OPEC加盟国の米国債投資、他国上回るペース-原油高で

石油輸出国機構(OPEC)加盟国 は他国を50%上回るペースで米国債に投資している。1バレル=100ド ル台の原油相場がもたらした意図せぬ恩恵だ。

米財務省が先週公表したデータによると、OPEC加盟国の米国債 保有高は1月末までの1年間に433億ドル(約3兆6200億円)増えた。 増加率は20%で、OPEC以外の国(13%)を大きく上回っている。ブ ルームバーグのデータによると、原油相場は昨年9月末以降に1バレル 当たり26ドル上昇しており、これが産油国に1日当たり7億8000万ドル の追加利益をもたらしている。

4年連続で1兆ドルを超える見込みの財政赤字を埋めなければなら ないオバマ米政権にとって海外の投資家は重要だ。海外投資家は市場性 のある米国債発行残高の半分に相当する約5兆ドル相当を保有してい る。雇用統計や小売売上高、製造業関連の統計を手掛かりに米国債利回 りは先週、2009年1月以来最大の上昇となったが、OPEC加盟国の購 入が相場の下げを鈍らせるもようだ。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーのチーフ債券ストラテジ スト、ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク州パーチェス在勤)は13日 の電話取材で、「原油相場は3桁台で推移しており、その利益をどこか に投じなければならない」とし、「ドル資産からの分散化はもはや聞か れない。ドル以外に選択肢はない。ドルを抱えているのなら、米国債に 投資することが理にかなうのは当然だ」と述べた。

利回り上昇

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、指標となる10年債 利回りは先週27ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 の2.30%となり、昨年7月1日までの5日間以来で最大の上昇だった。 同年債(表面利率2%、2022年2月償還)の価格は2 11/32下げて97 12/32。

OPEC加盟国は世界の原油の約44%を生産している。米エネルギ ー情報局(EIA)によると、OPECの原油収入は今年1兆1050億ド ルと、昨年の推計1兆100億ドルから増加する見通しだ。昨年は前年比 で30%拡大している。

外国勢で世界最大の米国債保有者である中国からの投資は伸びが鈍 化している。1月までの1年間の米国債保有高は0.42%増の1兆1600億 ドルとこの期間としてはこれまでで最も小幅な増加にとどまった。米財 務省のデータによると、中国の保有高は昨年7月に記録した過去最高の 1兆3100億ドルから減少している。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ・グローバル・アセット・マネジ メントの主任エコノミスト、エリック・ラッセルズ氏は今月の電話取材 で、「OPEC加盟国の投資拡大は米財務省にとっては歓迎すべき動き だ」と述べている。

一方、野村ホールディングスの金利戦略責任者ジョージ・ゴンキャ ルベス氏(ニューヨーク在勤)は、インフレが加速し、利回りが上昇し ない場合、OPEC勢は米国債購入のペースを落とし、高利回り資産へ の投資に切り替えるのではないかとみている。

原題:OPEC Recycles Dollars Into U.S. Debt 50% Faster Than Foreigners(抜粋)

--取材協力:Allison Bennett、Daniel Kruger、Susanne Walker.

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