円が82円後半へ上昇、年度末控え需給主導―株安でリスク回避圧力も

東京外国為替市場では円が上昇し、 ドル・円相場は1ドル=83円台を割り込んだ。株価の軟調推移を背景に リスク許容度の低下が意識される中、期末を前に国内輸出企業などの円 買い需要も指摘された。

午後4時3分現在のドル・円相場は82円75銭前後。前日の海外市場 では日本銀行の追加緩和観測などを手掛かりに今月22日以来のドル高・ 円安水準となる83円39銭を付ける場面が見られたが、この日の東京市場 では円買いが優勢となり、午後には一時82円69銭まで値を切り下げた。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、「来週は月初で材料 も多いし、新年度入り後ということでフローも期待できるが、今週は期 末なのであまり期待ができない」と指摘。水準的にも先週半ばに84円台 の重さを確認した後、週末に82円割れの堅さを確認しており、83円近辺 で期越えする分には「安心感がある」とし、ドル・円は期末にかけて 「本当の需給の残り玉をこなしながら小動きになるだろう」と語った。

ユーロ・円相場は海外時間に一時、約1週間ぶりの水準となる1ユ ーロ=111円26銭までユーロ高・円安が進んだが、この日の東京市場で は110円17銭まで円が上昇。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.33 ドル前半と海外時間に付けた2月29日以来のユーロ高・ドル安水準 (1.3386ドル)を下回る水準でもみ合う展開となった。

円相場

ブルームバーグ・データによると、円はこの日、主要16通貨すべて に対して前日終値比で上昇。みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤 倫義参事役は、朝方は豪ドル・円の売りも出ていたとした上で、「3月 末にかけて、輸出企業からのドル売りの予約オーダーはあまりないが、 さすがに年度末が応答日(取引から2営業日後の決済日)となると、円 転需要、両替需要が少しはある」と話していた。

もっとも、円は今四半期に主要通貨すべてに対して下落しており、 対ドルでは7%以上下落。日本の貿易赤字化による経常収支の早期悪化 懸念や日銀の金融緩和強化が背景で、先進10カ国の通貨で構成するブル ームバーグ相関・加重通貨指数によると、円は年初来10%安となってい る。ドルは同2.6%安で、ユーロは同0.4%高。

みずほ証の鈴木氏は、日銀の金融緩和姿勢などによるドル・円の上 昇トレンドはまだ完全に壊れていないため、「4月前半にかけては再 び85円を目指す可能性がある」とみているが、強気一辺倒できた米国の 経済指標にも頭打ち感が出てきている中、それ以降は「いったん調整的 な場面に移る」と予想している。

宮尾委員、「果断な対応」必要

日銀の宮尾龍蔵審議委員は28日午前、千葉市内で講演し、先月14日 の日銀の決定が円高修正や株高の一因になったとの見方を示した上で、 金融政策運営は「タイミングや手段を見極めながら、細心かつ果断な対 応が求められる」と述べた。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、 ABCニュースのアンカー、ダイアン・ソイヤー氏とのインタビュー で、米経済について、景気回復で「勝利宣言するのはあまりにも時期尚 早だ」と述べ、失業率は高過ぎるとの認識を示した。

ブルームバーグ・ニュースが実施した調査では、28日に発表される 2月の米製造業耐久財受注は、前月比3%増加したと見込まれる。1月 は同3.7%減(改定値)だった。

28日の東京株式相場は反落。前日米国で発表された住宅関連などの 経済指標が振るわなかったことなどを背景に、米国株が下げた流れを引 き継いだ。

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