日本のトウモロコシ輸入、米産が減少-ウクライナやブラジル増加

米国からのトウモロコシの輸入割合 が過去最低の水準になるかもしれない。シカゴ国際相場が高値圏で推移 していることを背景に、ウクライナ産やブラジル産の輸入が急増してい るためだ。

穀物貿易に30年以上携わっているコンチネンタル・ライスの茅野信 行代表は、日本の2012年のトウモロコシ輸入量が多くとも1600万トン程 度になると予想、そのうち米国産の占める割合は8割を切る可能性があ るとみている。米国は世界最大のトウモロコシ輸出国で、2位のウクラ イナや4位のブラジルなどが続く。

日本は世界のトウモロコシ最大輸入国で、総輸入量の約2割を占め る。08年には99%を米国からの輸入に頼っていた。現在は供給源の多様 化を進めており、10年は米国産の割合が9割だった。

トウモロコシは家畜の餌の主原料。茅野氏は、米国への依存度が減 っている背景には、シカゴのトウモロコシ国際相場が最高値近くまで上 昇したことで飼料メーカーが小麦などを含めて相対的に割安な原料にく ら替えを始めたことがあると説明している。

配合飼料の顧客である畜産農家は円高なども加わり割安な輸入肉と の競争などにさらされている。配合飼料業界もまた、東京電力の福島第 一原発事故後の影響で業績が落ち込む中、原料費の削減が課題となって いる。

飼料輸出入協議会の平野一雄総務・業務部長は、「08年産、09年産 の米国産トウモロコシの品質が悪かったことで10年度以降、他国産に対 する関心が高まった」と指摘。「今後とも米国が日本の輸入先の中心で あることは間違いないが、以前のように90%以上が米国産という事には ならない可能性が強い」とみている。

農林水産省によると、11年の日本のトウモロコシ輸入量は前年同期 比5.6%減の1528万4561トンと、1986年以来最低の水準となった。一方 ブラジルからの輸入量は88万7861トンと前年比で37%増加している。

一方、ウクライナ産トウモロコシについては、日本は、昨年10月に 同国がトウモロコシの輸出関税を撤廃したことを受けて、11月積みから 購入を開始。飼料輸出入協議会の晴野三義専務理事は「これまでも米国 産に限らずアルゼンチンなど南米産のトウモロコシを買うことがあった が、最近はウクライナなど黒海近辺の国から輸入している」と述べた。

アメリカ穀物協会(USGC)日本事務所の浜本哲郎代表は、米国 のトウモロコシ生産者にとって国際市場での競争が激しくなるとみてい る。中国など新興国の飼料の需要が長期的に伸びるとの見込みから、競 合するトウモロコシ生産国が生産量を引き上げて輸出能力を拡大すると の考えからだ。

日本はトウモロコシに代わる割安な飼料用原料として小麦の輸入を 増やしている。農水省によると、2011年度は売買同時入札(SBS)に よる政府の小麦購入量が、これまでの累計で56万5120トンに上る。前年 度は15万3315トンだった。小麦は国内に安定供給するために国家貿易の 対象とされ、農水省が海外からの買い入れと国内飼料メーカーへの売り 渡しを一元的に管理している。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引されているトウモロコシの先 物中心限月は1ブッシェル当たり6ドル台半ば付近で推移。同相場は11 年には2.8%、10年には52%、それぞれ上昇している。一方、小麦は6 ドル台半ば当たりで推移している。10年に約47%上昇したが、11年は 約18%下落した。

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