日銀短観:大企業・製造業DIは2期ぶり改善か、円高修正を好感

日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観、3月調査)は、歴史的な円高水準の修正やエコカー補助金の復 活などを受けて、大企業・製造業の業況感は2期ぶりに改善すると見込 まれている。もっとも、海外経済の先行き不透明感が引き続き強いこと から、改善は小幅にとどまるとの見方が強い。

日銀は4月2日、四半期に1度の短観を発表する。ブルームバー グ・ニュースがエコノミストを対象にまとめた予想調査では、景気が 「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判 断指数(DI)は、大企業・製造業がマイナス1、大企業・非製造業は プラス5と、いずれも昨年12月の前回調査から改善が見込まれている。 3カ月先の見通しもそれぞれプラス2、プラス6と改善が見込まれてい る。

大和総研の長内智エコノミストは「2月半ば以降に歴史的な円高水 準の修正が進んだことや、エコカー補助金の復活など背景にして、企業 の業況判断は今回改善に転じる見込みである」と予想する。一方、伊藤 忠商事の丸山義正主任研究員は「世界経済の減速が終息したわけではな いため、景況感の改善度合いは限られるだろう」としている。

日銀は先月14日の金融政策決定会合で、消費者物価指数(CPI) の前年比上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表 明。10兆円の長期国債買い入れ増額を決定した。これを受けて為替市場 で円安が進行。株価はこれを好感して上昇し、日経平均株価は1カ月後 の3月14日に7カ月半ぶりの1万円台を回復した。

アールビーエス証券の西岡純子チーフエコノミストは「焦点の一つ は、円高修正によって企業の想定為替レートと、先行きの業況がどの程 度改善するか」と指摘。「日銀はかねてより円高による企業マインドの 圧迫に懸念を示していたことを踏まえると、今回の短観によって業況の 改善が広がると、日銀の景況判断の上方改定にもつながりやすい」とし ている。

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは、短観の結果で 「マインド悪化の流れが続いているようであれば、日銀は消費者物価 1%を目指して景気支援のための資産買い入れ等基金の増額を検討する 可能性がある」と指摘。「反対に、マインドが総じて改善方向に再浮上 するようであれば14日の会合と同じように様子見の構えを継続する可能 性が高まる」としている。

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