円全面高、中国株一段安でリスク回避強まる―対ドル82円半ば上抜け

東京外国為替市場では、円が主要16 通貨に対して全面高となり、対ドルでは一時1ドル=82円台半ばを突破 し、4営業日ぶりの高値を付けた。中国経済の先行き不透明感がくすぶ る中、同国株が下落幅を拡大する展開となり、リスク回避に伴う円買い が意識された。

ドル・円相場は、前日の海外市場で83円台を回復する場面も見られ ていたが、東京市場では朝方に付けた82円97銭を円の下値に、午後に は82円25銭まで円高が進んだ。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 「期末要因で需給主導の動き」の中、クロス・円(ドル以外の通貨の対 円相場)で円買いの観測が聞かれたと指摘。中国経済の先行き不透明感 を背景にオーストラリア・ドルが弱含みとなった面もあり、全般的な円 買い圧力につながったと説明している。

また、日本時間朝の取引で1ユーロ=110円52銭に値を戻していた ユーロ・円相場も、午後の取引で一時109円71銭と、3営業日ぶりの水 準までユーロ安・円高が進んだ。

中国株が一段安

中国では、国内2位の通信機器メーカー、ZTE(中興通訊)の業 績が2011年通期で37%の減益になるなど、企業の業績不振が目立つ。そ うした中、この日の上海総合指数は続落して、下値を切り下げる展開と なり、一時は1月17日以来の安値を付けている。

大和証券投資情報部担当部長の亀岡裕次氏は、中国経済が足元では っきりとした回復を示していないとし、「ベースとして景気に対する不 透明感がある」と指摘。目先は「中国の株安が止まるのか止まらないの か」が焦点だと言い、比較的金利の高い通貨が弱く、「リスク回避気味 のパターン」になる中、少なくとも東京市場は円買いが進みやすいとみ ていた。

また、米国では、28日に発表された2月の製造業耐久財受注額が前 月比で2.2%増と、前月のマイナスからは改善したものの、ブルームバ ーグがまとめた市場予想の中央値3%増を下回る伸びにとどまった。

米株式相場は指標の弱含みなどを背景に続落。リスク資産向け投資 に慎重な姿勢が意識されやすく、海外市場では投資避難的な円買い圧力 がかかる面もあった。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、米経済指 標に関しては、いい結果が続いて期待値が上がってしまっていた分、 「越えなければいけないハードルが高くなっている」と指摘。目先は高 い期待が裏切られる内容が目立っており、これまでの積極的な投資ムー ドが後退して、売られていた円が買われ気味になっていると説明してい る。

ユーロは対ドルで値を戻す

一方、ユーロ圏では、30日にコペンハーゲンで財務相会合が開かれ る。同会合の声明草案などによると、債務危機の収束に向けて、救済基 金の上限を向こう1年間9400億ユーロに引き上げる準備が進められてい る。

また、28日の欧州債市場では、ポルトガルの2年債相場が10営業日 続伸し、過去3年で最長の上げ局面となるなど、域内の債務危機が和ら いでいることが示されている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3277ドル と、2営業日ぶりの安値を付けていたが、東京市場では1.33ドル台前半 に値を戻して推移。一時は1.3346ドルまで上値を切り上げた。

外為オンラインのジェルベズ氏は、救済基金の増強額など決定的な ことが決まれば、「サプライズでユーロ買い」の可能性もあるとし、財 務相会合を控えて「特段ユーロを売る感じではない」と指摘。ただ、基 金の増強額というところは割と揺れている状況で、これから要人発言や 観測報道を見極めて、中間値を想定していく感じになるとし、会合終了 までは大きなトレンドは形成されづらいとしている。

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