野田首相、核サミットで「3つの教訓」共有へ-福島原発の事故踏まえ

野田佳彦首相は27日、ソウルで開 催されている核安全保障サミットで、東京電力福島第一原子力発電所 の事故を踏まえた「3つの教訓」を示す。事故で学んだ教訓を各国首 脳と共有し、テロリストへの核物質の流出を防ぐ核の安全保障の強化 につなげたい考えだ。

声明の草稿文によると、野田氏は3つの教訓が福島第一原発事故 のような自然災害による事故だけでなく、原子力関連施設を対象にし たテロ攻撃にも共通する「戒め」になるとの考えを表明する。第1の 教訓として、「想定外を想定する」ことの重要性を訴える。

これは、同原発を襲って全電源喪失の原因となった津波の高さが 15メートルを超えていたのに対し、東電は高さ約5メートルの津波し か想定していなかったことを踏まえたもの。一度発生してしまうと影 響が長期に及ぶ原子力災害を防ぐため、「想定外の事象も起こりうる」 という前提を踏まえた対応策の立案を促す。

さらに第2の教訓として、現場での迅速な対応を可能にするため、 自衛隊や警察などの連携を深めて対応策を共有することの重要性を伝 える。電源が失われてしまうと、炉心溶融を防ぐためには時間との戦 いになることから、事故発生後に連携の時間を費やさないよう通常時 から実地訓練などを通じで「具体的に何をすべきか」を細かく検証す る準備を怠らないよう伝える。

第3の教訓は、安全確保の歩みを止めないこと。「常に最悪の事態 にどう対処するかという厳しい問いかけを続けなければならない」と 強調する。具体的には、「安全神話に囚われ」て全電源喪失という事態 になった場合に備えた電源車の配備などを怠った事例を示す。安全確 保の取り組みには「決して終わりはない」というメッセージを、自戒 の念を込めて打ち出す予定だ。

26日から2日間の予定で開催されている核安全保障サミットには 40を超える国の首脳が集結。オバマ米大統領や中国の胡錦濤国家主席、 ロシアのメドベージェフ大統領などが出席している。

取材協力:広川高史--Editor: Hitoshi Sugimoto, Kiyo Sakihama

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