米国債(19日):10年債は9日続落、06年6月以来最長

米国債市場では10年債が9営業日続 落。2006年6月以来で最長の下落局面となった。米経済が強さを増して いることを背景に、安全資産としての米国債の投資妙味は薄れるとの観 測が広がった。

前週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気判断を上方修正し たことを受け、株式などのよりリスクの高い資産に買いが集まったほ か、追加の量的緩和(QE)観測が後退。10年債利回りはこの日、昨 年10月以来の高水準に上昇した。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は FOMCが金利を引き上げる時期について、2014年の前でも後でもあり 得ると述べた。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エド モンズ氏(ニューヨーク在勤)は、「手じまい売りが続いているよう だ。短期間で大きな動きが見られた」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比8ベーシスポイント(b p、1bp=0.01ポイント)上昇の2.38%。昨年10月28日以来の高水準 となっている。同年債(表面利率2%、2022年2月償還)価格は22/32 下げて96 22/32。

国債購入

10年債利回りの相対力指数(RSI、14日間)は利回りがこれ以上 あまり上昇しないことを示す水準に達した。この日の指数は76と、4営 業日連続で70を上回った。70を上回ると、利回りが反転する可能性を示 唆する。

米金融当局による景気刺激策が一助となり、米国の雇用市場は回復 傾向を強めている。ダドリー総裁はただ、米経済拡大に関するリスクは 雇用市場の改善によって打ち消されるものではないとの認識を示した。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は「ダドリー総裁は国債の追加購入に確信を持っていないと発言 した。このため追い風がやや弱まった」と解説した。

ニューヨーク連銀はこの日、借り入れコスト引き下げに向けた措置 の一環として、2020年5月から2022年2月を償還期限とする米国債51億 ドル相当を買い入れた。

利回り上昇

10年債利回りは2.33-2.42%の上値抵抗線を試す展開となってお り、このレンジを抜けた場合には3.10%まで上昇する可能性がある。シ ティグループの主任テクニカルアナリスト、トム・フィッツパトリック 氏が顧客向けリポートで指摘した。

同氏は電話インタビューで、欧州の債務危機がやや安定の兆しを見 せていることやFRBの景気判断が楽観を強めていることを手掛かり に、利回りは一段と上昇してきたと分析した。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「米経済は恐らく強さを増していると市場は 見ている」と指摘。「経済統計を考慮すれば、QE3が実施されると主 張するのは困難だ。一方でQE3を想定したポジションは大量にあっ た」と述べた。

米国債の割高感が薄れてきていることが指標で示されている。 FRBのエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプレミアム (期間に伴う上乗せ利回り)はこの日マイナス0.25%。今年2月2日に はマイナス0.79%と、過去最も割高な水準に下げていた。マイナスのタ ームプレミアムは投資家が適正水準を下回る利回りを積極的に受け入れ ることを意味する。

原題:Treasury 10-Year Notes Extend Longest Slide Since June 2006(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton.

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