ドル高一服、対円で83円半ば付近-米国の住宅指標や金利動向に注目

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=83円半ば付近で推移した。前週末発表された米国の経済指 標が予想を下回ったことでドルの上昇が一服。半面、週内に発表される 米住宅関連指標やそれを受けた米金利動向に注目が集まる中、積極的に ドル売り・円買いを進める機運にも乏しく、ドル・円は小幅な値動きと なった。

ドル・円は朝方に一時83円57銭までドルが買われる場面が見られた が、その動きも続かず、午後にかけては83円35銭付近まで伸び悩んだ。 先週は日米金利差拡大を背景に一時84円18銭と約11カ月ぶりの水準まで ドル高・円安が進んでいた。

大和証券投資情報部担当部長の亀岡裕次氏は、「前週末の米指標が 弱めに出たりということで、今週は3月前半に買われたドルや上昇した 米金利の動きは一服する週ではないか」と予想。もっとも、成長率など 日米のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)格差は「金利差の拡 大につながる」とし、基本的な流れはまだドル高・円安方向とみてい る。

一方、ユーロ・ドル相場は朝方に一時1ユーロ=1.3187ドルを付 け、前週末に付けた今月13日以来のドル安値に並んだが、その後は1.31 ドル後半でもみ合う展開となった。

FOMC以降のドル高一服

雇用や小売りなど予想を上回る米経済指標が相次ぐ中、13日の FOMC(米連邦公開市場委員会)声明では景気判断がやや引き上げら れた。これを受け、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩 和第3弾(QE3)に動くとの観測が後退し、米債券利回りが上昇。ド ル・円と相関性が強いとされる日米2年債利回り格差は先週、昨年7月 以来の水準まで拡大した。

一方、前週末に発表された2月の米消費者物価指数(CPI)は食 品とエネルギーを除いたコア指数が事前予想を下回る伸びとなり、3月 のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数は予想に反し て低下。米指標の下振れを受け、外国為替市場ではドルに売り圧力がか かり、ドル・円は一時83円19銭まで値を切り下げた。

三菱東京UFJ銀行金融市場部の内田稔シニアアナリストは、 「2014年遅くまで低金利政策が正当化されるという1月のFOMCの決 定とその後の改善を示す米指標のギャップがドル買いにつながっていた が、米2年債利回りも0.4%台が定着できず、先週半ばまでのドル高の 若干の調整余地はある」と指摘。ただ、ドル・円は調整なく上がってき たため、「押し目買い意欲もかなり強いとみられ、大きな下落は予想し にくい」と話す。

米住宅指標と日本の貿易収支

米国の景気・金利動向に注目が集まる中、今週は2月の住宅着工件 数(20日)、中古住宅販売件数(21日)、新築住宅販売件数(23日)な ど住宅関連指標が相次ぐ。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコ ノミスト調査によれば、新築と中古を合わせた住宅販売件数は年率493 万戸と、2010年5月以来の高水準が見込まれている。

また、国内では22日に2月の貿易統計が発表される。ブルームバー グのエコノミスト調査の予想中央値は1200億円の赤字。1月は1兆4769 億円と過去最大の赤字となり、外国為替市場で円売り材料となった。

内田氏は、貿易収支について「1月よりはかなりいいはずだが、赤 字が出ると少額であっても必要以上に円安要因として意識される可能性 があるので警戒が必要」と指摘。一方、大和証券の亀岡氏は、「中国要 因で輸出が伸びたりする可能性もなきにしもあらずで、予想外に例えば 黒字となったりすれば円買い材料にされ得る」とみている。

ドイツのメルケル首相は16日、ユーロ圏諸国の救済に備える資金の 規模拡大に反対ではない姿勢を示唆した。危機拡大阻止のファイアウオ ール(防火壁)強化の決定は4月の国際通貨基金(IMF)会合までに 行われると述べた。ユーロ圏の当局者が明らかにしたところによると、 ユーロ圏諸国の財務相らは30日の会合で、域内債務危機に対応する基金 の規模を合計6920億ユーロ(約76兆円)とすることで合意する可能性が ある。

ユーロ・円相場は朝方に昨年10月末以来、初めて1ユーロ=110円 台を回復し、一時110円15銭までユーロ高・円安が進行。しかし、その 後はユーロが伸び悩み、午後にかけては110円ちょうどを下回る水準で 推移した。

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