大和ハウス会長:住宅は還付制度を-消費増税で需要50万戸割れも

国内住宅最大手、大和ハウス工業の 樋口武男会長兼経営最高責任者(CEO)は、野田佳彦首相が3月中の 法案提出を表明している消費税増税について、住宅需要が大幅に減少す る恐れがあることから、実施に当たっては住宅取得への還付金制度の導 入などを求める考えを明らかにした。

樋口氏はブルームバーグ・ニュースのインタビューに対し、「デフ レのままで消費税引き上げを実施すると、住宅着工は50万戸、またはそ れを切る可能性がある」と述べた。11年の新設住宅着工は83万戸だっ た。消費税に関しては「税制の健全化は必要であり、真っ向から消費税 引き上げに反対しているわけではない」と指摘した上で、「8-10%に 上がったら、住宅には還付制度などを考えるべきだ」と述べた。

政府は2月17日に閣議決定した「社会保障・税の一体改革大綱」 で、消費増税による住宅需要への影響について、駆け込み需要とその反 動などが大きいことから、平準化などのため「必要な措置について財源 も含め総合的に検討する」と記したが、具体策は決まっていない。

消費税は97年に3%から5%に引き上げられた。このときは、96年 度の住宅着工が駆け込み需要で前年比9.8%増の163万戸に急増、6年ぶ りの高水準と達した一方、97年度は134万戸、98年度は118万戸と2年連 続で減少し、反動減が計45万戸となった。97年度には消費税率引き上げ に合わせて不動産取得税の減免措置を取ったものの、需要には大きな波 が出た。

意欲消滅

樋口氏は、住宅を取得すると消費税に加えて長期間にわたる固定資 産税納入を通じて多額の税金を支払う仕組みになっている点を指摘、 「消費税がさらに10%まで上がれば家を建てる意欲が消滅する」と懸念 を示した。インタビューは22日に行った。

国内の住宅需要は、少子高齢化や景気悪化などで長期低迷が続いて いる。新設住宅着工戸数は、09年度はリーマン・ショックなどの影響 で78万戸と東京五輪の1964年度以来45年ぶりに80万戸を割り込み、10年 度も82万戸と低迷している。

みずほ証券の高橋光佳アナリストは、消費税の引き上げは住宅需要 に打撃になるため政府の対応策が必要だとの見方を示し、「住宅に対し ては消費税の引き上げ分を打ち消すくらいの措置が必要だ」と述べた。

国土交通省の資料によると、日本の国内総生産(GDP)に占める 住宅投資の比率はバブル経済期の87年度には6.4%だったが、09年度 は2.5%まで低下している。

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