円が対ドル82円台後半に下落、日米金融政策格差で売り圧力くすぶる

東京外国為替市場では、円が下落。 対ドルでは1ドル=82円台後半に水準を切り下げて推移した。一部の米 連邦準備制度理事会(FRB)当局者が追加の金融緩和措置に慎重な姿 勢を示しており、デフレ脱却に向けて緩和策の維持が見込まれている日 本銀行との政策格差を背景に、円売り圧力がかかった。

ドル・円相場は前日の海外市場で一時82円33銭と、13日以来の水準 まで円高が進んでいたが、この日の東京市場では午前の取引で一時82 円95銭まで値を戻し、午後3時52分現在は82円87銭付近で取引されてい る。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、これ までドル・円が上昇してきた背景には、日本の貿易赤字だけではなく、 日銀の政策や財政の問題も影響していると指摘。さらに、米経済指標の 改善を背景に追加緩和期待も後退しており、「そう簡単にドルの強気シ ナリオは崩れない」としている。

円は主要通貨に対して、ほぼ全面安。前日の海外市場で一時1ユー ロ=108円49銭と、14日以来の水準まで円高が進んでいたユーロ・円相 場は東京市場では109円台前半を中心に推移した。

米追加緩和に慎重姿勢

米セントルイス連銀のブラード総裁は23日、香港での講演で、金融 政策は転機にある可能性があり、米経済の回復に伴い、FRBは追加的 な緩和措置には慎重になるべきだとの考えを示した。また、経済指標が 改善されれば、最初の利上げの時期が早まる可能性があるとの見解を明 らかにした。

前日に米国で発表された先週の新規失業保険申請件数は前の週か ら5000件減少して34万8000件と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた 市場予想の中央値35万件を下回った。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、米国の失業保険 申請件数がかなり改善しており、いずれは雇用につながってくるという ことを考えると、景気は間違いなく改善しているといい、「このままい けば緩和策からの出口戦略もやや早まる可能性があるのではないか」と 指摘。一方で日銀は1%のインフレ率を目指すまで金融スタンスを変え ない見通しにあり、ドル高・円安の流れは変わっていないとみている。

22日の米国債市場では、3月の中国製造業購買担当者指数 (PMI)やユーロ圏総合景気指数が弱い内容となったことを背景に、 投資避難的な買いが進み、10年債利回りは一時2.24%と14日以来の水準 まで切り下げていたが、この日のアジア時間の取引ではやや下げを縮め ている。

クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラ テジストは、米景気の回復傾向が変わったわけではなく、米金利の上昇 トレンドも少しレンジに入っている感はあるものの、「下がっていくの はさすがに難しい」としている。

この日の米国時間には2月の新築住宅販売件数が発表されるほか、 FRBのバーナンキ議長がワシントンで行われるFRB主催の会合で開 会の辞を述べる予定となっている。

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