NY外為:ドルが対円とユーロで上昇-追加緩和観測が後退

ニューヨーク外国為替市場では、ド ルがユーロと円に対して上昇した。米経済統計は景気回復の足取りが強 まっていることを示唆し、これを受けて米連邦準備制度による追加緩和 の観測が後退した。

ドルはユーロに対し今月の最安値から上昇。米住宅価格指数は1月 に低下ペースが鈍化したほか、3月の消費者信頼感指数は過去1年間の 最高水準付近にとどまった。連邦準備制度が量的緩和第3弾(QE3) に踏み切るとの観測を背景に、ドル・インデックスは過去2日間 で0.9%下落していた。

バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンの外為担当マネジン グディレクター、サマルジット・シャンカー氏(ボストン在勤)は、 「ドルは米景気をめぐる概して楽観的な判断に後押しされている」と し、「リスク意欲の高まりが必ずしもドルの弱材料とならないような投 資が徐々に始まっている。傾向としては、ユーロは依然として最も売ら れている通貨の一つだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前日 比0.3%高の1ユーロ=1.3313ドル。一時1.3386ドルと、2月29日 に1.3486ドルを付けて以来の安値に下げる場面も見られた。円に対して は0.4%高の1ドル=83円17銭。ユーロは対円で0.1%上げて1ユーロ =110円75銭。ユーロは過去2日間で1.6%値を上げた。

中国の減速懸念

主要16通貨の中でノルウェー・クローネとオーストラリア・ドルは 米ドルに対する下げが最も大きい。クローネは前日比0.5%安の1ドル =5.7040クローネ。オーストラリア・ドルは0.7%下げて1豪ドル =1.0460米ドルとなっている

オーストラリア最大の貿易相手国である中国の経済成長が鈍化して いるとの懸念を背景に、先週の豪ドルは2カ月ぶり安値に下げていた。 中国国家統計局が27日発表したところによれば、1-2月の工業セクタ ーの純利益は前年同期比5.2%減。前年同期は34.3%の増益だった。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によれば、同指数を構成する先 進10カ国通貨の中で円は年初来10.7%安と最も下げが大きい。ドル は2.6%下落。一方でユーロは0.4%値上がりした。

米経済統計

ユーロ・ドルの3カ月物オプションのインプライド・ボラティリテ ィ(IV、予想変動率)指数は0.3%下げて9.91%。JPモルガン・チ ェースによると、主要7カ国(G7)通貨のIV指数は9.95%と、今年 1月2日の12.34%から大幅に低下した。

ドルは今年に入り主要16通貨のうち15通貨に対して値を下げてい る。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は前日の講演 で、失業率を引き下げるためには緩和的な金融政策の維持が必要との認 識を示し、金融当局がQE3を実施するとの観測が強まった。

全米20都市を対象にした1月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数 は季節調整前ベースで前年 同月比で3.8%低下と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の 予想中央値と一致した。昨年12月は同4.1%の低下だった。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが27日発表した3月の消 費者信頼感指数は70.2と、前月の71.6(速報値は70.8)から低下した。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は70.0だった。

原題:Dollar Strengthens as U.S. Economic Data Trim Fed Stimulus Case(抜粋)

--取材協力:Mariko Ishikawa.

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