3月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで続伸、逃避需要-米統計と英GDPで

ニューヨーク外国為替市場では、円がドルとユーロに対して上昇し た。世界の経済成長が鈍化しているとの懸念を背景に、安全資産と見な される通貨の需要が高まったほか、日本の会計年度末が近づいたことが 背景。

この日の円は主要16通貨の半数以上に対して上昇。今月31日の会計 年度末を前に、日本企業が海外収益を本国へ送還するとの観測が広がっ た。28日朝方に発表された米製造業耐久財受注が市場予想を下回ったこ とを受け、ドルは上昇する場面もあった。英国の国内総生産(GDP) 確定値が改定値から下方修正となったことも材料視された。ただ、ユー ロ圏財務相会合の草案で救済基金の規模拡大が準備されていることがわ かると、ユーロは下げを埋めた。

GFTフォレックスの通貨調査担当ディレクター、キャシー・リー ン氏(ニューヨーク在勤)は、「レパトリの流れを追い風に円が上げて いる」と指摘。「会計年度末を控えた動きだ。円はとりわけ利益を確定 しやすい水準にあった。この日はリスク回避の一日だった」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時2分現在、円はドルに対して前日 比0.3%高の1ドル=82円90銭。対ユーロでも0.3%上げて1ユーロ =110円36銭。一時0.8%高と、3月22日以来の大幅高となる場面も見ら れた。ドルはユーロに対して前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3317ド ル。一時は0.3%上げていた。

欧州の基金拡大

先進10カ国通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によれ ば、ユーロは年初来0.6%上昇。ドルは2.4%、円は10.1%それぞれ下落 し、同指数構成通貨の中で値下がり率上位に並んだ。一方で今年最も値 上がりしているのはニュージーランド・ドルで3.2%高。次いでノルウ ェー・クローネの2%高となっている。

この日は南アフリカ・ランドがドルに対する下げが最も著しく、前 日比0.9%安の1ドル=7.6751ランドとなっている。中国での需要減退 の兆候を受けて商品相場が下げたことが背景。

ユーロ圏各国は債務危機の収束に向け、救済基金の上限を向こう1 年間9400億ユーロ(約103兆6000億円)に引き上げる準備を進めてい る。ユーロ圏財務相会合の声明草案で明らかになった。これを受けてユ ーロは戻した。ドイツのメルケル首相は26日、暫定的な救済基金と恒久 的基金を並行稼働させる案をドイツが支持する可能性があると発言して いた。この日はイタリアとポルトガル、スペインの10年債が上昇した。

耐久財受注

GFTフォレックスのリーン氏は「欧州救済基金の上限についての ニュースが本当だとすれば、投資家が望んでいた以上に積極的なものに 見受けられる」とし、「せいぜい2種の基金を合わせて5000億ユーロに することを投資家は予想していただろう。しかし細部が肝心だ。規模拡 大に条件が付帯され、困難に直面した国が資金を受け取るために多くの 条件を満たす必要があるようなものであってはならない」と述べた。

ユーロ・ドルの3カ月物オプションのインプライド・ボラティリテ ィ(IV、予想変動率)指数は一時9.74%まで低下し、2008年8月以来 の低水準を付けた。

米商務省が発表した2月の製造業耐久財受注額は前月比で2.2%増 と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値(3%増)を 下回る伸びにとどまった。前月は3.6%減少していた。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は、「統計を受け世界の景気に対す る若干の懸念材料が出たため、市場は非常に慎重になっているようだ」 と指摘。「投資家は少しずつ世界の成長予想を見直している」と述べ た。

原題:Yen Gains Versus Major Peers on Growth Concern, Repatriation(抜粋)

◎米国株:続落、エネルギー株が安い-製造業耐久財受注も嫌気

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は続落となった。原油相 場の値下がりを受けエネルギー株が安い。製造業耐久財受注の伸びが市 場予想を下回ったことも嫌気された。

S&P500種のエネルギー株43銘柄中では、特にエクソンモービル とオクシデンタル・ペトロリアムの下げがきつい。米原油在庫の増加を 嫌気して原油相場が下げたことに反応した。景気敏感株で構成されるモ ルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.6%下落した。米連邦準備制 度理事会(FRB)のバーナンキ議長が景気回復は確実ではないとの認 識を示したことが背景にある。建機大手キャタピラーやアルミ生産大手 アルコアが安い。一方、S&P500種の業種別10指数で上昇したのは金 融株指数のみ。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が高い。

S&P500種株価指数は前日比0.5%安の1405.54。ダウ工業株30種 平均は71.52ドル(0.5%)下げて13126.21ドル。

ウェルズ・キャピタル・マネジメント(ミネアポリス)のチーフ投 資ストラテジスト、ジェームズ・ポールセン氏は「きょうの経済指標も 若干さえない内容だったことや、FRB議長が景気に慎重な見方を示し たことから、投資家のいら立ちは強まっている」と指摘。「エネルギー 株の急落も全体の下げを加速させた。これまでの非常に大きな上昇で、 市場ではすでに調整が意識されている」と述べた。

S&P500種は、月初からは2.9%上昇。また年初からは12%上げて おり、このままいけば1-3月(第1四半期)としては1998年以降で最 大の上昇となる。年初来の業種別10指数では、テクノロジー株と金融株 が最も値上がりしている。

経済指標

米商務省が発表した2月の製造業耐久財受注額は前月比で2.2%増 と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値(3%増)を 下回る伸びにとどまった。前月は3.6%減少していた。バーナンキ FRB議長は、米失業率は依然として高過ぎ、米経済の回復はまだ確実 とは言えず、政策当局者は成長支援に向けた追加の選択肢をどれも排除 してはいないことを明らかにした。

バーナンキ議長はABCニュースのアンカー、ダイアン・ソイヤー 氏とのインタビューで、「勝利宣言するのはあまりにも時期尚早だ」と 述べ、「最近のニュースは良かったが、われわれは慎重になり、これが 持続可能なものとなるよう確実を期す必要がある」と発言。FRBが 「完全な回復軌道に乗ったと確信」できる状態ではまだないと説明し た。ABCがインタビューのテキストを提供した。

S&P500種の業種別10指数では、エネルギー株と素材株の下げが 目立った。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限 は1.8%下げた。エクソンは0.9%安の85.86ドル。オクシデンタル・ペ トロリアムは3.6%下げて94.85ドル。

景気敏感株が安い

景気に対する懸念が広がり、経済成長との関連性が強い銘柄が下げ た。アルコアは2.3%安の9.83ドル。キャタピラーは3.5%下落し104.26 ドル。

ウォルト・ディズニーは1.5%安の43.51ドル。事情に詳しい複数の 関係者は、ルパート・マードック氏率いるニューズ・コープがディズニ ー傘下のスポーツ専門局ESPNに対抗し、ケーブルテレビでスポーツ チャンネルを立ち上げる準備を進めていることを明らかにした。

KBW銀行指数は1.1%高。構成する24銘柄中22銘柄が上げた。 BOAは1.6%高の9.75ドル。

原題:U.S. Stocks Fall Amid Slump in Energy Shares as Data Disappoint(抜粋)

◎米国債:5年債下落、入札で需要軟調-追加緩和の必要性を疑問視

米国債市場では5年債が下落。午後に実施された5年債入札で需要 が昨年8月以来の低い水準となった。投資家は、米金融当局による追加 緩和が必要になるほど景気が低迷しているかどうかを疑問視している。

米財務省が実施した5年債入札(発行額350億ドル)の結果による と、投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.85倍と、過去10回の平均 値2.91倍を下回った。昨年8月には2.71倍まで落ち込んだ。バーナンキ 連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日、米経済の回復はまだ確実と は言えず量的緩和(QE)の追加策が「テーブルの上」にあると指摘し たことが手掛かりとなり米国債はもみ合う展開。

バークレイズの金利戦略共同責任者、マイケル・ポンド氏は「最近 の相場上昇にある程度疲れが見られた。それが入札結果に表れた」と述 べ、「投資家は利回り水準にそれほど魅力を見いだしていなかった」と 続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時30分現在、既発5年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇して1.04%。同年債価格(表面利率0.875%、2017 年2月償還期限)は3/32下落して99 7/32。10年債利回りは2bp上昇 して2.20%。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、5年債の リターンは3月に入り0.7%マイナスとなっている。米国債全体で は0.9%マイナス。

入札結果

5年債入札の結果によると、最高落札利回りは1.040%と、入札直 前の市場予想(1.042%)を下回った。前回入札(2月22日)は0.900% だった。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める比率は41.9%。 過去10回の平均値は44%。プライマリーディーラー(政府証券公認ディ ーラー)以外の直接入札の落札比率は11.3%、過去10回の入札の平均 は11.9%だった。

前日の2年債入札(350億ドル)の結果によると、最高落札利回り は0.34%。投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.69倍と、過去10回の 平均値である3.53倍を上回った。29日には7年債入札(290億ドル)が 行われる。

バーナンキ議長の発言

バーナンキ議長は、米失業率が依然として高く、米経済の回復がま だ確実とは言えないため、成長支援に向けた追加の選択肢をどれも排除 してはいないことを明らかにした。

バーナンキ議長はABCニュースのアンカー、ダイアン・ソイヤー 氏とのインタビューで、「勝利宣言するのはあまりにも時期尚早だ」と 述べ、「最近のニュースは良かったが、われわれは慎重になり、これが 持続可能なものとなるよう確実を期す必要がある」と発言。「完全な回 復軌道に乗ったと確信」できる状態ではまだないと説明した。ABCが インタビューのテキストを提供した。

2008年12月から2011年6月まで米金融当局は2度にわたる量的緩和 で2兆3000億ドルの債券を購入、政策金利は2008年12月以降、変更して いない。

10年債と同年限のインフレ連動債のブレークイーブンレート(利回 り格差)は6日連続で縮小。この日は2.33ポイントとなった。今月20日 には7カ月ぶり最大となる2.45ポイントをつけていた。過去1年間の平 均値は2.19ポイント。

原題:Treasury Five-Year Auction Demand Falls Amid Concern on Outlook(抜粋)

◎NY金:続落、2週ぶり大幅安-インド宝飾店ストで需要後退観測

ニューヨーク金先物相場は続落。2週間ぶりの大幅安となった。 世界最大の金購入国であるインドの宝飾店のストで、需要が後退する との見方が広がった。

インドの宝飾業界団体によると、全国規模で展開する宝飾店のス トは政府が金製品への課税を撤回するまで続けられる。ボンベイ貴金 属協会は26日、今回の税率引き上げで小売り価格が6%余り上昇す るとし、このため今四半期の金輸入は最大59%減少するとの見方を示 していた。商品24銘柄で構成するS&PのGSCI指数は一時

1.5%下げた。

ストリートトーク・アドバイザーズ(ヒューストン)のランス・ ロバーツ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「インド でのストが一時的に価格を押し下げるのは明白だ」と指摘。「貴金属 市場全般に下押し圧力となっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 6月限は前日比1.6%安の1オンス=1660.50ドルで終了。中心限 月としては14日以来の大幅下落となった。

原題:Gold Declines Most in Two Weeks as Strike in India Curbs Demand(抜粋)

◎NY原油:反落、米国の在庫増で-備蓄放出関連の報道も重し

ニューヨーク原油先物相場は4日ぶりに下落。米原油在庫の大幅 増加を嫌気した。西側の複数の国が戦略備蓄の放出を検討しているこ とも材料視された。

米エネルギー省の発表によると、先週の原油在庫は710万バレル 増の3億5340万バレルと、2010年7月以来の大幅増となった。ベ ッソン仏産業担当相は米国が戦略備蓄の放出を提案したと発言。一方、 ホワイトハウスの当局者は決定は何も下されていないと述べた。

戦略国際研究センターのエネルギー・国家安全保障プログラム担 当ディレクター、フランク・バラストロ氏は「備蓄放出に関する各国 の発言は、口先で相場を押し下げようとするものだ」と指摘。「市場 に供給が十分あることは明白だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.92ドル(1.79%)安の1バレル=105.41ドルで終了。終値 では22日以来の安値となった。年初からは6.7%値上がりしている。

原題:Oil Falls as U.S. Supplies Gain, Reserve Release Is Considered(抜粋)

◎欧州株:続落、独連銀総裁の発言で-ポポラーレ・ディ・ミラノ安い

28日の欧州株式相場は続落。欧州中央銀行(ECB)の政策委 員会メンバー、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁がユーロ圏救済基金 を拡大しても債務危機の解決にはならないとの認識を示したことが手 掛かり。

イタリアのポポラーレ・ディ・ミラノ銀行が5.4%安。2011年 の通期決算が赤字に悪化した。石油・ガス探査を手掛ける英JKXオイ ル・アンド・ガスは14%値下がり。中間配当を実施しない方針が響い た。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%安の264.10で終了。 年初来では8%上昇している。

バイトマン総裁はこの日、ロンドンで講演。「『バベルの塔』と同 様に、『資金の壁』も決して天国に届くことはない」と指摘。「それど ころか高く積み上げれば積み上げるほど、世界はさらなる制約に突き当 たる」とし、その状況から「将来の新たな問題につながる原因」も醸成 されかねないと述べた。

欧州連合(EU)当局者は同日、債務危機拡大阻止のファイアウオ ール(防火壁)の高さは7000億-9400億ユーロの間になると説明 している。ユーロ圏各国の財務相らは30日にコペンハーゲンで話し合 う。

原題:European Stocks Fall for Second Day; Banca Popolare, JKX Decline (抜粋)

◎欧州債:ポルトガル2年債が10営業日続伸-英国債も高い

28日の欧州債市場では、ポルトガル2年債相場が10営業日続伸。 過去3年で最長の上げ局面となった。ユーロ圏の債務危機が和らいでい るとの楽観が相場を支えている。

ドイツ国債に対するポルトガル10年債の利回り上乗せ幅(スプレ ッド)は4カ月ぶりの水準に縮まった。イタリアのモンティ首相はこの 日に東京都内で、ユーロ圏の危機は「ほぼ終わった」と言明。同日発表 のドイツの3月のインフレ率が前月から低下したことを受け、欧州では 大半の10年国債が値上がりした。

ソシエテ・ジェネラルのユーロ圏金利戦略責任者キアラン・オヘー ガン氏は「高利回り市場では、ポルトガルが引き続き一番魅力的だ」と 指摘。「ポルトガル債のリターンが最も良い理由は、ユーロ圏の他の国 で大したニュースがないためだ。それで一息つく余裕ができて、ポルト ガル債のスプレッドが縮小した」と説明した。

ポルトガル2年債利回りはロンドン時間午後4時47分現在、前日 比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の9.37%。 一時は昨年4月14日以来の低水準となる9.22%まで下げた。同国債 (表面利率5.45%、2013年9月償還)の価格は0.19上げ94.76。 10営業日続伸は09年2月以来最長。10年債利回りは21bp低下の

11.25%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)が まとめた指数によると、ポルトガル債の年初来リターン(投資収益率) は13%と、26のソブリン債市場で最高。イタリア債は11%。ドイツ 債はマイナス0.2%となっている。

スペイン10年債利回りは2bp低下の5.33%。今月21日以来 の低水準となる5.28%まで下げる場面もあった。イタリア債も上昇。 ドイツ国債も上げ、10年債利回りは6bp低下の1.83%。

英国債も値上がりした。ロンドン時間午後4時43分現在、10年 債利回りは5bp低下の2.21%。同国債(表面利率4%、2022年3 月償還)価格は0.505上げて115.9。

原題:Portugal Notes in Longest Winning Run Since 2009 as Crisis Eases(抜粋) 原題:Pound Falls Most in Five Weeks Versus Euro After Economy Shrinks (抜粋)

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae, Shigeki Mori 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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