2月の貿易収支は予想に反し5カ月ぶりの黒字-自動車輸出が増加

2月の日本の貿易収支は5カ月ぶ りの黒字となった。市場の事前予想は赤字だった。輸出全体では引き 続き前年割れとなったが、タイの洪水被害の影響が一巡したことなど から米国向けを中心に主力の自動車輸出が増加。一方で、原油価格の 高止まりや、原子力発電を代替する火力発電向け液化天然ガス(LN G)の需要増で引き続き輸入が増加した。

財務省が22日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸 出額は前年同月比2.7%減の5兆4409億円と5カ月連続で減少したも のの、前月(同9.3%減)に比べて減少幅は縮小した。輸入額は同9.2% 増の5兆4079億円だった。差し引きした貿易収支(原数値)は329 億円の黒字。中華圏の春節(旧正月)休暇などの影響で過去最大の赤 字を記録した1月から一転して黒字を確保した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値 は、貿易収支が1200億円の赤字、輸出額は前年同月比6.5%減、輸入 額は同8.2%増だった。

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは統計発表前の リポートで、「1月は中華圏の旧正月のタイミングのずれにより輸出が 押し下げられたが、2月はその反動が出るため、輸出は1月から持ち 直す」と予想。ならしてみれば横ばい圏内で推移しているとの見方を 示していた。

統計発表後、東京外国為替市場では貿易収支の黒字化を受けて円 が上昇。一時1ドル=83円14銭まで円買いが進み、対ドルで3営業 日ぶりの高値をつけた。

米国向け輸出が増加

輸出の内訳を見ると、自動車が前年同月比7.4%増と3カ月連続 で増加。なかでも米国向けが同26.9%増と急増しており、同国向けの 全体の輸出額も同11.9%増と2010年12月(同16.5%増)以来の水準 となった。同省ではタイの洪水被害からの生産回復による上振れの可 能性も指摘している。

アジア向け輸出も、対フィリピンの前年同月比18.9%増をはじめ、 タイやインドネシア、ベトナムといった東南アジア各国の伸び率は、 いずれも2けた台と好調だった。

ただアジア全体では、政府債務問題を抱えている欧州経済の需要 減が波及し同6.6%減と5カ月連続の減少となった。特に中国向けは 春節休暇の影響も残っていることから同13.9%減と3カ月連続で2 けた台の減少だった。対EU(欧州連合)向け輸出も前年同月比10.7% 減と5カ月連続で減少した。

伊藤忠商事の丸山義正主任研究員は統計発表後、主要地域向けで 輸出が明確に上向きなのは対米と対ASEAN(東南アジア諸国連合) に限られていると指摘。「輸出の本格復調は海外経済の持ち直しが明確 化し、円安の影響が数量面に及ぶ2012年半ば以降」とみている。

季節調整済みの前月比では2月の輸出額は2.9%増の5兆4869億 円と3カ月連続で増加。一方で、輸入は同0.4%減と3カ月ぶりに減 少したものの、差し引きした貿易収支は3132億円の赤字だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE