森本日銀委員:原発再開できなければ経済にマイナスの影響も

日本銀行の森本宜久審議委員は22日 午後、神戸市内で会見し、原子力発電所が再開できずに電力供給の不確 実性が高まると、コスト高が生じて経済にマイナスの影響が及ぶ可能性 があると述べた。

森本委員は「電力供給に関する不確実性や、火力発電への依存度の 高まり等を映じたコスト高が生じてくる可能性があるとすると、輸出や 生産だけでなく、経済活動全般に対してマイナスの影響が及ぶ」と指 摘。「中長期的にみてもその不安感が拭えないとすると、国内企業の競 争力低下、あるいは生産設備等の海外へのシフトを招く可能性もあり、 私どもとしては十分注視していきたい」と語った。

特に、原発依存度が高い関西電力管内について「電力は経済、生産 活動に非常に大きな役割を果たしているので、今年の夏をはじめ、当面 の電力需給の問題に加え、仮に関西の電力供給が中長期的に不安定にな ると、当該地域の製造コストや投資という面での見直しもあり得る」と 指摘。「兵庫県でも潜在的な経済の活動水準が低下するリスクが浮上し てくるのではないか」と述べた。

日銀は先月の金融政策決定会合で、消費者物価指数の上昇率1%が 見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明。10兆円の長期国債 買い増しを決めた。今月13日の会合では、成長基盤を強化するための資 金供給を3.5兆円から5.5兆円に拡充した。

ひとまず緊張緩和も不安材料-欧州債務問題

森本委員は「わが国経済は新年度前半には緩やかな回復経路に復し ていく」としながらも、「不確実性が高い」と指摘。具体的には、欧州 債務問題の行方、イランに関する地政学的リスクの高まりによる原油価 格の高騰の可能性、夏場の電力需給の不確実性を挙げた。

特に欧州債務問題について「ひとまず緊張は和らいでいるが、いろ いろな不安要因を考えると、これからも注視していかなければならな い」と述べた。

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