債券先物上昇、米債高や株価一時1万円割れ-長期金利1%接近警戒

債券市場では先物相場が上昇。中 国とユーロ圏での企業景況感の悪化を受けて前日の米国債相場が続伸 した流れを引き継ぎ、買いが先行した。日経平均株価が一時1万円の 大台を割り込むなど国内株安も支えとなった。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、「海外市場で 株安・債券高となり、ややリスクオフ(回避)のような流れになった ことを受け、買いが優勢となっている」と説明。ただ「今週に入って 金利が低下しているが、前週前半の水準には戻っておらず、上値が重 い」とも話した。

東京先物市場で中心限月6月物は前日比13銭高の141円68銭で 取引を開始したが、その後は上げ幅を縮小。午前10時過ぎには横ばい の141円55銭まで下げた。午後は一段の株安もあり、8銭高の141 円63銭に上昇。結局は6銭高い141円61銭で引けた。週間ベースで は36銭高と5週間ぶりの上げ幅となった。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は「海外市場の株式相場が軟調となり、長期金利が低下した流れを受 けた。為替市場が円高傾向で国内株価も弱いので、円債市場は買われ やすい展開となっている」と語った。

円の対ドル相場は22日の海外時間に一時1ドル=82円33銭と9 日ぶりの水準に上昇。ユーロに対しても1ユーロ=108円49銭と8日 ぶりの高値を付ける場面があった。23日の東京市場でも82円台後半、 109円台前半を中心に推移。日経平均株価は一時、10日ぶりに1万円 の大台を割り込んだ。

年度末要因

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、円高や国内株価の反落は「債券買いの材料だ」と指 摘。ただ、年度内が迫る中、「4月に入ると10年債入札や米雇用統計 といった注目材料が続くため、少なくとも来週に債券買いが活発化す るとは考えにくい」と語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は同0.5ベーシスポイント(bp)低い1.02%で始まり、午前9時半過ぎ からは横ばいの1.025%で推移。午後3時前後に一時1.02%に下げた が、再び1.025%で取引された。5年物の103回債利回りは横ばいの

0.34%。20年物の134回債利回りは1bp低い1.77%、30年物の36 回債は横ばいの1.95%。

長期金利は前日に1.005%まで低下し、14日以来の1%割れに接 近。その後は売りが優勢になり、1.025%まで上昇した。UBS証券の 伊藤篤シニア債券ストラテジストは「年度末に向けて10年債利回り 1%を若干上回る水準で迎えたいとの姿勢が強く、投資家の動きは鈍 い」と話した。

22日の米国債相場は3日続伸。中国やユーロ圏の企業景況感を示 す3月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が前月から悪化した。 世界景気懸念を背景に米国債への需要が高まった。米10年債利回りは 前日比2bp低い2.28%程度。一方、米株相場は続落。S&P500種株 価指数は0.7%安の1392.78。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の西村崇債券ストラテジス トは「為替市場で円安が一服し、株安となっていることなどが追い風 となり、買いが優勢となっている」と話した。一方、中国やユーロ圏 で企業の景況感を示す経済指標が悪化したが、米国景気は底堅く、急 速な金利低下にはならないとの見方も示していた。

--取材協力:池田祐美、赤間信行 Editors:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

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