東穀取:農産物市場の移管で東工取と関西商取に打診へ

東京穀物商品取引所は、同取が上場 しているすべての農産物取引について、東京工業品取引所と関西商品取 引所へ市場移管を打診することを決めた。渡辺好明社長が21日午後の都 内の会見で明らかにした。東工取と関西商取のうち一方には、すでに連 絡済みという。

渡辺社長によれば、この日の午前11時から開催した取締役会では、 参加者の大半が農産物取引の移管に同意した。東穀取の大株主で、11年 9月末現在2.3%の株式を保有する商品取引会社、豊商事の石黒文博社 長は、「業績回復が見込めないと判断した株主の間では取引を早期に他 の取引所に移管するよう望む声が上がっていた」と述べた。

業績低迷続く

売買高の大幅な減少に歯止めがかからない東穀取は昨年夏、起死回 生を狙って72年ぶりに上場したコメ先物の取引が低迷するなど、業績の 回復が見込めていない。

東穀取の今期業績は、上期(11年4月-9月)に1カ月当たり2800 万円超の損失が出たほか、下期(11年10月-12年3月)も昨年8月に上 場したコメ先物取引が低迷している。前期(11年3月期)業績は3年ぶ りに黒字に転じたものの、保有ビルの売却に伴う特別利益の計上が主な 要因だった。

コメ先物は、2月の1日平均取引成立量が250枚に満たず、渡辺社 長が上場段階で必要だとした5000枚の1割にも達していない。トウモロ コシや一般大豆、小豆など8商品の合計も5582枚と、取引量のピーク時 の5%にも満たない状態。

受け入れは不透明

ただ、東穀取が農産物市場の移管を、商品先物取引の東京工業品取 引所や関西商品取引所に申し出たとしても、受け入れるかどうかは不透 明だ。

東穀取は10年12月当時、取引所会員で構成する日本商品先物振興協 会の提言を受けて東工取へ農産物市場の移管を要請し協議に入ったがコ メ先物取引の上場認可を受けたことを理由に、翌年7月に一方的に要請 撤回を通知した経緯がある。

東工取の江崎格社長は先月の会見で、あらためて東穀取から農産物 市場移管の申し出があった場合について、「全然ビジネスにならないも のをやるほどの余裕はない」と述べている。

国内商品先物市場の低迷は東穀取に限らず深刻な状態で、日本商品 清算機構(JCCH)によると、国内商品取引所の総売買高は03年に史 上最高となる1億5400万枚超を記録した後、7年連続で減少、昨年は若 干戻したもののピーク時の22%にとどまっている。

05年に7つあった商品取引所の数は、東工取、東穀取、関西商取の 3カ所に減少。東工取は国内売買高の9割を占めているものの、減少傾 向には歯止めがかかっていない。かつては世界2位の商品取引所だった が、中国の上海先物取引所や大連商品取引所などに追い抜かれ、10年の ランキングは11位に落ち込んでいる。

一方、関西商取は11年3月期に純利益218万円を計上したが、2900 万円ある収入の5割を占める不動産事業で黒字を維持した。12年3月期 決算は、東穀取と同じ昨年8月に上場したコメ先物の広告宣伝費などが かさみ、鈴木勝夫総務部長はブルームバーグ・ニュースの取材に対し て3000万円以上の赤字を予想していると明らかにしている。

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