米フィラデルフィア連銀総裁:金融・財政政策の境界線確立を

米フィラデルフィア連銀のプロッサ ー総裁は26日、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートを通 じた金融政策の実施を定期的なものにすべきではないと呼び掛けた。 FRBの中央銀行としての独立性が脅かされるという。

プロッサー総裁はパリで講演し、「われわれのバランスシートを通 常時の新たな独立した金融政策の手段だと見なすべきではない。明白な 政策の境界線を確立し、新たな政策手段としてのバランスシート活用に 抵抗することで、財政当局は持続不可能な予算政策に対する解決策とし て紙幣増刷に訴えることが一段と難しくなり、財政規律を向上させるだ ろう」と述べた。同総裁の発言内容は講演テキストに基づく。

FRBは借り入れコスト引き下げと景気刺激を狙い2回の資産購入 プログラムを通じ2兆3000億ドル(約190兆円)相当の債券を買い入れ たほか、保有する米国債を短期から長期のものに入れ替えている。政策 金利については2008年12月以降、事実上のゼロ金利政策を続けている。

プロッサー総裁は、「FRBと他の中銀は金融政策と財政政策の違 いをあいまいにする行動を取っている。金融・財政政策の明白な境界線 を確立・維持することは、FRBの独立性とその中核的な使命である物 価安定の維持の実行能力を守ることになる」と説明した。

同総裁はコマーシャルペーパー(CP)・資産担保証券市場を支援 するため危機時にFRBが設立した緊急与信ファシリティーと住宅相場 を支えるFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れに触れ、「こうし たクレジットの割り当ては金融・財政政策の伝統的な境界線を壊すだけ でなく、FRBに対する厳しい批判を生み出している」と語った。

「市場と政府が中銀を財政政策の手段と見なすようになり、財政規 律の動機が損なわれれば、中銀による行動はモラルハザード(倫理観の 欠如)を生み出し得る」という。講演テキストに米経済見通しに関する 言及はない。

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