NY外為:円が大幅高、82円台半ば-中国と欧州の景気減速で

更新日時

ニューヨーク外国為替市場では円が 主要16通貨全てに対して大幅高となった。欧州と中国の製造業指数が低 下し、景気減速懸念が強まり、安全な逃避先とみなされる円の需要が高 まった。

日本の2月の貿易収支が予想に反して黒字となり、景気回復を示唆 した。これを背景に円は対ドルで昨年8月以来の大幅高となった。中国 の製造業活動の縮小を示す指標を嫌気し、豪ドルやスウェーデン・クロ ーナが下落した。ドルは米新規失業保険申請件数の減少を材料に上昇し た。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリス ト、オマー・エシナー氏(ワシントン在住)は「中国のデータが失望さ れ、ユーロ圏のデータも予想を大きく下回り、懸念材料となった。その ため、安全な逃避先を求める動きが市場全体で起こっている」と指摘。 「米失業保険申請件数の減少は、悪化している海外の経済データとは対 照的で、その結果、ドルは底堅さを維持している」と語った。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比1%高の1ド ル=82円54銭。終値ベースでは昨年8月26日以来の大幅高となった。対 ユーロでは1.2%高の1ユーロ=108円95銭。ドルは対ユーロで0.1%高 の1ユーロ=1.3201ドル。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは米ドルに対し3日続落。一時は等価まで下げた。1 月のカナダ小売売上高が0.5%増と、エコノミスト予想の1.8%増を大き く下回ったことが響いた。

カナダ・ドルは0.7%安の1米ドル=99.93カナダ・セント。一時 は1.0008カナダ・ドルまで下げた。

日本の財務省によると、貿易収支は329億円の黒字。ブルームバー グ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値は1200億円の赤字だ った。輸出額は前年同月比2.7%減と、予想(6.5%減)ほど落ち込まな かった。

フォーキャストの通貨ストラテジスト、リー・ワイタック氏(シン ガポール在勤)は「データは日本経済の改善傾向を示唆している。ファ ンダメンタルズという視点に立てば、円にとってプラス材料になる可能 性が高い」と指摘した。

円の反転

JPモルガン・チェースは円の対ドルでの反転について、ドルが前 日に主要な上値抵抗線を突破できなかったことが原因である可能性を指 摘。同社のテクニカルアナリスト、ナイオール・オコナー氏(ニューヨ ーク在勤)は22日付の顧客向けリポートで、「反転が本物どうかを確か める上で、82円65-85銭の支持線に引き続き注目していく」と記述し た。

豪ドルは米ドルに対して一時、1豪ドル=1.0336ドルと、1月17日 以来の安値を付けた。中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手 国。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数はほぼ変わらずの79.652。

先週の米国の新規失業保険申請件数は前週から5000件減少して34 万8000件と、4年ぶりの低水準となった。

野村ホールディングスの為替調査担当マネジングディレクター、イ ェンス・ノルドビグ氏は「過去6週間、株式相場が上昇した際にドルも 上げるという新たな動きが出ている。それは欧州やほかの主要10カ国と 比べた際、米経済が突出していることを反映している」と述べた。

2008年の金融危機以降、景気に対して楽観的な見方が強まり、リス ク志向が高まると、ドルは下げる傾向にある。その関係は弱まりつつあ る。ドル指数とS&P500種株価指数の相関係数(期間60日)はマイナ ス44%。昨年12月にはマイナス85%まで低下していた。マイナス100% は完全な逆相関を意味する。

ユーロ圏

サービス業と製造業を合わせた3月のユーロ圏総合景気指数(速報 値)は48.7 と、前月の49.3から低下。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト21人の調査では、中央値で49.6が見込まれていた。 同指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目とされる。

スタンダード・バンクのアナリスト、スティーブン・バロー氏(ロ ンドン在勤)は「ユーロ圏のデータは失望を誘うものだった。恐らく、 ユーロ圏の景気回復というのは実は幻想だったということを示す最初の 兆しだろう」と述べた。

原題:Yen Surges 1% Against Major Peers as Economy Spurs Safety Demand(抜粋)

--取材協力:Lucy Meakin.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE