欧州:防火壁を強化、恒久基金払い込み前倒しの公算-当局者

欧州各国政府は域内諸国への救済融 資の上限額を、7000億-9400億ユーロ(約77兆6000億-104兆2000億 円)に引き上げる公算が大きい。これにより、世界の主要国から一段の 支援を引き出せると考えている。欧州連合(EU)の当局者が28日、明 らかにした。

当局者は匿名を条件にブリュッセルで記者団に、ユーロ圏の財務相 らが30日の会合で融資の上限を5000億ユーロから引き上げる見込みだと 述べた。さらに、恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム (ESM)への払い込みの前倒しで合意する可能性があると語った。

当局者によれば、欧州の首脳らは救済融資の上限引き上げと欧州中 央銀行(ECB)による1兆ユーロ余りの流動性供給が、世界の各国政 府に国際通貨基金(IMF)経由での貢献拡大を促すと確信している。

危機収束の取り組みを主導するドイツのメルケル首相は今週、ポル トガルとスペインの「脆弱(ぜいじゃく)性」を理由に融資上限の引き 上げを支持する考えを明らかにした。

メルケル首相は暫定基金の欧州金融安定ファシリティー( EFSF)が既に融資したか融資を約束している計2000億ユーロを、7 月に発足するESMの上限5000億ユーロに上乗せする案には同意した。

残る論点はEFSFの未使用の2400億ユーロの扱いだと当局者は述 べた。その全額を救済融資の財源に含める案には否定的な見方を示し た。

融資上限に加えて、ESMへの資本払い込みの前倒しも協議される 見込み。首脳らは3月1日に、5回の払い込みのうち最初の2回を今年 中に行うことで合意している。

残る3回についても2回を13年中に実施し、最終分の払い込みを当 初計画よりも2年早い14年に終えることで合意される可能性があると当 局者は述べた。

その場合、欧州は今年7月1日の時点に3年間で5000億ユーロの支 援を理論上は約束できる状況となり、融資実施のための十分な資金を確 保できることになるという。

当局者によるとまた、30日の会合では空席になるECB理事の人事 が決定される見込み。一方、ユンケル・ルクセンブルク首相兼国庫相が 務めるユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長の後任とESMトッ プの人選については、まだ議論が詰まっていないという。

原題:Europe Seen Lifting Firewall in Bid for More Aid, Official Says(抜粋)

--取材協力:Rebecca Christie.

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