3月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品 相場は次の通り。各市場の終わりに英文記事へのリンクが付いて います。

◎NY外為:資源国通貨が上昇、株高でリスク資産買い活発

ニューヨーク外国為替市場ではニュージーランド(NZ)ドル を中心に商品輸出国の通貨が対ドルで上昇。株価や資源価格の上昇 を背景に、経済成長との連動性の高い資産に買いが集まった。

ノルウェー・クローネが高い。供給障害を懸念して原油が値上 がりしたことが追い風。2月の米新築住宅販売が2カ月連続で減少 したことを背景に、円はドルに対して上昇。ユーロは対円で4日ぶ りに上昇した。前日までの下げは行き過ぎだったとの見方が強まっ た。

BNPパリバのシニア為替ストラテジスト、レイ・アトリル氏 (ニューヨーク在勤)は「今週は資源国通貨のロングポジションが 大きく巻き戻されていたため、今日のところは原油の反発に支えら れている可能性がある」と指摘。「ボラティリティは低い。これは キャリー取引が魅力的であることを意味する」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、NZドルは対米ドルで前日 比1.1%高の1NZドル=81.82米セント。ユーロは対ドルで

0.5%高の1ユーロ=1.3270ドル。円は対ドルで0.2%高の1ド ル=82円35銭、週間では1.3%高と昨年末以来の大幅上昇となっ た。

この日は主要通貨の中で、スウェーデン・クローナとノルウェ ー・クローネが特に堅調に推移した。クローナは対ドルで0.5%高。 クローネは0.6%値上がり。

ニューヨーク原油相場は反発。イランへの制裁強化の影響で同 国の原油輸出量が3月に日量約30万バレル減少するとのロイター 通信の報道を受け、3分間で2%余り上昇する場面もあった。ノル ウェーは世界第7位の原油輸出国。

ユーロは対ドルで高い

ユーロは対ドルで4日ぶりに上昇。前日はユーロ圏総合景気指 数の低下を背景に1週間ぶりの安値となっていた。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の外為戦略担当エグゼクティブディレクター、ジェレ ミー・ストレッチ氏(ロンドン在勤)は、「ユーロは対ドルで

1.3290-1.3295ドル付近の突破を試したが、不毛に終わった」と 述べた。

対ドルでの円はこの日、値下がりする場面もあった。日本銀行 の白川方明総裁が経済に関して政府と日銀は認識を共有していると 述べたことから、日銀が景気浮揚に向け追加の緩和策を打ち出すと の見方が強まった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の外国為替・金利テクニカ ル戦略責任者、マクニール・カリー氏はリポートで、円は対ユーロ で108円61銭の水準にある21日移動平均を一時割り込んだため、 一段の円上昇につながるとの見方を示した。ユーロは対円で週間で は0.5%安。

米新築住宅販売

米商務省が発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済 み、年率換算)は前月比1.6%減の31万3000戸。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は32万5000戸だ った。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のド ル指数は0.5%下げて79.345。

◎米国株:反発、エネルギー株上昇-新築販売の低迷を相殺

23日の米株式相場は反発。商品株やエネルギー株が上昇し、 予想外に減少した新築住宅販売からの悪影響を相殺する格好となっ た。

S&P500種株価指数の産業別10指数のうち素材株とエネル ギー株が特に上昇した。イランへの制裁の影響で同国の原油輸出量 が減少するとの報道を受け、原油先物相場が上昇したのが背景。石 油のシェブロンは1%上昇。

モルガン・スタンレーを中心に金融株も上昇した。ロイヤル・ バンク・オブ・カナダ(RBC)はモルガン・スタンレーの投資判 断をセクター・パフォームに引き上げた。米証券取引所運営のバッ ツ・グローバル・マーケッツは新規株式公開(IPO)を取り下げ るとの声明を発表した。システムの不具合によりバッツ株の取引が 停止となったほか、アップルの取引も一時停止に追い込まれた。

S&P500種株価指数は0.3%上昇して1397.11。週間ベース では0.5%下げた。ダウ工業株30種平均は34.59ドル(0.3%) 上昇して13080.73ドルだった。

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルー ス・ビトルズ氏は「エネルギー株がけん引役となっているが、それ はイランの問題や原油不足に陥るとの懸念の表れだ」と指摘。「株 式相場は第1四半期に大きく上昇したため、ある程度の値固めは起 こるかもしれないが、大規模な調整局面に入りやすいとは思わない。 株価は大きく上げてきたが、投資家の心理は落ち着いている」と述 べた。

前日は中国とユーロ圏で製造業活動が縮小したことが嫌気され 下落。小荷物輸送のフェデックスは利益見通しが失望され、大幅安 となった。S&P500種は月間ベースでは2.3%高。

エネルギー株が上昇

ロイター通信がイランへの制裁強化の影響で同国の原油輸出量 が3月に日量約30万バレル減少すると報道したことが手掛かりと なり、この日の原油相場は大きく値上がりした。

アルミ生産のアルコアは1%高、建機大手のキャタピラーは

1.3%の上昇だった。

金融株指数は0.9%高。モルガン・スタンレーは3.8%上昇。 同銀の投資判断はアンダーパフォームからセクターパフォームに引 き上げられた。決済ネットワークのディスカバー・ファイナンシャ ル・サービシズも高い。ゴールドマン・サックス・グループはディ スカバーを強い買い推奨リストに加えた。

低迷する住宅市場

S&Pスーパーコンポジット住宅建設株指数は1.2%下落。米 商務省が発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年 率換算)は前月比1.6%減の31万3000戸。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想中央値は32万5000戸だった。 前月は31万8000戸に下方修正された。

KBホームは8.5%安。同社の11年12月-12年2月(第1 四半期)売上高は2億5460万ドルと、アナリスト予想平均の3億 2860万ドルには及ばなかった。

◎米国債:4日続伸、新築住宅販売が減少-成長懸念も再燃

米国債相場はほぼ1カ月ぶりの4日続伸。米新築住宅販売が予 想に反して減少したことを受け、景気回復に伴い米国債の逃避需要 が減退するとの観測に対する懐疑的な見方が強まった。

30年債利回りは200日移動平均を下回った。今月に入り価格 が下落し利回りは一時、6カ月ぶり高水準に押し上げられていたが、 その動きが一段落する可能性が出てきた。10年債と同年物インフレ 連動債(TIPS)の利回り格差は3日連続で縮小。原油価格の急 騰はインフレを加速させるより、むしろ経済成長の足かせになると の観測が背景にある。今週発表された経済統計では、中国と欧州の 成長鈍化が示唆された。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債ト レーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「これ までの米経済の成長は、欧州発の悪材料を打ち消すほど並外れたも のではない」と指摘。「利回りが大きく上昇し投資妙味が増したう え、その後に欧州と中国の弱い指標が発表され、世界はまだ全て順 調とはなっていないことが明らかになった」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後4時9分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)下げて2.23%。一時2.21%まで 下げる場面もあった。同年債(表面利率2%、2022年2月償還)価 格は13/32上昇して97 31/32となっている。

30年債利回りは5bp低下して3.31%。200日移動平均の

3.3343%を割り込んだ。利回りは14日以降、200日移動平均を上 回って推移していた。

追加緩和観測は後退

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォー ド)の国債戦略責任者、デービッド・エーダー氏は「200日移動平 均を割り込んでも売りが出ないということは、利回り上昇トレンド が受け入れられない兆候だ」とし、「最近の急激な売りでレンジが 再調整された。市場は今それを見直している段階だ」と解説した。

10年債利回りは今週に入り6bp低下。今月2日以降の上昇幅 は26bpに縮小した。利回りは20日に2.4%と、ほぼ5カ月ぶり 高水準を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が13日の会 合で景気判断を引き上げたことが手掛かり。景気見通しの改善を背 景に、量的緩和策の下で金融当局が追加の国債購入を実施するとの 観測は後退した。これを受けてより高リスクの資産が買いを集めた。

BTIGの主任グローバルストラテジスト、ダン・グリーンハ ウス氏(ニューヨーク在勤)は、「明らかに、この日の利回りの動 きは緩和政策が終了に近づいたとの見方に基づいていた。しかしそ れは先を読み過ぎた動きだ」としたうえで、「成長懸念が再燃して いる」と続けた。

利回り格差縮小

原油先物価格は4日ぶりに1バレルあたり108ドルを超えた。 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は一時

2.5%高の108.25ドルと、3週間ぶり高値を付けた。過去10年間 の平均は1バレル=65ドル。

10年債と同年物TIPSの利回り格差は2.37ポイントに縮小 した。利回り格差は、投資家が予想する今後10年間における消費 者物価の年間上昇率を示唆する。今月20日には2.45ポイントと、 昨年8月以来の高水準に上げていた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター 兼米国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏は「他 国で景気が減速すれば、その影響から無縁でいることは不可能だ」 とし、「国債相場の先行きは悪くない」と述べた。

米商務省がこの日発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節 調整済み、年率換算)は前月比1.6%減の31万3000戸。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は32万 5000戸だった。前月は31万8000戸(速報は32万1000戸)に 下方修正された。

◎NY金:反発、4週間ぶり大幅高-ドルの下落で代替需要

ニューヨーク金先物相場は反発。4週間ぶりの大幅高となった。 ドルの下落を受けて、代替投資先としての金買いが膨らむとの観測が 強まった。

商品24銘柄で構成するS&PのGSCI指数は一時2.1%上昇。 ドルは主要6通貨のバスケットに対して一時0.7%値下がりした。金 は前日には一時、オンス当たり1627.50ドルと1月13日以来の安 値に下げた。価格下落により、金の2大消費国であるインドと中国で 需要が高まる可能性がある。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商 品ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「こ の日はドルの動きが影響しており、商品は全般的に上昇している」と 指摘。「中国の指標を見直す動きもみられ、同国の商品需要は上向く との期待がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比1.2%高の1オンス=1662.40ドルで終了。中心限 月としては先月21日以来の大幅上昇となった。今週は0.4%の値上 がり。

◎NY原油:反発、イラン原油輸出が減少との報道で

ニューヨーク原油先物相場は反発。イランへの制裁強化の影響で 同国の原油輸出量が3月に日量約30万バレル減少するとのロイター 通信の報道を受け、買いが入った。

ロイター通信がスイスのコンサルティング会社ペトロロジスティ クスなどを引用して報じると、原油相場は3分間で2%余り上昇した。 ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティーブン・ ショーク社長は逆指値の買い注文が発動した可能性があるとの見方を 示した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「ロイターのニュースは相場の急上昇と同じタイミングで出てきた」 と指摘。「それほどの量ではないが、イラン情勢の緊張は恐らく高ま るばかりであることをあらためて示している。イラン産原油の輸出が 止まると、サウジアラビアがその分を補うのは困難になるだろう」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.52ドル(1.44%)高の1バレル=106.87ドルで終了。一時 は2日以来の高値となる108.25ドルまで上昇した。週間では19セ ントの下落、年初からは8.1%上げている。

◎欧州株:ほぼ変わらず、米統計は予想下回る-ルノーが高い

23日の欧州株式相場はほぼ変わらず。この日発表の2月の米新 築住宅販売は予想に反して減少したものの、自動車株や一部の鉱山株 が上げた。

前日に大きく下げたフランスの自動車メーカー、ルノーや銅生産 会社の英アントファガスタが反発。英最大の固定電話会社、BTグル ープも上げた。年金の不足額への対応が好感された。一方で英産金会 社ランドゴールド・リソーシズは続落。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%高の265.65で終了。 週間では2.5%安と、昨年12月以来最大の下げとなった。ただし 年初来では8.6%上昇。欧州中央銀行(ECB)による1兆ユーロ 余りの長期資金供給や市場予想を上回る米経済指標が株価を支えてき た。

ルイ・キャピタル・マーケッツ(ジュネーブ)のディレクター、 ジョン・プラサード氏は「今週はやや落胆を誘う統計発表があり、市 場が少々神経質になっている」と指摘。「米住宅販売が予想を下回り、 一部投資家が米景気回復の強さに懐疑的になった」と続けた。

この日の西欧市場では、18カ国中13カ国で主要株価指数が上 昇した。米商務省が発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節調整 済み、年率換算)は前月比1.6%減の31万3000戸。これで2カ 月連続のマイナスとなり、住宅市場の回復が平たんではないことが示 唆された。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ10年債が4日続伸。世界景気の減速兆候 で、ユーロ圏で最も安全とされるドイツ国債の需要が高まった。ギリ シャ国債は軟調。民間投資家が同国の債務交換に応じる期限はこの日 までとなっている。

ドイツ10年債は週ベースでは今年最大の伸びとなった。中国の 2月の景気先行指数の伸びが鈍化したほか、同国3位の銀行、中国農 業銀行が2011年10-12月(第4四半期)決算が減益となったこ とが支援要因。一方で、イタリア国債は今週下落し、年初来最大の下 げを記録。ユーロ圏製造業の経済活動の縮小が示され、高利回り資産 が売られた。

DZ銀行の債券ストラテジスト、ミヒャエル・ライスター氏は 「週明けからリスクを回避する動きが急速に高まり、ドイツ国債を押 し上げた」と発言。「中国からの材料もリスク資産にとってはあまり 建設的ではない」と語った。

ロンドン時間午後4時35分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.87%。 前週末比では18bp下げた。同国債(表面利率2%、2022年1月 償還)価格は0.385上げ101.160。

ギリシャ債(表面利率2%、2023年2月償還)の利回りは、 96bp上昇の20.10%。債務交換の一環として今月12日に政府が 発行して以来初めて、20%台に乗せた。

イタリア10年債利回りは5bp下げ5.05%。週間ベースでは 19bp上昇した。スペイン10年債利回りは12bp低下し5.37%。 前週末比では18bp上げた。

◎英国債市場

英国債市場では10年債が5日続伸した。英消費者信頼感の低下 と住宅ローン承認件数の減少で、比較的安全とされる英国債の需要が 高まった。

英10年債は週間ベースではここ4カ月で最大の上げ。世界経済 の成長が勢いを失いつつあるとの観測から株安となったことも支援材 料。ユーロ圏製造業の経済活動が3月に縮小したことが前日示された ほか、この日は中国の2月の景気先行指数の上昇ペースが鈍化した。

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、サム・ヒ ル氏(ロンドン在勤)は、「リスク意欲の動向に英国債利回りが左右 される状況が続いている」と指摘。「基本的には依然として低利回り 局面にある」とし、10年利回りは2.4%で上期を終わる可能性もあ ると語った。

ロンドン時間午後4時14分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.29%。今週は 16bp下げ、昨年11月4日終了週以降で最大の低下となった。同 国債(表面利率4%、2022年3月償還)価格はこの日、0.39上げ

115.18。

英住宅金融ネーションワイド・ビルディング・ソサエティーの発 表によると、2月の英消費者信頼感指数は44と、1月の47から低 下。英国銀行協会(BBA)は、2月の住宅ローン承認件数が前月比 13%減少したと発表した。

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