NY外為:ドル、高利回り通貨に対し下落-FRB議長発言で

ニューヨーク外国為替市場では、ド ルが高利回り通貨に対して下落。米連邦準備制度理事会(FRB)のバ ーナンキ議長の発言を手掛かりに、ドル売りが出た。同議長は失業率を 引き下げるためには緩和的な金融政策の維持が必要であるとの認識を示 した。

ユーロは対ドルでほぼ1カ月ぶり高値に上昇。ドイツは今月30日に 開かれるユーロ圏財務相会合を前に、債務危機拡大を阻止するファイア ウオール(防火壁)の強化を支持する意向を示唆。これを受けてユーロ が買い進まれた。スイス・フランは対ユーロで下落。スイスのシュナイ ダーアマン経済相が、対ユーロのフラン相場を1.35フランあるいは1.40 フラン近辺に下げることが概ね望ましいとの見方を示し、フランが売ら れた。世界の株式と商品相場が上昇したことを背景に、オーストラリ ア・ドルと南アフリカ・ランドが円に対して値を上げた。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「米連邦公開市場委員会 (FOMC)は2014年遅くまで極めて緩和的な政策を維持するとした声 明の文言について、撤回せざるを得なくなると懸念されてきた」と指 摘。その上で、「バーナンキ議長の講演はその懸念を払拭(ふっしょ く)したようだ。欧州のファイアウオールの効果についても疑問がつき まとっていた。どちらもユーロ相場に明らかな影響を与えた」と述べ た。

ニューヨーク時間午後4時19分現在、ドルはユーロに対して前週末 比0.7%安の1ユーロ=1.3359ドル。円に対しては0.6%上げて1ドル =82円84銭。一時は0.8%高となった。円は対ユーロで1.3%安の1ユー ロ=110円67銭。

円が下落

フランは対ユーロで0.1%下げて1ユーロ=1.20604フラン。スイス テレビ局のウェブサイトに26日掲載されたコメントによれば、同国のシ ュナイダーアマン経済相はフランの対ユーロ相場の上限について、「突 然上限が撤廃されれば重大な事態となるであろう」と述べた。

円は年初来で主要取引通貨全てに対して下げている。対ドルで は7.2%、対ユーロでは9.8%それぞれ下落している。ブルームバーグの 集計によれば、ドルは主要通貨中で2番目に年初来の下げが大きい。対 ユーロで2.8%下げたほか、メキシコ・ペソに対しては9.1%安となって いる。

26日の円相場は主要取引通貨全てに対して下落。円を売って高利回 り通貨に投資する動きが活発化した。円を売ってブラジル・レアルやオ ーストラリア・ドル、メキシコ・ペソで運用するいわゆるキャリートレ ードはこの日、0.9%のリターンを上げた。

オーストラリア・ドルは米ドルに対して0.5%高の1豪ドル =1.0521米ドル。円に対しては1.1%高の87円14銭。南ア・ランドは米 ドルに対し1.2%上げて1ドル=7.5878ランド。同国最大の輸出品であ る金の先物価格上昇が手掛かり。

欧州のファイアウオール

バーナンキ議長はこの日、米バージニア州アーリントンで講演し、 失業率の低下は「2008年終わりから09年にかけて起きた異例の大量解雇 傾向の反転」を反映している可能性があるとしたうえで、「この反転が 完了するとともに、失業率がさらに大幅に低下するためには、生産と個 人および企業からの需要のより迅速な拡大が必要となる公算が大きい。 このようなプロセスは緩和的政策の継続によって支えることができる」 と語った。

ドイツ銀行の為替ストラテジスト、ヘンリック・グルベリ氏(ロン ドン在勤)は、「FOMCが依然として失業率を重視していることを考 慮すれば、リスク資産と株式は相当地合いが強くなるはずだ」と指摘し た。

米国と欧州、英国、日本市場のボラティリティの低さと超低金利を 背景に、為替トレーダーらはリターンを求めてカザフスタンやナイジェ リアにまで投資先を広げている。JPモルガン・G7・ボラティリティ 指数は1月の12.37から10.04に低下した。

ドイツのメルケル首相は、暫定的な救済基金と恒久的基金を並行稼 働させる案をドイツが支持する可能性があると発言した。コペンハーゲ ンで今週開かれるユーロ圏財務相会合では、暫定的な基金の欧州金融安 定ファシリティー(EFSF)と恒久的な基金である欧州安定化メカニ ズ(ESM)の合算をめぐる協議が持たれる予定。

原題:Dollar Weakens Against High-Yielders as Bernanke Backs Stimulus(抜粋)

--取材協力:Chris Fournier、Tony Czuczka、Steve Matthews、Keith Jenkins.

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