米国債:3日続伸、TIPS入札で最高落札利回りマイナス

米国債相場はほぼ1カ月ぶりに3日 続伸となった。ユーロ圏の経済活動の縮小や中国の製造業活動の弱まり を背景に、米国債の逃避需要が高まった。

米財務省が22日実施した10年物インフレ連動債(TIPS)の入札 (発行額130億ドル)では、最高落札利回りが過去最低のマイナ ス0.089%となった。10年債は朝方に上げを削る場面があった。先週の 新規失業保険申請件数が4年ぶり低水準に減少したことが手掛かり。米 連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、低インフレであれ ば金融当局の金利設定に柔軟性を持たせることが可能だとの認識を示し た。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「投資家は国債 に資金を戻すことに抵抗を感じていない」と指摘。「米経済は国内の状 況だけに左右されるのではなく、世界とつながっている。他国での弱い 経済統計を受けて、まとまった買いが入った」と説明した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01ポイント)下げて2.28%。一時2.24%と今月14日以来の低水準 を付ける場面も見られた。同年債(表面利率2%、2022年2月償還)価 格は5/32上昇し97 17/32となっている。

10年債利回りは今月に入り約30bp上昇した。この日の30年債利回 りは前日比2bp下げて3.36%。

「確実な実質リターン」

この日のTIPS入札結果によれば、最高落札利回りはマイナ ス0.089%と、前回に続いてゼロを割り込んだ。応札倍率は2.81倍と、 過去10回の入札の平均2.74倍を上回った。外国の中央銀行を含む間接入 札の落札全体に占める比率は40.4%だった。過去10回の入札の平均 は41.6%。

バークレイズのストラテジスト、チラグ・ミラニ氏(ニューヨーク 在勤)は「TIPSは実質リターンが確実だ」としたうえで、「米国の 長期的な財政状況を考慮すれば、確実な実質リターンがこれまでよりも さらに求められて当然だ」と述べた。

10年債と同年物TIPSの利回り格差は2日連続で縮小して2.38ポ イント。今月20日には2.45ポイントと、7カ月ぶり高水準に上げてい た。利回り格差は、投資家が予想する今後10年間における消費者物価の 年間上昇率を示唆する。過去1年間の平均は2.19ポイント。

景気減速の兆候

バーナンキFRB議長はこの日、ワシントンの大学で講義を行っ た。講義後の質疑応答で、金利を引き上げる適切な時期を見極めるのは 「容易ではない」と発言。低インフレの状況下では賃金物価スパイラル を引き起こす懸念なしにFRBは超低金利を維持することができると説 明した。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から5000件減少して34万8000件。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値は35万件だった。前週は35万3000件 (速報値35万1000件)に修正された。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが22日 発表した3月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は48.1と、 4カ月ぶり低水準。2月は49.6(改定値)だった。

マークイット・エコノミクスが22日発表した3月のユーロ圏総合景 気指数(速報値)は48.7と、前月から低下。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト21人の調査では、中央値で49.6が見込まれてい た。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイモ ンズ氏(ニューヨーク在勤)は「リスクオフの動きが盛り返した」と指 摘した。

原題:Treasuries Rise for 3rd Day; U.S. Sells TIPS at Negative Yield(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton.

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