野村HDがインサイダー取引に関与、国際帝石の増資で-関係者

野村ホールディングスが2010年の 国際石油開発帝石の公募増資に絡んだインサイダー取引(金融商品取引 法違反)に関与していたことが明らかになった。関係者によれば、増資 の引き受け証券として知り得た情報を、インサイダー取引をした中央三 井アセット信託銀行に漏らしたもようだ。野村株は下落している。

証券取引等監視委員会の21日の説明によれば、中央三井側は増資 の引き受け主幹事証券の1人の営業社員から、国際帝石の増資情報を入 手した。一方、野村証券は同日夕、「誠に遺憾。引き続き当局の調査に 全面的に協力する」とのコメントを発表した。野村は5000億円規模の 増資で主幹事の1社を務めていた。

今回のインサイダー取引は、引き受け証券会社が増資に関する情報 を第三者に漏らし、それをもとに大手信託が顧客資産を使って取引した という前例のないケースとなった。日本の金融市場では、AIJ投資顧 問による巨額の年金受託資金の消失問題が発覚したばかりで、市場の信 認を失う問題に国内最大手証券が関与したことになる。

こうした中、野村株などは下落。まず21日には海外で米国預託証 券(ADR)が最大6.4%下げた。またCMAによれば、野村証券の5 年社債を保証するコストは前日より20bp(1bp=0.01%)拡大して 270bpとなった。22日の東京市場では野村HD株が売買を伴い一時15 円(3.8%)安の381円まで下げ、結局391円で取引を終了した。

監視委は21日、証券会社から得た情報により受託運用資産で国際 帝石株を空売りするなどして利益を得たとして中央三井アセット信託 に5万円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した。増資の主幹事 は野村証券、ゴールドマン・サックス、JPモルガン証券、みずほ証券 だが、監視委は情報を外部に伝えた証券会社の実名は公表していない。

板硝子や東電増資も調査

国際帝石の増資は2010年7月に公表された。中央三井側がインサ イダー取引で得た利益は約1400万円に上ったという。監視委では、日 本板硝子や東京電力株の大型増資でも公表前から株価が下落するなど インサイダー取引の疑いがあるとみて、海外当局とも連絡を取り合いな がら幅広く調査を進めている。

中央三井アセット信託の住田謙社長は21日夕の会見で、「個人とし て何がインサイダーかという慎重を欠き、会社としては運用担当者と証 券会社の営業担当が面談するリスクに対する認識が欠けていたと反省 している。関係者に多大なる迷惑をおかけし、深くお詫びします」と陳 謝した。

国際帝石は同日夕、「新株式発行および株式売出しに関して勧告に 至る事態が発生していたことは極めて遺憾」とするコメントを発表。そ の中で「健全、公正かつ効率的なマーケットの形成や投資家保護のため 当局により適切かつ厳正な対応がなされるとともに、このようなことが 再発しないよう強く希望している」と述べた。

--取材協力:谷口崇子、伊藤小巻 Editor:Kazu Hirano

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