円下落、リスク回避鈍化で朝方は売り先行-年度末近付き方向感乏しい

東京外国為替市場では円が下落。前 週末の米国株の反発を受け、リスク回避の動きが鈍る中、対資源国通貨 などクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心に円売りが先行し た。もっとも米中景気の先行きや欧州周辺国への懸念がくすぶる中、円 売りも続かず、期末を控えて、午後にかけては方向感の乏しい展開とな った。

ユーロ・円相場は1ユーロ=109円前半から一時109円86銭までユー ロ買い・円売りが進行。ドイツが欧州救済基金の統合を支持するとの週 末の報道もあり、ユーロは前週末の高値をわずかながら上回る場面が見 られた。ドル・円相場は1ドル=82円前半から一時82円78銭までドル 高・円安が進行。その後はもみ合いとなり、午後4時15分現在は82円73 銭前後となっている。

三井住友銀行市場営業部の高木晴久副部長は、「市場の注目は米国 の経済指標だが、日本の年度末および海外の四半期末を前に、今週はフ ロー主導の相場になるだろう」と予想。一方、期末を越えた後はファン ダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に目が戻り、今週末発表予定の中 国のPMIで同国の景気減速度合いを見極めた後は、翌週末の米雇用統 計に向けて、米国の景気動向をにらんだ展開になるとみている。

ユーロ・ドル相場は朝方に一時、1ユーロ=1.3285ドルまで上昇。 前週末に付けた今月2日以来のユーロ高・ドル安水準(1.3294ドル)に 迫ったが、午後にかけてはじりじりと値を切り下げ、一時1.3241ドルを 付けた。

株式相場

23日の米株式相場は反発。イランへの制裁強化の影響で同国の原油 輸出量が減少するとの報道を受け、原油先物相場が上昇したのを背景 に、商品株やエネルギー株が上昇し、予想外に減少した新築住宅販売か らの悪影響を相殺する格好となった。

週明けの東京株式相場も、原油など国際商品市況の反発が好感さ れ、資源関連株が上昇。一方、東証1部の売買代金が約1カ月半ぶりの 低水準にとどまるなど、株高や売買エネルギー増加の勢いが鈍っている ため、証券株が続落。金融株が総じて安く、相場全般の上値を抑えた。

野村証券金融市場部のエグゼクティブ・ディレクター、高松弘一氏 は、原油相場の上昇などを背景にクロス円が買われた前週末の流れを引 き継ぎ、ドル・円も前週末に売られた分の買い戻しが出たと説明。「期 末週で思惑的な円売りのフローが出やすいとの観測も多少円安を後押し した」と話していた。

一方、スペインなど欧州周辺国リスクが再燃する中、「クロス円の ダウンサイド方向のリスクも捨て切れない」と高松氏は指摘し、目先は 年度末の需給要因を中心に「フロードリブン」の展開が続く可能性が高 い半面、株価動向次第では再び「円高方向にドライブがかかる可能性も ある」と語った。

欧州救済基金

ドイツのメルケル首相とショイブレ財務相は、ユーロ圏の暫定的な 救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と恒久的な基 金として設立される欧州安定化メカニズ(ESM)の統合への反対姿勢 を転換した、と独誌シュピーゲルが伝えた。匿名の政府当局者を引用し ている。

同誌によると、1つの選択肢としては9400億ユーロの規模で2つの 基金が併存することが議論されている。欧州財務相は30日に金融ファイ アウォール(防火壁)強化に向け会合を開く。

イタリアのモンティ首相は24日、スペインの財政管理が難航してい ることを指摘し、同国が欧州債務危機を再燃させかねないとの見解を示 した。スペインのアンダルシア州議会選挙は25日投開票が行われ、ラホ イ首相率いる国政与党の国民党は過半数に達しなかった。同首相は財政 赤字削減に取り組み、市場での借り入れコスト上昇に対応しているが、 選挙結果は打撃となる。

こうした中、この日は欧州で3月の独Ifo企業景況感指数が発表 される。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想 中央値は前月と同じ109.6。また、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁の講演が予定されている。

一方、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長、やフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が講演する。経済指標で は2月の中古住宅販売成約指数やダラス連銀製造業活動指数などが発表 される。

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