欧州危機の「終息近い」首脳らが自信-FRB議長はなお慎重

欧州の指導者らが債務危機の終息は 近いという自信の高まりを示唆している。これに対し、米連邦準備制度 理事会(FRB)のバーナンキ議長は、米国の景気回復がまだ確実なも のとは言えないと述べ、慎重な姿勢を崩していない。

イタリアのモンティ首相は28日の都内での講演で、ユーロ圏の債務 危機について、政策担当者による当初の対応が鈍かったとしながらも、 「終わりに近づいている」との認識を表明した。ドイツのメルケル首相 も危機が収束しつつあり、資金の安全な逃避先としてのドイツ国債の存 在意義が薄れるのに伴い、借り入れコストが上昇する可能性が高いとの 見通しを明らかにした。

しかし、2009年3月に米景気回復の「芽吹き」に言及し、失業率が その7カ月後に10%に上昇した苦い経験を持つバーナンキFRB議長 は、ABCニュースのアンカー、ダイアン・ソイヤー氏とのインタビュ ー(27日放送)で、「勝利宣言するのはあまりにも時期尚早だ」と発 言。失業率があまりにも高い水準にとどまっており、政策担当者として 成長刺激のためのさらなる選択肢を排除しないと語った。

モンティ首相はこれとは対照的にギリシャ危機の解決がほぼ完了 し、スペインは自国に財政規律を課しており、イタリアの行動が欧州危 機の悪化に歯止めをかけることに貢献したと強調した。

勝利宣言は時期尚早か

第一生命経済研究所のエコノミスト、西濱徹氏は、バーナンキ氏の 姿勢がより慎重なのは当然だとした上で、大部分の投資家は状況が今後 悪化することはないと考えているが、危機が終ったと言える段階では決 してないとの見方を示す。

一方、INGフィナンシャル・マーケッツのアジア担当チーフエコ ノミスト、ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は「世界経済は回 復しつつあり、もちろんリスクは残っているが、あらゆる点から考えて 欧州問題の最悪期は脱した」と指摘し、バーナンキ議長がより慎重なの は、FRBが「インフレと雇用という2つの責務」を課されていること が理由かもしれないと話している。

原題:Europe Sees Crisis Nearing End as Bernanke Warns on Recovery (1)(抜粋)

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