では、円が主要16通貨全てに対して上 昇。欧州のソブリン債危機が世界の経済成長を脅かすとの懸念が強まっ た。安全資産への逃避を背景に、株式相場は下落した。

円は対ドルでほぼ3週間ぶり高値を付けた。31日の会計年度末を前 に、日本企業が海外収益を本国へ送還するとの観測が広がった。ユーロ はドルに対し約1カ月ぶり高値から下落。3月のユーロ圏景況感指数が 市場予想に反して低下したことを手掛かりに売り込まれた。オーストラ リア・ドルは値下がり。オーストラリア最大の貿易相手国である中国 で、企業決算が市場予想を下回り、成長懸念が高まったことが売り材 料。英ポンドはユーロに対し過去2週間で最大の値上がり。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マーク・ マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は「逃避買いの流れが円を押し上 げ、年度末のレパトリ(自国への資金還流)に伴う円買いでその動きが 増幅されている」と指摘。「世界的な景気鈍化への懸念が強まってい る」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.5%高の1 ドル=82円46銭。一時は81円91銭と、今月9日以来の高値を付ける場面 も見られた。円は年初来の下げを7.2%に縮小した。この日はユーロに 対して前日比0.7%高の1ユーロ=109円68銭。一方、ユーロはドルに対 し0.1%安の1ユーロ=1.3302ドルとなっている。27日には1.3386ドル と、2月29日以来の高値を付けていた。

オーストラリア・ドルは米ドルに対してこの日、0.8%下げて2カ 月ぶり安値をつける場面があった。英ポンドは対ユーロで0.6%上昇の 1ユーロ=83.36ペンス。13日以降で最大の上げとなった。

1.30ドルまで下落も

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)によれば、ユーロは昨年10月末の 高値である1ユーロ=1.4247ドルと2月に付けた高値の1.3487ドルを結 ぶ下降トレンドラインを下回っており、1ユーロ=1.30ドルまで下げる 可能性がある。

先進10カ国通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数による と、域内の債務危機が小康状態にあることを受けユーロは年初来0.4% 上昇。ドルは2.4%低下。円は9.7%低下し、四半期ベースでは2001年10 -12月以来の大幅な下落率となっている。今年最も値上がりしているニ ュージーランド・ドルは3.2%の上昇。

中国の企業決算が予想を下回ったことを嫌気し、この日の株式相場 は下落した。MSCI世界指数は0.3%安。前日は0.8%低下していた。 衣料小売りで欧州2位のヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)や中国 の損害保険最大手、中国人民財産保険(PICC)の決算は市場予想に 届かなかった。

救済基金は9400億ユーロに

欧州連合(EU)の欧州委員会が29日発表した3月のユーロ圏景況 感指数(速報値)は94.4と、2月の94.5(改定前94.4)から低下した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト29人の調査では中央 値で94.5への上昇が予想されていた。

ブルームバーグ・ニュースが前日入手した3月23日付の草案で、ユ ーロ圏財務相会合は債務危機の収束に向け、救済基金の上限を向こう1 年間9400億ユーロ(約103兆6000億円)に引き上げる準備を進めている ことがわかった。ドイツのメルケル首相は26日、暫定的な救済基金と恒 久的基金を並行稼働させる案をドイツが支持する可能性があると発言し ていた。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の通貨ストラテジス ト、エマ・ローソン氏(シドニー在勤)は29日付の調査リポートで、 「明日は救済パッケージが承認されると当行は確信している。ユーロに は当面、追い風が強まる可能性がある」と記述した。

原題:Yen Rises on Slowing Global Growth Concern; Aussie Dollar Falls(抜粋)

◎米国株:S&P500種が終盤に下げ縮小、売られ過ぎとの見方

米株式市場では、S&P500種株価指数が下落したものの、取引終 了前の2時間で下げを縮める展開となった。30日発表される消費者信頼 感や個人消費支出の統計への期待感が広がった。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1403.28。一時は1%安ま で下げる場面があった。ダウ工業株30種平均は19.61ドル(0.2%)上げ て13145.82ドル。一時は94ドル安となった。

ソラリス・グループ(ニューヨーク州ベドフォードヒルズ)のティ ム・グリスキー最高投資責任者(CIO)は「押し目買いが入ってい る」と指摘。「マネーの流れは続いているようで、調整は非常に短期間 とみられる」と述べた。

S&P500種は年初以降、12%上昇。予想を上回る経済指標や欧州 の債務危機への対応が背景にある。

ダウ平均ではアルミ生産のアルコアや建機大手キャタピラー、コ カ・コーラの上げが目立った。無償配布の基本ソフト(OS)「Lin ux(リナックス)」の販売を手掛ける米レッドハットは20%高。決算 で利益と売上高がアナリスト予想を上回ったことが好感された。金融株 ではバンク・オブ・アメリカ(BOA)とシティグループが大きく下 落。家電最大手のベスト・バイは7%安。国内で50店舗を閉鎖する計画 や決算で売上高が予想に届かなかったことが嫌気された。

ギリシャ懸念

S&Pがギリシャは再び債務再編の実施を余儀なくされる可能性が あると指摘したこを手掛かりに、この日の米国株は下げ基調が続いた。 S&Pのソブリン格付け責任者、モーリッツ・クレーマー氏は「今の段 階でいつとは具体的に予想はしないが、将来において再び債務再編が実 施される可能性がある」と述べた。米国では、先週の失業保険申請件数 が2008年4月以来の低水準に減少。また2011年第4四半期(10-12月) の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)確定値は前期比3% 増となった。

バール・アンド・ゲイナーで資産運用に携わるマット・マコーミッ ク氏は「これまで順調に上げてきたが、投資家の間では『これは持続可 能なのだろうか』という疑問が生じている。ギリシャ問題が解決したと は私は思っていない。欧州当局が講じた措置は、問題を背後に隠しただ けだ」と語った。

S&P500種では、公益株やヘルスケア関連株が上昇した一方で金 融株は値下がりした。アルコアは2%高の10.03ドル。キャタピラー は1.7%上げて106.02ドル。コカ・コーラは1.6%上昇し73.81ドル。

レッドハットが急伸

レッドハットは20%高の61.43ドルと12年ぶり高値となった。値上 がり率はS&P500種でトップ。リナックスへの法人需要が好調だっ た。

KBW銀行指数は1.1%安。構成する24銘柄中23銘柄が値下がりし た。BOAは2.3%安の9.53ドル。シティグループは1.5%下落の36.51 ドル。

ベスト・バイは7%安の24.77ドルだった。

原題:S&P 500 Trim Losses on Speculation Equity Selloff Is Overdone(抜粋)

◎米国債:上昇、欧州危機再燃を警戒-10年債は2週ぶり低利回り

米国債相場は上昇。10年債利回りは2週間ぶりの水準に低下した。 欧州の債務危機が再燃するとの懸念から安全な逃避先としての需要が膨 らんだ。

国債相場は7年債入札(発行額290億ドル)以降も堅調な地合いを 維持した。海外の中央銀行を含む間接入札の割合は昨年8月以来の高水 準になった。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) のソブリン格付け責任者は前日、ギリシャが再び債務再編を余儀なくさ れる可能性が高いと指摘した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバー ナンキ議長は今週、米経済の回復はまだ確実にはなっていないとの見方 を示した。

UBSの金利戦略責任者、クリス・アーレンズ氏(コネティカット 州スタンフォード在勤)は「欧州情勢をめぐる不透明感が再び第一線に 出てきた」と指摘。「リスク市場では圧力がやや高まっている。リスク 回避の取引に戻った」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時59分現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.15%と、14日以来の低水準。10年債価格(表面利率 2%、償還2022年2月)は13/32上げ、98 5/8。既発7年債利回りは4 bp低下の1.54%。

1-3月期は不調

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の収益率は1-3月期にマイナス1.2%と、四半期ベースで は2010年10-12月(第4四半期)以来の悪い成績となっている。

特に期間10年以上の国債がマイナス5.1%と悪い。一方、世界の国 債相場はプラス0.4%、世界の債券相場全体のリターンはプラス1.1%と なっている。

S&Pのモーリッツ・クレーマー氏はギリシャについて、「将来に おいて再び債務再編が実施される可能性がある」と指摘、その場合は欧 州政府など公的な債権者も参加する必要性が出てくるかもしれないとの 見方を示した。

ユーロ圏各国は債務危機の収束に向け、救済基金の上限を向こう1 年間9400億ユーロ(約104兆円)に引き上げる準備を進めている。ユー ロ圏財務相会合の声明草案で明らかになった。

「終えんには程遠い」

BNPパリバのシニア金利ストラテジスト、マテオ・レゲスタ氏は 「ユーロ圏をめぐる情勢は改善しているとはいえ、終えんには程遠い。 この懸念が米国債など安全資産の需要を引き続き支えるはずだ」と指摘 した。

バーナンキFRB議長は、米国のリセッション(景気後退)からの 回復ペースは「極めてのろい」と指摘した。一方、世界各国の中央銀行 の行動が大恐慌の再来を回避するのに役立ったとの認識を示した。ジョ ージ・ワシントン大学の学部生向けに講演した。

ニューヨーク連銀は償還期限2014年7月から15年3月の米国債を86 億ドル相当売却した。これは4000億ドル相当の短期債を売却し、期間が 長めの国債を同額購入するプログラムの一環。

失業保険申請件数の減少が示された後も米国債は上昇した。先週の 新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週から5000件減少して35 万9000件と、ほぼ4年ぶりの低水準。

7年債入札の最高落札利回りは1.590%と、入札直前の市場予 想1.572%を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.72倍 と、過去10回の2.86倍を下回った。

原題:U.S. 10-Year Yields Reach Two-Week Low as Investors Seek Refuge(抜粋)

◎NY金:3日続落、世界経済の成長懸念で需要減を警戒

ニューヨーク金先物相場は3日続落。米失業保険申請件数が予想を 上回ったことやギリシャは再び債務再編を余儀なくされる可能性がある とスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が指摘したことを背景 に、原材料需要が落ち込むとの懸念が強まった。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から5000件減少して35万9000件。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値は35万件だった。S&Pのソブリン 格付け責任者、モーリッツ・クレーマー氏は前日、ギリシャが再び債務 再編を余儀なくされる可能性が高いとし、その場合は救済に関わった欧 州各国政府なども巻き込まれる可能性があるとの見方を示した。

アーチャー・フィナンシャル・サービシズの市場ストラテジスト、 アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話インタビュー で、「マクロ経済に関する不安が再び高まっている」と指摘。「今のと ころは警戒しながら様子を見る姿勢が強い」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.3%安の1オンス=1654.90ドルで終了した。年初から は5.6%の値上がり。

原題:Gold Declines for Third Day in New York on Global Growth Concern(抜粋)

◎NY原油:続落、6週間ぶり安値-株安や備蓄放出発言で

ニューヨーク原油先物相場は続落。6週間ぶりの安値となった。米 株式相場の軟調推移や、フランスが原油価格の上昇を抑えるための緊急 石油備蓄の放出で主要各国が合意に近づいているとの認識を示したこと が背景。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ギリシ ャが再び債務再編を余儀なくされる可能性が高いとの見方を示した。フ ランスのフィヨン首相は同合意の見通しは良いとしているほか、国際エ ネルギー機関(IEA)は深刻な供給障害が発生すれば備蓄放出の用意 があると明らかにした。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「欧州 の問題がまた顕在化しつつあり、それが市場全体に影響を及ぼしてい る」と指摘。「戦略石油備蓄の放出が何らかの形で実施されることを確 認するような発言も売り材料となった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比2.63ドル(2.50%)安の1バレル=102.78ドルで終了。終値では先 月16日以来の安値となった。年初からは4%値上がりしている。

原題:Oil Falls to Six-Week Low on Equity Drop, Reserve Release Talk(抜粋)

◎欧州株:約3週間ぶり大幅下落、ギリシャ不安再燃-米統計も響く

29日の欧州株式相場は約3週間ぶりの大幅下落。ギリシャが再び債 務再編を余儀なくされる可能性を米格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)が指摘したことや、米国で新規失業保険申請件数が 市場予想を上回ったことが響いた。

スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H& M)は半年ぶり大幅下落。四半期利益が市場予想に届かなった。イタリ ア3位の銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの第4四半期決算 は過去最大の赤字となり、11%急落。英最大の鉄道運営会社ファースト グループもバス事業の芳しくない見通しを受けて14%下げた。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%安の260.74で終了。今月6日 以来の大幅下落となった。年初来では6.6%上昇と、2006年以来の幸先 良いスタートとなっている。欧州中央銀行(ECB)による域内銀行へ の長期資金供給が支えとなっている。

この日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価指数 が下落した。S&Pでギリシャについて警告したのはソブリン格付け責 任者のモーリッツ・クレーマー氏。米労働省が同日発表した先週の新規 失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週から5000件減少して35 万9000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は35万件だった。

原題:European Stocks Fall as S&P Sees Further Greek Restructuring(抜粋)

◎欧州債:スペイン債とイタリア債が下落、危機拡大懸念-英国債上昇

29日の欧州債市場ではスペイン債が下落。イタリア2年債は2か月 ぶり大幅安となった。スペインで労組がゼネスト入りし、財政赤字とコ スト削減を目指すユーロ圏の高債務国政府の多難が浮き彫りとなった。

ドイツ10年債は3営業日続伸。ユーロ圏の景況感指数が低下し、安 全資産を求める動きが強まった。スペインのモントロ国庫相は30日 に2012年予算案を提示する。また、米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)のソブリン格付け責任者、モーリッツ・クレー マー氏は28日、ギリシャが再び債務再編を余儀なくされる可能性が高い との見方を示した。

ウェストLBの債券ストラテジスト、セルカン・エラスラン氏は 「スペインの経済状況は暗い。それが、この日のスペイン債とイタリア 債を動かした主な要因だ」と述べ、S&Pのギリシャに関する「警告」 も危機が拡大するとの懸念をあおったと付け加えた。

スペイン10年債利回りはロンドン時間午後4時49分現在、前日比13 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.46%。一時は18b p上げて5.50%と、21日以来の大幅上昇を示した。同国債(表面利 率5.85%、2022年1月償還)の価格は1.02下げて102.88。2年債利回り は13bp上昇の2.59%。

イタリア10年債利回りは10bp上昇の5.21%。2年債利回りは一 時、39bp上げて3.03%に達し、1月16日以来最大の上昇となった。そ の後は2.99%で推移している。同国はこの日実施した入札で、10年債32 億5000万ユーロを発行。落札利回りは5.24%と、2月28日の前回入札で の5.5%を下回った。

ドイツ10年債利回りは3bp低下の1.81%。今月13日以来の低水準 である1.80%まで下げる場面もあった。この日発表されたユーロ圏の3 月の景況感指数は市場予想に反して低下した。

英国債も安全資産需要で上げた。ロンドン時間午後4時22分現 在、10年債の利回りは1bp低下の2.2%。同国債(表面利率 4%、2022年3月償還)の価格は0.13上げ116.005。

原題:Spain Bonds Drop on Strike as Italy Yields Jump Most in 2 Months(抜粋) 原題:Pound Gains Most in Two Weeks Versus Euro on European Sentiment(抜粋)

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