3月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが上昇、逃避需要強まる-中国の減速懸念で

ニューヨーク外国為替市場ではドルが大半の主要通貨に対して上 昇。中国の景気が減速するとの懸念が高まり、逃避先としてドルの需 要が強まった。

リスク許容度が低下する中、世界的に株安となったため、ニュー ジーランド(NZ)ドルや豪ドルなど高利回り通貨が下落した。世界 最大の鉱山会社BHPビリトンが中国の鉄鋼生産が鈍化しつつあると 指摘。中国の成長見通しに対する懸念が強まり、ドル買いが入った。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「中国の減速は豪 ドルやNZドルなど資源国通貨に影響し、下落につながった」と指摘。 「過去1週間、リスク選好の動きが強かったため、その反動が少し起 こってもおかしくない状況にあった」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対NZドルで前日比

1.1%高の1NZドル=81.72米セント。対豪ドルでは1.2%上昇 した。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.3225ドル。一時は

0.5%下げる場面もあった。ドルは円に対して0.4%高の1ドル=83 円70銭。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「高利回り通貨の過去数日 間の反発にはあまり力がなかったようで、買いは続かなかった」と述 べた。

カナダ・ドルが下落

原油安を背景に、カナダ・ドルは米ドルに対して一時1%下落し た。石油はカナダ最大の輸出品。

ポンドは主要16通貨の大部分に対して上昇した。2月の英消費 者物価指数が前年同月比3.4%上昇と、エコノミスト予想の3.3%上 昇を上回ったことが手掛かり。

中国が最大の顧客であるBHPは同国の景気が減速する中、支出 計画を見直している。豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビ ューがこの日、同社のジャック・ナッサー会長のコメントを引用して 報じた。

中国の温家宝首相は5日、2012年の国内総生産(GDP)成長 率の目標を7.5%と、05-11年の8%から引き下げた。中国鋼鉄工 業協会(CISA)は6日、今年の鉄鋼生産の伸びが4%に減速する 可能性があると指摘した。

中国の減速懸念

コモンウェルス銀行のASBインスティチューショナル部門の機 関投資家向け外為営業責任者、ティム・ケラハー氏(オークランド在 勤)は「中国の減速に関するBHPやリオ・ティントの発言が豪ドル など資源国通貨に打撃を与えている」と述べた上で、「米ドルと円が 上昇している」と指摘した。

欧州の経済成長に対する懸念が強まり、ユーロは対ドルと対ポン ドで下げた。オランダはこの日、2013年のGDP比の財政赤字見通 しを4.6%と、従来の4.5%から上方修正した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は前日比0.2%上げて79.627。

◎米国株:反落、S&P500は4日ぶりに下げ-中国減速懸念

20日の米国株式相場は反落。S&P500種株価指数は4日ぶり に下げた。中国の景気減速への懸念を背景に商品相場が下落したのが 手掛かりだった。

資本財株と資源株はいずれも下落。中国が燃料価格を引き上げた ことが売り材料となった。世界最大の鉱山会社BHPビリトンが、中 国の鉄鋼生産が鈍化しつつあると指摘したことも悪材料。建機大手キ ャタピラーとアルミ生産のアルコアも安い。デザインソフト最大手、 アドビ・システムズは利益見通しが一部の市場予想を下回ったことが 嫌気され下落した。

一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)は上昇。高級宝飾品テ ィファニーも値上がりした。同社の利益予想はアナリスト予想を上回 った。

S&P500種株価指数は0.3%下げて1405.52。前日のS&P 500種は2008年5月以来の高水準まで上げていた。ダウ工業株30 種平均は68.94ドル(0.5%)下げて13170.19ドル。

「中国の減速は避けられない」

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州ライル)で約29 億ドル相当の資産運用に携わるピーター・ジャンコブスキス氏は電話 インタビューで、「中国の減速は避けられない」と述べ、「中国が需 要のけん引役だったことを考えると、商品市場での熱気はある程度失 われるだろう。ただ成長軌道にあるのは中国だけではない。今後も中 国は重要な役割を担うだろうが、米国経済もようやく歩き出したよう だ」と続けた。

中国は6週間足らずで2度目となる燃料価格引き上げを決定。ま た景気減速の影響で自動車需要が鈍化し、今年の中国自動車販売は業 界予想に届かない可能性がある。中国自動車工業協会(CAAM)の 幹部が語った。

S&P500種は予想以上に良好な経済統計や企業決算を背景に年 初から12%上昇。前日のS&P500種の株価収益率(PER、実績 ベース)は14.6倍と昨年7月以来の高水準をつけた。

S&P500種銘柄の中でも景気の変動に敏感な銘柄は大きく下げ た。ダウ輸送株平均は1.3%安。S&Pの住宅建設株指数は1%下げ た。同指数を構成する11銘柄のうち10銘柄が値下がりした。

キャタピラーは2.6%安。アルコアは1.5%下落した。

アドビは3.9%安。一部項目を除くベースで2012年3-5月 (第2四半期)の1株利益の見通しレンジは57-61セント。中間値 の59セントはブルームバーグがまとめたアナリスト予想の60セン トに届かなかった。

金融株が高い

この日は金融株が上昇。KBW銀行指数は0.4%上昇した。BO Aは2.9%高、モルガン・スタンレーは1.7%上昇した。

米投資銀行ジェフリーズ・グループは2.3%高。2011年12月 -12年2月(第1四半期)決算は減益となったものの、純収入が過去 最高に達し、利益は市場予想を上回った。

ヘッジファンド、トラクシス・パートナーズの創業者バートン・ ビッグス氏は、株式に対して一段と強気な姿勢を見せている。今年に 入りS&P500種株価指数が上昇する以前から、同氏は株価上昇を想 定したポジションを積み上げていた。

ビッグス氏はブルームバーグラジオのインタビューで20日、株 高の恩恵を受けている自身のファンドについて、ロングからショート を差し引いたネットロング(買い越し)ポジションを「徐々に上げて 現在は90%だ」と明かした。また、「株式以外の非常に低利回りの債 券に大量に資金がたまっている。その資金が株に戻ってくる確率は高 いと考える」と述べた。

◎米国債:10年債上昇、続落9日で終了-高利回りが資金呼ぶ

米国債相場は上昇。10年債利回りは約4カ月ぶり高水準から低下 した。前日まで相場は9営業日続落し、2006年以来最長の下落局面 となっていた。この日は利回りの上昇が投資資金を呼び込み、買いが 優勢となった。

10年債は一時下げに転じ、少なくとも1985年以降で最長の連 続安となる様相を帯びる場面もあった。ニューヨーク連銀は借り入れ コスト引き下げに向けた措置の一環として、19億7000万ドル相当 の国債を購入した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長は、大恐慌の教訓の一つは金融政策の急転換を避けることだと語っ た。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレク ター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「前日は

2.4%を試す展開となったが、この日はやや落ち着きを取り戻した」 とし、「2.1-2.4%の新たなレンジ取引となっている」と解説した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時5分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01ポイント)下げて2.36%。一時2.33%まで下げ た後、昨年10月28日以来の高水準となる2.4%まで上げる場面も 見られた。同年債(表面利率2%、2022年2月償還)価格は5/32 上げて96 27/32。年初から今月13日まで、利回りは1.79-

2.09%で推移していた。

適正価格を探る

10年債利回りは前週、27bp上昇したものの、昨年の最高水準 の3.77%や過去10年間の平均3.87%を依然として下回っている。

10年債利回りの相対力指数(RSI、14日間)はこの日74.2 と、5営業日連続で70を上回った。同指数が70を上回ると、利回 りが上昇を維持しにくくなる可能性があると一部投資家は判断する。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオ ン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・ サリバン氏は「市場は米国債の適正価格を探っている」と述べた。

30年債利回りは3bp低下して3.44%。前日は3.49%と、昨 年9月以来の高水準を付けていた。

中国の減速懸念

相場のボラティリティ(変動性)は前日、今年最高に達した。指 標とされるバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのメリ ル・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE)指数 は前日に92.3bpと、昨年12月29日以来の水準に上昇した。

インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、前日 の売買高は約3030億ドルに増加。3月16日時点では2830億ドル だった。3月14日には昨年8月以降の最高となる4390億ドルに上 っていた。過去1年間の平均は1日あたり2660億ドルとなっている。

この日の米国債相場は買い優勢で始まった。世界最大の鉱山会社 BHPビリトンが、中国の鉄鋼生産が鈍化しつつあると指摘。安全資 産とされる米国債の需要を下支えした。中国はガソリンとディーゼル 油の価格を引き上げた。6週間足らずで2回目の値上げとなった。

2月の米住宅着工件数は前月から減少した。米商務省が20日発 表した2月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は前月比

1.1%減の69万8000戸だった。

◎NY金:反落、インドや中国の需要減速を懸念-終値1647ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。インドと中国で需要が落ち込む との懸念が強まり、売りが出た。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、中国が景気減速および燃料コスト上昇を背 景に金の購入を減らす可能性があると指摘した。産金業界団体ワール ド・ゴールド・カウンシル(WGC)は先月、中国が今年はインドを 抜いて金消費国首位になるとの見通しを示していた。ボンベイ貴金属 協会によると、インド政府が金に対する関税を引き上げたことから、 今年のインドの金需要は35%減少する可能性がある。

レシュ氏は電話インタビューで「こうしたシナリオは金需要にと って好ましくない」と指摘。「金市場への投資を駆り立てるような説 得力のある理由はない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比1.2%安の1オンス=1647ドルで終了した。

◎NY原油:反落、3カ月ぶり大幅安-サウジが増産可能と表明

ニューヨーク原油先物相場は反落。約3カ月ぶりの大幅安とな った。世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアが、供給不足の 解消へ直ちに増産できると表明したことが背景。

サウジのヌアイミ石油鉱物資源相は、同国がこれまでに生産を 拡大したとし、必要とあれば直ちに最大25%の増産が可能だと述べ た。ブルームバーグがまとめた調査によると、米政府が21日発表 する統計では5週連続の在庫増加が示される見通し。

ソシエテ・ジェネラルの石油市場リサーチ責任者のマイケル・ ウィトナー氏は、「サウジは口先で価格を下げようとしている」と 指摘。「サウジが増産していることは周知だが、彼らは今その事実 を認めた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比2.48ドル(2.29%)安の1バレル=105.61ドルで終了。1 日の下げ幅としては昨年12月14日以来で最大となった。同限月は この日が最終取引日。5月限は2.49ドル安の106.07ドル。

◎欧州株:続落、自動車株が安い-中国での売れ行きを懸念

20日の欧州株式相場は続落。中国自動車工業協会(CAAM) の幹部が今年の同国での販売台数は見通しを下回るとの見方を示した ことから、自動車株が売られた。

ドイツのBMWとダイムラーは大幅安となった。鉱山株も下げ、 最大手で英・オーストラリア系のBHPビリトンは4.1%下落。

一方、独小売り最大手のメトロは上昇。昨年10-12月(第4四 半期)利益がアナリスト予想に一致した。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%安の268.97と、6日 以降で最もきつい下げとなった。欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏 の金融機関に1兆ユーロ余りの資金を供給したことを支えに、年初来 では10%高となっている。

ケビオット・アセット・マネジメントのパートナー、デービッ ド・ミラー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「先週に大きな動きがあったことから、今週に入ってからの小休止は 驚きではない」と語った。

この日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が下落 した。

◎欧州債:ドイツ債反発、景気懸念で質へ逃避-英国債ほぼ変わらず

20日の欧州債市場ではドイツ国債が6営業日ぶりに上昇。中国 と欧州で景気が鈍化しつつある兆候を受け、域内で最も安全とされる ドイツ国債の需要が高まった。

ドイツ10年債の前日までの下げは、昨年11月以降で最長。利 回りが3カ月ぶり高水準付近となっていたため、一部投資家が買いを 入れたとの観測も広がった。スペイン2年債は4営業日続伸。同国が この日実施した計50億ユーロ相当の証券入札では、借り入れコスト が前回入札を下回った。ポルトガル国債も堅調だった。

ウェストLBの債券ストラテジスト、ジョン・デービス氏(ロン ドン在勤)は「センチメントが落ち込んだ主因は、中国の成長見通し に関する懸念が再び高まったためだ」と述べた。

ロンドン時間午後4時28分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.04%。 16日には2.07%まで上昇し、昨年12月13日以来の高水準を付け た。同国債(表面利率2%、2022年1月償還)価格はこの日、0.14 上げ99.645。

スペイン政府は12カ月物証券を36億ユーロ発行。平均落札利 回りは1.418%と、2月14日の前回入札時の1.899%を下回った。 14億5000万ユーロ相当の18カ月物証券も発行した。スペイン2 年債利回りは前日比3bp低下の2.34%となった。

英国債

20日の英国債相場は前日からほぼ変わらず。10年債利回りは4 bp下げた後、2.42%となった。2年債利回りは0.47%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はマイナス3.2%。ユーロ圏債務危機が深刻化した昨年はプラス 17%だった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 小林 恭子 Kyoko Kobayashi +1-212-617-5230 kkobayashi39@bloomberg.net Editor: Mariko Rakuyama, Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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