NY外為:円上昇、年度末の円買い期待-成長鈍化で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では、円 がドルとユーロに対して上昇した。世界の経済成長が鈍化しているとの 懸念を背景に、安全資産と見なされる通貨の需要が高まったほか、日本 の会計年度末が近づいたことが背景。

この日の円は主要16通貨の半数以上に対して上昇。今月31日の会計 年度末を前に、日本企業が海外収益を本国へ送還するとの観測が広がっ た。28日朝方に発表された米製造業耐久財受注が市場予想を下回ったこ とを受け、ドルは上昇する場面もあった。英国の国内総生産(GDP) 確定値が改定値から下方修正となったことも材料視された。ただ、ユー ロ圏財務相会合の草案で救済基金の規模拡大が準備されていることがわ かると、ユーロは下げを埋めた。

GFTフォレックスの通貨調査担当ディレクター、キャシー・リー ン氏(ニューヨーク在勤)は、「レパトリの流れを追い風に円が上げて いる」と指摘。「会計年度末を控えた動きだ。円はとりわけ利益を確定 しやすい水準にあった。この日はリスク回避の一日だった」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時2分現在、円はドルに対して前日 比0.3%高の1ドル=82円90銭。対ユーロでも0.3%上げて1ユーロ =110円36銭。一時0.8%高と、3月22日以来の大幅高となる場面も見ら れた。ドルはユーロに対して前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3317ド ル。一時は0.3%上げていた。

欧州の基金拡大

先進10カ国通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によれ ば、ユーロは年初来0.6%上昇。ドルは2.4%、円は10.1%それぞれ下落 し、同指数構成通貨の中で値下がり率上位に並んだ。一方で今年最も値 上がりしているのはニュージーランド・ドルで3.2%高。次いでノルウ ェー・クローネの2%高となっている。

この日は南アフリカ・ランドがドルに対する下げが最も著しく、前 日比0.9%安の1ドル=7.6751ランドとなっている。中国での需要減退 の兆候を受けて商品相場が下げたことが背景。

ユーロ圏各国は債務危機の収束に向け、救済基金の上限を向こう1 年間9400億ユーロ(約103兆6000億円)に引き上げる準備を進めてい る。ユーロ圏財務相会合の声明草案で明らかになった。これを受けてユ ーロは戻した。ドイツのメルケル首相は26日、暫定的な救済基金と恒久 的基金を並行稼働させる案をドイツが支持する可能性があると発言して いた。この日はイタリアとポルトガル、スペインの10年債が上昇した。

耐久財受注

GFTフォレックスのリーン氏は「欧州救済基金の上限についての ニュースが本当だとすれば、投資家が望んでいた以上に積極的なものに 見受けられる」とし、「せいぜい2種の基金を合わせて5000億ユーロに することを投資家は予想していただろう。しかし細部が肝心だ。規模拡 大に条件が付帯され、困難に直面した国が資金を受け取るために多くの 条件を満たす必要があるようなものであってはならない」と述べた。

ユーロ・ドルの3カ月物オプションのインプライド・ボラティリテ ィ(IV、予想変動率)指数は一時9.74%まで低下し、2008年8月以来 の低水準を付けた。

米商務省が発表した2月の製造業耐久財受注額は前月比で2.2%増 と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値(3%増)を 下回る伸びにとどまった。前月は3.6%減少していた。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は、「統計を受け世界の景気に対す る若干の懸念材料が出たため、市場は非常に慎重になっているようだ」 と指摘。「投資家は少しずつ世界の成長予想を見直している」と述べ た。

原題:Yen Gains Versus Major Peers on Growth Concern, Repatriation(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE