野村:チーフストラテジストに田村氏起用-クオンツ分析力を評価

野村証券は、3月末で退社するエク イティリサーチ部の日本株チーフストラテジスト、岩沢誠一郎氏の後任 として田村浩道氏を起用する。高度な数学的手法を用いて市場分析など をするクオンツ分析の専門家を、同社の株式投資戦略の中心に置く。

田村氏がブルームバーグ・ニュースの取材で明らかにした。同氏は 4月1日付で正式に就任する。現在の肩書は、野村証のエクイティクオ ンツリサーチ部長で、クオンツ分析を通じた日本株の分析が担当。

田村氏は、「クオンツだけでなくテクニカルや野村証券のリサーチ のリソースを最大限に使い、組織の壁を取り払った分析を行いたい」と 抱負を語った。さらに「アジアを見据えた上での日本、日本を除いたア ジアなどにも目を配り、アジア発のグローバルリサーチを行っていきた い」とも付け加えた。

田村氏は1991年に早稲田大学大学院理工学研究科を修了。同年、野 村総合研究所企業調査部(現野村証券金融経済研究所)に入社した。93 年クオンツリサーチ室、2001年野村インターナショナル(ロンドン)な どを経て、現職。3月に発表された「日経ヴェリタス」の2012年アナリ ストランキングではクオンツ部門で2位となっている。

野村証の広報担当、菅井馨子氏は、今回の田村氏の異動についてコ メントを控えた。

「クオンツ分析」へのニーズ増加が背景に

国内では、ドイツ証券の神山直樹氏、バークレイズ・キャピタル証 券の高橋文行氏、BNPパリバ証券の丸山俊氏など、株式市場のクオン ツ分析の経歴を持つアナリストがその後にストラテジストへ転身するケ ースが増えている。国内証券最大手の野村証もこうした流れに追随する 形でクオンツ分析の経験を持つストラテジストを起用する。

こうした背景について、大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦 略部長は「世界の株価が傾向的に上昇することが無くなったため、投資 家は株価全体の方向性ではなく、どの銘柄が良くてどの銘柄が悪いのか というロング・ショート戦略によって超過収益を稼ごうとしている」と 指摘する。

門司氏によると、従来の証券会社のストラテジストはファンダメン タルズから市場見通しを予測するケースが主流だった。しかし、近年で は景気や為替の変動、テーマなどによる個別銘柄への影響など、「銘柄 スクリーニングによる定量分析的なリクエストがヘッジファンド中心に 増えているようだ」と話していた。

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