ユーロ圏:救済基金上限を1年間9400億ユーロに増額へ-草案

ユーロ圏各国は債務危機の収束に向 け、救済基金の上限を向こう1年間9400億ユーロ(約104兆円)に引き 上げる準備を進めている。ユーロ圏財務相会合の声明草案で明らかにな った。

ユーロ圏の財務相は30日にコペンハーゲンで開催される会合で、暫 定基金の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が融資を約束してい る計2000億ユーロと、恒久的な基金である5000億ユーロの欧州安定化メ カニズム(ESM)を並行して稼働させることを決定する可能性が高い と、欧州の当局者は28日にブリュッセルで記者団に語っている。

草案によれば、それに加え「異例な事態が生じ、特にESMの資金 では不十分という状況になった場合は、ユーロ圏各国の首脳による全会 一致の決定により」、EFSFの未使用分2400億ユーロを2013年半ばま で利用することを容認する方向だ。23日付のこの草案は、ブルームバー グ・ニュースが入手した。

救済基金の上限引き上げに向けた動きは、2年に及ぶ危機対策で強 大な力を持ってきたドイツのメルケル独首相が今週、ポルトガルとスペ インの「脆弱(ぜいじゃく)性」を警告したことが背景で、国際通貨基 金(IMF)への加盟国による拠出拡大を促す狙いもあるとみられる。

欧州の政策当局者は救済基金上限を5000億ユーロに制限した昨年策 定のルールの修正について議論している。IMFは追加支援の条件とし て、欧州がまず域内の救済基金を強化することを挙げている。

財務相らは30日の会合で草案に変更を加える可能性もある。同欧州 当局者は28日早くの説明で、危機対応のバッファーが7000億-9400億ユ ーロの間に落ち着く可能性が最も高いと述べたが、これらの資金がどれ だけの期間利用できるかについては言及しなかった。

草案の文言は、EFSFの未使用分の利用に政治的なハードルがあ ることも浮き彫りにしている。メルケル独首相や他のユーロ圏州のは拒 否権を行使することが可能だ。

原題:EU Nears One-Year Rescue Boost to EU940 Billion, Draft Says (1)(抜粋)

--取材協力:Patrick Donahue、Brian Parkin、Gabi Thesing、Jeff Black.

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