ユーロ圏:基金計画は政治的、ドイツの抵抗抑え国際社会説得

救済融資の総額の上限を一時的 に9400億ユーロ(約102兆円)とする欧州の計画で、ドイツ政府は国内 での非難をかわせるようになり、この方針は同時に域外からの支援を引 き寄せるという目的に沿っているとユーロ圏の当局者4人が述べた。

ユーロ圏の財務相らは30日の会合で、救済融資の上限を2013年半ば までの間9400億ユーロとすることで合意する見込みだが、その場合も仮 にスペインかイタリアを救済する必要が生じても直ちに利用できる額 は3400億-6400億ユーロの間になる。

欧州に対し、国際社会は救済資金の準備を厚くするよう求めている 一方、ドイツを初めとする拠出国からの負担増に対する抵抗は根強く、 当局者らは二者の間で挟み撃ちにあっている。

INGグループのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏(ブリ ュッセル在勤)は「ユーロ圏のファイアウオール(防火壁)を恒久的に 増額することにはドイツの抵抗がある。同国はこれ以上の納税者の金を 約束したくない。従って、飛躍的な展開は期待しにくい」と話した。

30日のコペンハーゲンでの財務相会合の声明草稿によると、当局者 らは恒久的基金の欧州安定化メカニズム(ESM)の5000億ユーロと暫 定基金、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)で決定されてい る2000億ユーロの融資を並存させる方向でまとまりつつある。

さらにEFSFの未使用の2400億ユーロについても13年半ばまで は、例外的な状況の下で全会一致の決定があれば利用可能とする。23日 付の草稿をブルームバーグ・ニュースが入手した。最終的な発表前に声 明の内容が変更される可能性はある。

政治的に慎重さが求められる

欧州のファイアウオール強化には、国際通貨基金(IMF)を通じ て世界からさらに資金を呼び込む目的もある。

草稿には上限額として9400億ユーロは明記されておらず、政治的に 慎重さが求められる状況を浮き彫りにしている。融資能力は7000億ユー ロとされ、EFSFの未使用の2400億ユーロは脚注で言及されている。

欧州中央銀行(ECB)は政府に危機対応の時間を与えるため、国 債購入などで支えている。ECBのプラート理事はこの日のセミナーの ために準備した文書で、「欧州首脳らがESMの融資能力を随時見直す ことをECBは歓迎する」とし、「ESMとEFSFの能力を合わせて 融資能力を大幅に拡大する構想に迅速に合意するよう求める」と表明し た。

原題:Euro Aid Compromise Seen Providing Political Cover for Germany(抜粋)

--取材協力:Frances Schwartzkopff、Jeff Black.

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