【今週の債券】長期金利1%台前半で低下探る、米債の堅調推移受け

今週の債券市場で長期金利は1%台 前半で低下余地を探る展開が見込まれている。1%割れへの警戒感はあ るが、連動性の高い米国債相場の堅調推移が続いていることが背景。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが23日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは、 全体で0.98-1.07%となった。前週末の終値は1.025%。

前週の長期金利は1.0%台半ばから前半に水準を切り下げた。米景 気回復期待の強まりを背景に米長期金利が4カ月半ぶり高水準まで上昇 したことを受けて21日には1.05%を付けた。しかし、そこでは買いが優 勢になり、一時は1.005%と、14日以来の1%割れに接近した。

日本の長期金利は今月半ばに、昨年12月以来の高水準1.06%を付け たが、これは米金利急騰がきっかけ。13日の米連邦公開市場委員会 (FOMC)で景気判断が上方修正されてから米金利は水準を切り上 げ、一時は昨年10月以来の2.4%付近まで上昇した。しかし、前週末に は約1カ月ぶりに4日続伸となり、米長期金利は2.2%台前半まで戻し た。

SMBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、「債券 相場を左右するのは米国債の動き。長期金利上昇のきっかけが米10年金 利の急上昇だったので当然と言えば当然」と言う。一方、DIAMアセ ットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマネジャーは、 「米10年債利回りは2.15-2.40%のレンジを想定するが、雇用情勢の改 善が意識されると一時的な上振れリスクが高まる」と警戒する。

2年債入札、波乱ないとの声

29日に2年利付国債(4月発行)の入札が実施される。日銀による 金融緩和姿勢や買い入れオペなどで需給環境は良好。新発2年債利回り が政策金利並みの0.1%程度で推移しており、入札に対する警戒感は出 ていない。JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用 部長は「入札は波乱なく通過できるとみており、相場への影響はあまり ないと思う」と話した。

今回の2年債入札について、前週末の入札前取引では0.115%程度 で推移したため、表面利率(クーポン)は前回債と横ばいの0.1%が見 込まれている。発行額は前回債と同額の2兆7000億円程度。一方、27日 には国債の流動性供給入札が実施される。発行額は前回と同額の3000億 円程度。

23日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は6月物、10年国債利回りは新発の321回債。

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人氏

先物6月物141円20銭-142円00銭

10年国債利回り=0.98%-1.06%

「長期金利は1.0%台前半が中心。4月3日の10年国債入札や6日 の米雇用統計発表など注目イベント待ちのタイミングで、決算期末を迎 えることもあって少なくとも買いが盛り上がる展開は考えづらい。現物 市場の厚みが乏しくなる中、株価調整や円高傾向が続けば、先物主導で 上値を探る場面もありそう」

◎三井住友海上火災保険の高野徳義氏

先物6月物141円30銭-141円90銭

10年国債利回り=0.99%-1.05%

「新年度の水準を探りつつも年度末で動きづらい。2月以降の流動 性相場による円安・株高が一服し、債券も売り込みづらくなったため、 来週の10年債入札ではクーポンの引き上げも期待しづらい。むしろ配当 落ちした後の株価がどこまで下げるか注目だ。海外勢も米雇用統計を見 極める姿勢が強そうだ」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物141円20銭-142円00銭

10年国債利回り=0.98%-1.07%

「年度末で国内投資家は慎重姿勢を崩していないため、相場に方向 感が出にくい。米経済指標では住宅販売統計や耐久財受注を見極めた い。欧州連合(EU)財務相会合は大きな材料にはならないだろう。消 費増税をめぐる議論が難航しているが、国債消化に今のところ問題はな く、特に懸念する必要はないと思う」

◎SMBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジスト

先物6月物141円20銭-141円90銭

10年国債利回り=1.005%-1.05%

「今週は弱含みもみ合いの相場展開を想定。景気判断を上方修正し たFOMCをきっかけに、米10年金利のレンジが上方シフトしたことか ら、相場の上値は限定的とみる。世界経済および国内経済の底入れ期 待、円安・株高トレンド継続など、外部環境は金利上昇圧力につながり やすい」

--取材協力:池田祐美、赤間信行、船曳三郎 Editors:Masaru Aoki, Hidenori Yamanaka

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