OECD:欧州はファイアウオール強化を、信頼回復必要

経済協力開発機構(OECD)は欧 州の財務相らに、域内各国政府に緊急融資できる額の上限を引き上げる よう呼び掛けた。欧州の景気回復が米国に後れを取る中で、信頼回復の 必要性を指摘した。

OECDの主任エコノミスト、ピエールカルロ・パドアン氏は29 日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ユーロ圏はま だ難局を脱してはいない」とし、「起こり得る負の展開に対し、政策の 備えが必要だ」と指摘。危機拡大を防ぐ「ファイアウオール(防火壁) をさらに強化する必要がある」と論じた。

さらに「何が必要かを誰もが認識している」とし、「昨年のように 何回も市場が失望させられるということがないように、必要な措置が取 られると確信している」と語った。

OECDはこの日、経済見通しの中間報告を発表。ドイツとフラン ス、イタリアのユーロ圏3大経済は加重平均で、1-3月(第1四半 期)に年率0.4%のマイナス成長となり、4-6月(第2四半期) に0.9%のプラス成長に回復すると予想した。これに対し、米国は第1 四半期が2.9%、第2四半期が2.8%それぞれプラス成長の見通し。

主要7カ国(G7)全体は第1、2四半期ともに年率1.9%前後の 成長が見込まれる。カナダは2.5%ずつの成長となり、日本は第1四半 期が3.4%、第2四半期が1.4%の見込み。英国は1-3月が0.4%のマ イナス成長、4-6月が0.5%のプラスと予想される。

OECDは報告で、「2012年1-6月(上期)についての予測はカ ナダおよび米国と、欧州との間の国内総生産(GDP)成長率の乖離 (かいり)を示している」と指摘。さらに、欧州の状況は「極めて脆弱 (ぜいじゃく)にとどまるだろう」と予想した。

欧州経済は昨年終わりにかけ、域内債務危機悪化が消費者信頼感を 損ねると同時に各国が債券投資家の不安払拭(ふっしょく)に向けて緊 縮財政措置を取ったことから落ち込んだ。OECDは、今年も財政引き 締めが成長の足かせとなり続けるとの見通しを示した。

また、原油高がOECD加盟34カ国全体のインフレ率を約0.25ポイ ント押し上げ、回復への脅威となり得るとの見方も示した。向こう1年 で成長を平均して約0.1-0.2ポイント押し下げると概算した。

政府が財政再建を進める間、中央銀行が景気支援を継続する姿勢が 必要だとも指摘。「金融政策は依然として極めて景気支援型だ。この政 策設定は、量的緩和を通じた支援継続を含め、今後相当の期間にわたり 適切と見なされるだろう」と分析した。

原題:OECD Urges Europe to Strengthen Firewall as Growth Trails U.S.(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE