3月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル、総じて上昇-リスク資産への懸念で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して上 昇。リスク資産の上昇ペースが経済成長見通しを上回ったとの懸念が 広がり、安全な逃避先とみなされるドルの需要が高まった。

対ドルでのユーロは一時、ほぼ2週間ぶりの高値に上昇する場面 も見られた。ギリシャ議会が第2次救済を受けるための法案を可決し たことに加え、ドイツとポルトガルの入札が支援材料となった。日銀 が金融緩和の拡大に動くとの懸念から、円は大部分の主要通貨に対し て下げた。

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネン ブローク氏(ニューヨーク在勤)は「ドルには調整的な強さが少し見 られる」と指摘。「株式相場が軟調で、海外通貨の一部が下げている。 市場がやや慎重になっていることを反映している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.1% 高の1ユーロ=1.3216ドル。ユーロは一時、1.3285ドルと、8日 以来の高値を付ける場面もあった。ドルは対円で0.4%安の1ドル= 83円41銭。

株とドルの関係

先進国の株式で構成されるMSCI世界指数は一時、0.6%下落 した。

この日は株価が下落する中をドルは上昇したが、2008年10月 以来の両者の逆相関関係は過去2カ月で弱まっている。期間60日の 相関係数は先週、マイナス43%に上昇した。昨年12月には最大で マイナス85%まで低下していた。マイナス100%は完全な逆相関を 意味する。

ベネンブローク氏は「この特定の関係は従来ほど確実ではなくな っている」と話した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重指数に よると、円は過去1カ月に3.5%下落。一方、ドルは0.7%、ユーロ は0.4%上げている。

メルク・インベストメンツのハード・カレンシー・ファンドはこ の日、保有していた残りの円を売却し、ユーロを購入した。日銀によ る事実上のインフレ目標設定が金融政策の一段の緩和につながるとの 懸念が背景。

「流れはシフト」

同社の創設者で社長のアクセル・メルク氏はブルームバーグラジ オとのインタビューで、「日銀はこのインフレ目標の導入により、紙 幣増刷を拡大し、インフレモードに入りつつある。そのため、流れは シフトしている」と指摘した。

ギリシャのパパデモス首相が1300億ユーロ(約14兆4200億 円)規模の国際支援を受けるための法案について議会の承認を確保し たことは、ユーロの支援材料。

ガイトナー米財務長官は下院金融委員会で、「ギリシャは持続可 能な状態に向かって前進しつつある」と証言。「そこにたどり着くか どうかは政治的支援を維持できるかどうかに大きく左右される」と述 べた。

ドイツはこの日の入札で、2014年3月償還債を50億ユーロ相 当発行した。応札倍率は1.8倍と、前回と同じだった。20億ユーロ 相当のインフレ連動国債も発行した。

ポルトガル政府は21日実施した入札で、12カ月物証券16億 1000万ユーロ(約1800億円)相当を発行。平均利回りは3.65% と、2月15日入札時の4.94%を下回った。応札倍率は2.5倍(2 月は2.02倍)だった。政府は4カ月物3億8200万ユーロも発行し た。

◎米国株:続落、年初からの堅調に警戒感-エネルギー株に売り

21日の米国株式相場は下落。S&P500種株価指数は続落し た。株価の年初からの上昇ペースが景気見通しを上回っているとの 見方が売り材料となったほか、この日は油田サービス会社ベーカー・ ヒューズを中心にエネルギー株が売られた。

ベーカー・ヒューズは5.8%下落。同社は天然ガスの採掘を敬遠 する動きが利益を損ねるとの見方を示した。モルガン・スタンレーと フィフス・サード・バンコープを中心に金融株が下落した。コンピュ ーターのヒューレット・パッカード(HP)も安い。

S&P500種株価指数は0.2%下げて1402.89。ダウ工業株30 種平均は45.57ドル(0.4%)安い13124.62ドル。

レイモンド・ジェームズ・アソシエーツのチーフ投資ストラテジ スト、ジェフリー・ソー氏は「この水準では本当に真剣な取引は望め ない」と述べ、「私はまだかなり強気な方だ。ここで弱気になること はないだろう。ただ市場にたまっていたエネルギーはこれまでの力強 い上げで使い果たされてしまったようだ」と続けた。

S&P500種は予想以上に良好な経済統計や企業決算を背景に年 初から12%上昇。S&P500種の株価収益率(PER、実績ベース) は今週、14.6倍と昨年7月以来の高水準をつけた。

中古住宅販売件数

全米不動産業者協会(NAR)が発表した2月の中古住宅販売件 数(季節調整済み、年換算)は、前月比0.9%減の459万戸となっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は461万戸だった。前月は463万戸(速報値は457万戸)に上方修 正された。

ヘイバーフォード・トラストのハンク・スミス最高投資責任者 (CIO)は、「住宅市場は早急には回復しない」と述べ、「さらに 株価はほとんど一方的に上昇していた。今は一服する時だ」と続けた。

S&P500種のエネルギー株価指数は1%安と、業種別10指数 の中で値下がり率最大だった。

S&P500種金融株価指数は0.4%安。モルガン・スタンレー は1.7%下落。フィフス・サードは1.8%値下がりした。

HPは2.2%下落。同社は経費削減の一環として、パソコン部門 とプリンター販売部門を統合する。新たな部門の責任者にはトッド・ ブラッドリー氏が就任する。

ハートフォードは上昇

保険会社ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グル ープは1.4%上昇。同社に出資する資産家ジョン・ポールソン氏は事 業分離を強く求めており、同社は個人向け年金販売を停止し、個人向 け生命保険と傘下ウッドベリー・ファイナンシャル・サービシズ、年 金プランの各事業部門について買い手を探す可能性があることを明ら かにした。

オンラインと郵送によるビデオレンタルを手掛けるネットフリッ クスは4.4%上昇。2013年初めに予定されている会員限定のテレビ 番組放映サービスが好感された。

◎米国債:続伸、中古住宅販売の減少で-連銀の国債購入も下支え

米国債相場は続伸。10年債利回りは2日連続で下落した。ニュ ーヨーク連銀が40億3000万ドル相当の国債を購入したほか、中古 住宅販売が予想に反して減少したことが背景にある。

利回りは前日に一時、昨年10月以来の高水準に上昇し投資資金 を呼び込んだ。国債価格はそれまで9日連続安と、過去約6年間で最 長の下落局面となっていた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が 13日の会合で景気判断を引き上げて以来、金融当局による追加緩和 実施の見通しを見直す動きが出ている。住宅ローン金利の上昇を背景 に、先週の住宅ローン申請指数は低下した。米連邦準備制度理事会 (FRB)のバーナンキ議長は、原油価格の上昇が経済成長の足かせ となる可能性を指摘した。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は、「住宅販売の減少 や住宅ローン申請指数の低下、FRBの国債購入、エネルギー価格の 景気への打撃に関するバーナンキ議長の発言、欧州情勢などを受け、 米国債相場は上昇の足掛かりを得た」と指摘。「それと同時に、市場 は激しい値動きを見直しつつあることから一段安とはならず、売りの モメンタムは止まった」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時5分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)下げて2.29%。一時は8bp低下 し、日中の下げとしては今月6日以来最大となる場面もあった。同年 債(表面利率2%、2022年2月償還)価格は19/32上昇して97 14/32となっている。

10年債利回りは前日2.40%と、昨年10月28日以来の高水準 を付ける場面も見られた。今年に入りこれまでの利回り上昇幅は40 bpを超えている。この日の30年債利回りは7bp下げて3.38%。

バーナンキ議長が議会証言

バーナンキFRB議長は21日、下院監視・政府改革委員会で証 言。エネルギー価格の上昇は個人消費を抑制し米経済を弱める恐れが あると指摘した。これを受けて利回りはこの日の最低に下げた。議長 はエネルギー価格上昇により「少なくとも短期的に見て成長が減速す る恐れがある」と発言。また、欧州の金融・経済の状況は「依然とし て厳しい」との認識も示した。

10年債と30年債のイールドカーブ(利回り格差)は109bp に拡大。前日は108.6bpと、1月23日以降の最小となっていた。

CRTキャピタルのリンジェン氏は、「短期のインフレリスクは 主に5年債と10年債に反映されるが、30年債には響いていない」 と述べた。

10年債利回りの相対力指数(RSI、14日間)はこの日、

65.8に低下した。前日まで5営業日連続で70を上回っていた。同 指数が70を上回ると、利回りが上昇を維持しにくくなる可能性があ ると一部投資家は判断する。

連日の国債購入

10年債利回りは昨年9月23日に付けた過去最低の1.67%から 上昇したものの、過去10年間の平均である3.87%を依然として下 回っている。ブルームバーグ・ニュースが銀行と証券会社を対象に実 施した調査によれば、年末の利回り予想中央値は2.54%。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2018年4月から2020 年2月までの米国債を購入した。借り入れコストの抑制を図り、残存 期間が長めの国債を4000億ドル購入して期間が短い国債を同額売却 する計画の一環。同連銀は今週、連日買い入れを実施。連日購入した 期間としては1月以来で最長となる。

米国債は朝方の統計発表を受けて値を伸ばした。全米不動産業者 協会(NAR)が発表した2月の中古住宅販売件数(季節調整済み、 年換算、以下同じ)は、前月比0.9%減の459万戸となった。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は461 万戸だった。前月は463万戸に上方修正された。

◎NY金:反発、インド需要への期待やインフレ懸念で

ニューヨーク金先物相場は反発。世界最大の金消費国インドで5 日間に及ぶ宝飾店の一時休業が22日に終了すれば需要が拡大すると の観測が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長が原油価格の上昇でインフレが誘発される可能性があると指摘した ことも材料視された。

インドの宝飾店は、同国政府が先週発表した税率引き上げに抗議 している。これが導入されれば、小売りの金価格は6.3%上昇する可 能性がある。UBSのアナリスト、エデル・タリー氏(ロンドン在勤) はこの日のリポートで、宝飾店休業からの繰り延べ需要が出る可能性 があるとの見方を示した。バーナンキ議長は議会証言で、燃料価格の 高騰は「少なくとも短期のインフレ圧力を生じさせる」と述べた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)の ヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで「イン ド勢が市場に戻ってくるため、短期的には需要は増加するだろう」と 指摘。「バーナンキ議長の発言は金にとってプラスだった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比0.2%高の1オンス=1650.30ドルで終了した。年 初からは5.3%値上がりしている。

◎NY原油:反発、米原油在庫が予想外に減少で-107.27ドル

ニューヨーク原油先物相場は反発。先週の米原油在庫が予想外に 減少したことが手掛かり。

米エネルギー省の発表によると原油在庫は116万バレル減少と、 5週間ぶりのマイナスとなったほか、輸入が減少した。ブルームバー グがまとめたアナリスト調査では220万バレルの増加が予想されて いた。原油は前日、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が同国 は最大25%の増産が可能だと述べたことをきっかけに、2.3%値下 がりしていた。

PFGベスト(シカゴ)のリサーチ担当バイスプレジデント、フ ィル・フリン氏は「在庫統計はやや強気な材料だ。大きな積み上がり が予想されていたが、実際にはそうならなかった」と指摘。「市場は 昨日のサウジの表明に対して過剰に反応していた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.20ドル(1.13%)高の1バレル=107.27ドルで終了。年初 からは8.5%上昇している。

◎欧州株:総じて下落、米中古住宅販売の減少嫌気-アディダス売り

21日の欧州株式相場は総じて下落。同日発表の2月の米中古住 宅販売が予想外に減少し、売り材料と見なされた。

ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスが2.3%安。モルガ ン・スタンレーによる投資判断引き下げが響いた。スウェーデンの通 信サービス会社テリアソネラは昨年8月以来の大幅下落。フィンラン ド政府が保有株の一部を売却し、それに伴って値下がりした。イタリ ア5位の銀行バンコ・ポポラーレは、自己資本見通しを手掛かりに上 げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の268.67で終了。 年初来では9.9%の値上がり。欧州中央銀行(ECB)による1兆ユ ーロ余りの長期資金供給や市場予想を上回る米経済指標が株価を支え てきた。

KBLリシュリュー(パリ)のアナリスト、ブノワ・ドブロシア 氏は「少々、楽観的過ぎた可能性はある」と指摘。「まだ、向かい風 はずいぶん吹いている。住宅用不動産が米経済の成長エンジンだとは 現時点で言えない」と付け加えた。

この日の西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が下 落。全米不動産業者協会(NAR)が同日発表した2月の中古住宅販 売件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比0.9%減の 459万戸。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の 中央値は461万戸だった。前月は463万戸(速報値は457万戸)に 上方修正された。

◎欧州債:スペイン債下落、債務再編リスクを警戒-ドイツ債は堅調

21日の欧州債市場ではスペイン国債が下落し、10年債利回りは 1カ月ぶり高水準となった。シティグループのチーフエコノミスト、 ウィレム・ブイター氏が同国の債務再編リスクの高まりを指摘したこ とがきっかけ。

スペイン10年債は8営業日続落し、ドイツ10年債に対する利 回り上乗せ幅(スプレッド)はここ2週間の最大となった。

ドイツ2年債は続伸。同国はこの日の2年債入札で50億ユーロ 相当を発行。ポルトガル国債も上昇。1カ月余りで初めての入札で、 借り入れコストが低下した。

ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リン・ グレアムテーラー氏(ロンドン在勤)は「ブイター氏の発言でスペイ ン国債のスプレッドがさらに拡大した。一段の債務再編をめぐる懸念 を浮き彫りにした」と語った。

ロンドン時間午後4時半現在、スペイン10年債利回りは前日比 18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.41%と、 2月16日以来の高水準となった。同国債(表面利率5.85%、2022 年1月償還)価格はこの日、1.38下げ103.275。同年限のドイツ 国債に対するスプレッドは23bp拡大の342bp。これは7日以来 の最大。スペイン2年債利回りは10bp上昇し2.45%。

ドイツ2年債利回りは前日比4bp低下の0.3%。10年債利回 りは6bp下げ1.98%。一時は2.07%まで上げ、昨年12月13日 以来の高水準となった。

◎英国債:長期債が上昇、財政赤字見通し-来年度の国債発行額縮小

21日の英国債市場では長期債が上昇した。英公債管理局(DM O)が国債発行計画を縮小したほか、オズボーン英財務相が来年度 (2012年4月-13年3月)の財政赤字が縮小するとの見通しを示 したことが手掛かり。

長期債は2年債のパフォーマンスを上回った。オズボーン財務相 は償還期間が50年超の債券発行を検討すると発言したものの、長期 債には影響しなかった。DMOは来年度に1677億ポンド相当の国債 を発行する計画で、今年度の推定額1794億ポンドを下回る。この日 発表された2月の財政赤字が前月同月のほぼ2倍に膨らんだことから、 英国債は一時軟調となる場面もあった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、予算案で「投資家が安 堵(あんど)し、これが英国債への支援材料となった」と指摘。「オ ズボーン財務相は中期的な財政再建プログラムを遂行する決意で、そ こに大きな変更はないだろう。財政政策の観点から、英国債への支え となる」と付け加えた。

ロンドン時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.37%。一時は2.36% まで下げ、15日以来の低水準を付けた。同国債(表面利率4%、 2022年3月償還)価格はこの日、0.48上げ114.365。

30年債利回りは5bp低下の3.41%。2年債利回りは0.47% で、前日からほぼ変わらずとなった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 小林 恭子 Kyoko Kobayashi +1-212-617-5230 kkobayashi39@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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