日本と欧州は制裁の対象外、イラン原油輸入で米国務省

米国のオバマ政権はイラン産原油の 輸入を「大幅」削減した日本と欧州連合(EU)に加盟する10カ国を、 金融機関に対する制裁の適用対象から除外する。クリントン国務長官 が20日明らかにした。

エネルギー省によると、米国はこの日、昨年前半にイラン産原油を 最も多く輸入した中国、同3位のインド、4位の韓国は除外対象としな かった。

米国で昨年12月31日に成立した法律により、各国は今年6月28日ま でにイラン産原油の輸入を大幅に減らさない限り、イランとの原油取引 に関与する国内金融機関が米金融システムから締め出される可能性があ る。制裁の適用対象から除外されたEU加盟国は、ベルギー、チェコ、 フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ポーランド、スペ イン、英国。

クリントン長官は同日の声明で、これら10カ国と日本は「容易なら ざる措置」を講じてきたと評価。「これらの国は、世界経済にとって極 めて重要な時にエネルギー需要を見直さざるを得なかったが、多くの国 がこれまで供給源として頼ってきたイラン産原油の代替策を迅速に見い だしつつある」と説明した。

今回の米国の決定により日本は、6月28日に米国が制裁を発動した 後も、国内金融機関が制裁を受けることなくイラン産原油の輸入を継続 できる可能性がある。日本は昨年前半、イラン産原油輸入で2位だっ た。

日本の金融機関

制裁を定めた米国法は、適用対象外とされない限り、イラン中銀と 原油の決済を行う外国金融機関が米銀に口座を持つことを禁じるよう大 統領に義務付けている。

米当局者は匿名を条件に、公表データに基づく推計で、日本は東日 本大震災やその後の自然災害の余波で苦しみ、エネルギー需要が高い中 でも昨年後半にイラン産原油の輸入を15-20%減らすことに成功したと 語った。

ワシントンにあるシンクタンク民主主義防衛財団のエグゼクティ ブ・ディレクター、マーク・ドゥボウィッツ氏はインタビューで、今回 の措置により、「米政権が石油市場の制裁措置をどのように適用するか に関する市場の不安感が一部解消され始めている」と指摘。「特に、イ ラン産原油の輸入を継続する必要がある日本は、国内金融機関をリスク にさらすことなく輸入を続ける明確な道筋を得た」と説明した。

日本は歓迎

枝野幸男経済産業相は21日午前の会見で、これまで過去5年間で 約40%イラン産原油の輸入を減らしたことや、化石燃料の需要が増大し た東日本大震災以降も減少傾向を維持した事実などを米国側に説明して きたことを強調。その上で、「努力をしっかりとご理解いただいたとい う意味では歓迎している」と話した。

今後のイラン原油の輸入については、「従来5年にわたり減少させ てきた方向性のなかで対応するということなので、あえて言えば、直ち にゼロになるということはこのトレンドからすればない」と語った。経 産省の統計によると、2011年のイラン産原油の輸入量は前年比11.7%減 少。イラン原油の占める割合は、全輸入量の8.8%だった。

また、安住淳財務相も同日の閣議後会見で、制裁対象から日本が除 外されたことを歓迎、今後も「一定の割合で原油の輸入は削減されてい く方向だと思う」と語った。

原題:U.S. Exempts Japan, 10 EU Nations From New Iran Oil Sanctions (抜粋)

--取材協力:.

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