今日の国内市況:日経平均5日続伸、債券続伸-ドル・円は83円半ば

東京株式相場は小幅ながら5日続 伸。海外原油先物価格の上昇が好感され商社、石油・石炭製品株が高 く、円安の流れがやや一服した中で、銀行や証券、食料品といった内需 関連株の一角にも投資資金が向かった。

TOPIXの終値は前週末比1.62ポイント(0.2%)高の868.35、 日経平均株価は12円16銭(0.1%)高の1万141円99銭。日経平均は終値 で、東日本大震災当日の昨年3月11日以来の高値を回復。

前週末16日のニューヨーク原油先物4月限は前日比1.9%高の1バ レル=107.06ドルと、先月21日以来の大幅上昇を記録。米鉱工業生産指 数は前月比でほぼ変わらずだったが、前月はプラスに上方修正されるな ど米国の景気回復に伴い、燃料需要が高まるとの観測で買われた。市況 高が日本の関連企業業績にも好影響を及ぼすとみられ、東証1部33業種 の上昇率上位に石油・石炭製品、卸売が入った。

また、為替市場でドル・円相場が1ドル=83円台で円安の勢いがや や一服した影響から、この日は相対的に内需関連業種に投資資金が流 れ、銀行や証券、食料品、小売、建設株などが堅調な値動きを見せた。 東証REIT指数は4日続伸し、一時昨年8月5日以来となる1000ポイ ントの大台を回復した。

銀行株に関しては、国内景気の回復基調を前提にすれば、業界判断 の「オーバーウエート」を変更する段階にはないとドイツ証券が指摘。 さらに米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、 日銀のドル供給計画について、低コストのドル調達の選択肢を与え、三 菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグルー プ、みずほフィナンシャルグループを中心に、日本の銀行の格付けにプ ラスとの見解を明らかにした。

ただ、きょうの相場は上値が重かった。足を引っ張ったのが、33業 種の下落率1位だった電気・ガス。大阪市と大阪府は6月の関西電の株 主総会で、同社の原発全11基の廃止を提案する方針を決めたと 19日付 の日本経済新聞朝刊が報道。関西電を中心に、原発再稼働に対 する期 待感が後退した。配当見通しの不透明感から、シティグループ 証券が 電力セクターの投資判断を「やや強気」から「やや弱気」に下 げる悪 材料もあり、電気・ガス業指数を構成する電力株はすべて安い。

東証1部売買代金上位では、鉱山開発需要の恩恵も受けるコマツが 4日続伸。アップルの設備投資拡大が追い風になるとし、シティグルー プ証券が目標株価を引き上げたファナックも上げ、日経平均の上昇寄与 度で1位だった。産業革新機構と共同で英洋上風力発電建設の最大手を 買収する、と19日付の日経新聞朝刊が報じた丸紅も高い。これに対し、 グリーやディー・エヌ・エー、ブリヂストン、ソフトバンク、ソニーな どは安かった。

東証1部の売買高は概算で19億5109万株、売買代金は同1兆1144億 円。日本株市場はあすが祝日休場のため、様子見姿勢の強さから2週間 ぶりに20億株を割り込んだ。値上がり銘柄数は881、値下がりは610。

超長期債が堅調

債券相場は続伸。前週の相場急落で利回りが大幅に上昇したことを 受けて、投資家から超長期債などを中心に買いが入った。先物相場は現 物債の堅調な推移を受けて午後の取引終盤にかけて水準を切り上げた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前週末比3銭高の141円25銭で 開始後、141円31銭まで上昇。その後、国内株価が続伸して始まったこ とから、しばらく141円20銭台でもみ合った。しかし、午後2時半過ぎ から買いが膨らむと、一時は141円41銭まで上昇。結局は18銭高の141 円40銭と、この日の高値圏で終えた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回りは 前週末比横ばいの1.045%で始まった。午後に入ると徐々に水準を切り 下げ、3時過ぎには1.5ベーシスポイント(bp)低い1.03%に下げた。長 期金利は前週14、15日と大幅に水準を切り上げ、一時は昨年12月5日以 来の高水準となる1.06%まで上昇していた。

超長期債が堅調。20年物の134回債利回りは2bp低い1.78%まで低 下した。新発20年債利回りは前週、一時1.83%と3カ月半ぶり水準まで 上昇しており、反動の買いが入ったもよう。30年物の36回債利回り は3.5bp低い1.95%に低下。前週末には1.985%と昨年12月初め以来の水 準まで上昇していた。5年物の103回債利回りは1bp低い0.35%。

ドル高一服

東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=83円半ば付近で推 移した。前週末発表された米国の経済指標が予想を下回ったことでドル の上昇が一服。半面、週内に発表される米住宅関連指標やそれを受けた 米金利動向に注目が集まる中、積極的にドル売り・円買いを進める機運 にも乏しく、ドル・円は小幅な値動きとなった。

ドル・円は朝方に一時83円57銭までドルが買われる場面が見られた が、その動きも続かず、午後にかけては83円35銭付近まで伸び悩んだ。 先週は日米金利差拡大を背景に一時84円18銭と約11カ月ぶりの水準まで ドル高・円安が進んでいた。

一方、ユーロ・ドル相場は朝方に一時1ユーロ=1.3187ドルを付 け、前週末に付けた今月13日以来のドル安値に並んだが、その後は1.31 ドル後半でもみ合う展開となった。

雇用や小売りなど予想を上回る米経済指標が相次ぐ中、13日の FOMC(米連邦公開市場委員会)声明では景気判断がやや引き上げら れた。これを受け、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩 和第3弾(QE3)に動くとの観測が後退し、米債券利回りが上昇。ド ル・円と相関性が強いとされる日米2年債利回り格差は先週、昨年7月 以来の水準まで拡大した。

一方、前週末に発表された2月の米消費者物価指数(CPI)は食 品とエネルギーを除いたコア指数が事前予想を下回る伸びとなり、3月 のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数は予想に反し て低下。米指標の下振れを受け、外国為替市場ではドルに売り圧力がか かり、ドル・円は一時83円19銭まで値を切り下げた。

米国の景気・金利動向に注目が集まる中、今週は2月の住宅着工件 数(20日)、中古住宅販売件数(21日)、新築住宅販売件数(23日)な ど住宅関連指標が相次ぐ。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト調査によれば、新築と中古を合わせた住宅販売件数は年率493万 戸と、2010年5月以来の高水準が見込まれている。

また、国内では22日に2月の貿易統計が発表される。ブルームバー グのエコノミスト調査の予想中央値は1200億円の赤字。1月は1兆4769 億円と過去最大の赤字となり、外国為替市場で円売り材料となった。

ドイツのメルケル首相は16日、ユーロ圏諸国の救済に備える資金の 規模拡大に反対ではない姿勢を示唆した。危機拡大阻止のファイアウオ ール(防火壁)強化の決定は4月の国際通貨基金(IMF)会合までに 行われると述べた。ユーロ圏の当局者が明らかにしたところによると、 ユーロ圏諸国の財務相らは30日の会合で、域内債務危機に対応する基金 の規模を合計6920億ユーロ(約76兆円)とすることで合意する可能性が ある。

ユーロ・円相場は朝方に昨年10月末以来、初めて1ユーロ=110円 台を回復し、一時110円15銭までユーロ高・円安が進行。しかし、その 後はユーロが伸び悩み、午後にかけては110円ちょうどを下回る水準で 推移した。

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