FRB議長、米景気回復の賞賛ためらう-市場誘導リスク警戒

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は、FRB自らの評価を守るためもあって、米景気の回 復を賞賛することをためらっているのかもしれない。

雇用の伸びが半年間としては2006年以降で最高となったのを受け て、FRBは13日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で景気判断 を引き上げた。ただ、FOMCでは依然「高水準」の失業率 や「重大 な下振れリスク」を理由に、14年遅くまで政策金利をゼロ%付近に維持 する方針をあらためて表明。バーナンキ議長は先週の議会証言でも、エ ネルギー価格上昇が個人消費の伸びを抑える恐れがあると述べた。

ドイツ・バンク・セキュリティーズのチーフエコノミスト、ピータ ー・フーパー氏は自身のニューヨークオフィスでのインタビューで、バ ーナンキ議長が警戒するのは「もっともなことだ」と指摘。同議長は14 年終盤まで低金利を維持する方針を1月に表明したばかりであり、まだ 米景気の勢いに確信を得る前に、あまりに性急に過度に楽観的な態度を 示せば自らの信用を損なうリスクを冒すことになると述べた。その上 で、当局が昨年、出口戦略を示したことで金融引き締め時期が近づきつ つあるとの観測が広がったが、再び早計に市場を誘導することは望んで いないと付け加えた。

同氏は、1年前の「出口戦略をめぐる議論に完全に水を差したわけ ではない」としながらも、「当局はそうした過ちを繰り返さない。バー ナンキ議長は非常に辛抱強い姿勢を見せるだろう」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、23日の米10年債利 回りは2.23%と、1月末の1.8%から上昇。同利回りは、FRBが記録 的な刺激策の解除に向けた道筋を示す中、昨年2月に3.74%に達した。

利上げ時期、1年前倒しか

短期金利デリバティブ(金融派生商品)トレーダーは、FRBがフ ェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を14年遅くまで低水準に維持 するとの設定よりも1年前倒しで引き上げると予想。ブルームバーグが 集計したデータによると、23日時点でオーバーナイト・インデックス・ スワップ(翌日物金利と固定金利を交換する取引、OIS)のフォワー ド市場は、13年10-11月近辺に0.25ポイントの利上げが実施される可能 性を織り込んでいる。

今月のFOMC以後、景気が改善しつつあることを当局者が認めた ことで追加刺激策の観測は後退した。バンク・オブ・アメリカ (BOA)が20日公表した調査では、投資家の47%は当局による追加資 産購入を予想しないと回答。同割合は2月の36%から上昇した。

ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブ ン・スタンリー氏は、量的緩和第3弾(QE3)の可能性が低下する一 方、FRBの「米経済に対する極めて懐疑的な見方」がこの選択肢をな お生かしていると指摘。「当局がQE3を実施するとは思わないが、議 題から完全に外れてはいないと思う」と述べた。同氏は13年半ばの利上 げを予想している。

原題:Bernanke Hesitates to Extol Economy Knowing Policy Put at Risk(抜粋)

--取材協力:Liz Capo McCormick、Steve Matthews、Susan Li、Melinda Grenier.

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