米国債:上昇、欧州危機再燃を警戒-10年債利回りは2.15%

米国債相場は上昇。10年債利回りは 2週間ぶりの水準に低下した。欧州の債務危機が再燃するとの懸念から 安全な逃避先としての需要が膨らんだ。

国債相場は7年債入札(発行額290億ドル)以降も堅調な地合いを 維持した。海外の中央銀行を含む間接入札の割合は昨年8月以来の高水 準になった。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) のソブリン格付け責任者は前日、ギリシャが再び債務再編を余儀なくさ れる可能性が高いと指摘した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバー ナンキ議長は今週、米経済の回復はまだ確実にはなっていないとの見方 を示した。

UBSの金利戦略責任者、クリス・アーレンズ氏(コネティカット 州スタンフォード在勤)は「欧州情勢をめぐる不透明感が再び第一線に 出てきた」と指摘。「リスク市場では圧力がやや高まっている。リスク 回避の取引に戻った」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時59分現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.15%と、14日以来の低水準。10年債価格(表面利率 2%、償還2022年2月)は13/32上げ、98 5/8。既発7年債利回りは4 bp低下の1.54%。

1-3月期は不調

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の収益率は1-3月期にマイナス1.2%と、四半期ベースで は2010年10-12月(第4四半期)以来の悪い成績となっている。

特に期間10年以上の国債がマイナス5.1%と悪い。一方、世界の国 債相場はプラス0.4%、世界の債券相場全体のリターンはプラス1.1%と なっている。

S&Pのモーリッツ・クレーマー氏はギリシャについて、「将来に おいて再び債務再編が実施される可能性がある」と指摘、その場合は欧 州政府など公的な債権者も参加する必要性が出てくるかもしれないとの 見方を示した。

ユーロ圏各国は債務危機の収束に向け、救済基金の上限を向こう1 年間9400億ユーロ(約104兆円)に引き上げる準備を進めている。ユー ロ圏財務相会合の声明草案で明らかになった。

「終えんには程遠い」

BNPパリバのシニア金利ストラテジスト、マテオ・レゲスタ氏は 「ユーロ圏をめぐる情勢は改善しているとはいえ、終えんには程遠い。 この懸念が米国債など安全資産の需要を引き続き支えるはずだ」と指摘 した。

バーナンキFRB議長は、米国のリセッション(景気後退)からの 回復ペースは「極めてのろい」と指摘した。一方、世界各国の中央銀行 の行動が大恐慌の再来を回避するのに役立ったとの認識を示した。ジョ ージ・ワシントン大学の学部生向けに講演した。

ニューヨーク連銀は償還期限2014年7月から15年3月の米国債を86 億ドル相当売却した。これは4000億ドル相当の短期債を売却し、期間が 長めの国債を同額購入するプログラムの一環。

失業保険申請件数の減少が示された後も米国債は上昇した。先週の 新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週から5000件減少して35 万9000件と、ほぼ4年ぶりの低水準。

7年債入札の最高落札利回りは1.590%と、入札直前の市場予 想1.572%を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.72倍 と、過去10回の2.86倍を下回った。

原題:U.S. 10-Year Yields Reach Two-Week Low as Investors Seek Refuge(抜粋)

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