3月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。各市場の終わりに英文記事へのリンクが付いています。

◎NY外為:ドル下落、CPIで米金融政策変化なしとの見方

ニューヨークの外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して 下落。米消費者物価指数の統計内容を受けて米金融当局が現在の政策 を維持するとの見方が広がった。

ドルは対ユーロで下落。2月のエネルギーと食品を除く消費者物価 指数(CPI)は市場予想を下回る伸びだった。ノルウェー・クローネ は原油高を手掛かりに上昇した。円はドルに対して週間ベースで6週連 続の下げ。英10年債利回りが週間ベースで3年ぶりの大幅上昇をつけ たことが材料視されポンドが上昇した。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、ボ リス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は、「この日はドルに調 整が入った。CPIが失望を誘い、消費者マインド指数も若干の弱さが 見られ、利回りは統計発表後から下げた」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.7%下げて 1ユーロ=1.3175ドル。週間では0.4%下落。ドルは対円で0.2% 安の1ドル=83円43銭。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数 によると、円は過去1カ月間で5.6%下落した。

2月の米CPI

米労働省が発表した2月のCPI(季節調整済み)は前月比

0.4%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予 想中央値と一致した。食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比

0.1%上昇と予想を下回った。

シティグループの通貨ストラテジスト、アンドルー・コックス氏は CPIについて、「米金融当局の指摘するインフレは抑制された状態が 続くとの見方を裏付けるものであり、今後数カ月間の追加金融緩和の可 能性に関し、投資家の見方を変えるかもしれない」と述べた。その上 で、「月間ベースのCPI統計では、市場での短期的なドルに対するロ ングポジションを払い落とすほどではない」と続けた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.5%安の79.778。

商品先物取引委員会(CFTC)が発表したヘッジファンドなどの 大口投資家による建て玉明細によると、13日に終了した週にドルのネ ットロング(買い越し)は1万2770枚。前週は2万1521枚だった。

FOMCのインフレ見通し

米連邦公開市場委員会(FOMC)は13日、フェデラルファンド (FF)金利誘導目標を0%から0.25%のレンジで据え置くことを決 定し、声明で「少なくとも2014年遅くまではFF金利の異例な低水 準を正当化する可能性が高いと現在想定している」と表明した。FF金 利の誘導目標は2008年12月以降、変化していない。

FOMCは「インフレはここ数カ月抑制されているが、原油および ガソリンの価格はこのところ上昇している」と指摘した上で、「このと ころの原油およびガソリンの値上がりはインフレを一時的に押し上げる ものの、その後はインフレはFOMCの2つの責務に最も一致している と委員会が判断する水準、もしくはそれを下回る水準で推移するとみて いる」と続けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した2月の鉱工業生産指 数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)は前月比で ほぼ変わらず。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値 は0.4%上昇だった。

3月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は74.3と、前月の75.3から低下した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は76.0への上昇 だった。

◎米国株:ダウ小反落、インフレ懸念で-S&P500小高い

16日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が小幅ながら8日 ぶりに下落した。原油価格の大幅高や消費者物価の上昇を背景に、景気 改善に伴うインフレ懸念が高まったことが手掛かり。

S&P500種の主要10業種ではエネルギー株の上げが著しい。 石油・ガス掘削業者、ノーブルや天然ガス生産のチェサピーク・エナジ ーが高い。燃料価格の上昇見通しを受け、ブルームバーグ米航空株指数 は3%下落した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は高い。4日間 で23%急伸した。米アップルは前日からほぼ変わらず。同社は16日、 タブレット型端末「iPad(アイパッド)」の新機種を発売した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1404.17。週間ベー スでは2.4%高と、今年最大の上昇率となり、5週連続高を記録した。 ダウ平均は20.14ドル(0.2%)下げて13232.62ドル。この日の 米取引所の出来高概算は81億株。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズで約146億ドル相当 の資産運用に携わるマデリン・マトロック氏は、「原油価格が背後で懸 念をあおっている」と指摘。「状況は緩慢ながら一定のペースで改善し ているが、原油価格が急騰するようなことになれば話は別だ」と述べた。

「高所恐怖症」

主な株価指数は終日、小動きとなった。2月の米消費者物価指数 (CPI)はガソリン高騰の影響で10カ月ぶりの大幅上昇。3月の米 消費者マインド指数は市場予想に反して低下。燃料価格の上昇が景況感 を圧迫し始めていることが示唆された。ガイトナー米財務長官は前日、 石油価格の上昇について「われわれが依然として危険で不確実な世界と 直面していることを示している」と述べた上で、ガソリン価格を引き下 げる簡単な解決策は存在しないと指摘した。

予想を上回る経済統計や企業決算を背景に、S&P500種は年初 来で12%高と、第1四半期としては依然として1998年以来の好調さ で推移している。同指数の株価収益率(PER、実績ベース)は14.5 倍と昨年7月以来の高水準だが、1954年以降の平均である16.4倍 は下回っている。

ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのチーフ株式スト ラテジスト、ジョン・マンリー氏(ニューヨーク在勤)は、S&P 500種が08年以来の高値に上げたことに対する投資家心理を、「高 所恐怖症気味になっている」と表現した。「相場はここにきてかなり急 速に上げた。ところがこれまでの景気の見方は、緩慢にわずかずつ改善 を遂げるというものだった」と続けた。

エネルギー株が高い

原油先物が1バレルあたり107ドルを超えたことに反応し、エネ ルギー株は上昇。一方で航空株は下げた。ノーブルは4.8%高。チェ サピークは2.5%、米エクソンモービルは0.4%それぞれ上昇した。 一方、USエアウェイズ・グループは5.7%下落。ユナイテッド・コ ンチネンタル・ホールディングスも2.2%安で取引を終えた。

S&P500種の金融株指数は0.3%上昇。今週に入りJPモルガ ン・チェースなど米大手銀が増配を発表したことが買い材料となってい る。BOAは6.1%急伸し、ダウ平均銘柄で上昇率首位。

アップルは前日とほぼ変わらずの585.57ドルで引けた。前日は 一時、600ドルを超える場面も見られた。7日に発表された新型iP adがこの日発売を迎えた。

◎米国債:10年債下落、週間では8カ月ぶり大幅安

米国債市場では10年債が下落。週間ベースでの下げ幅は過去8 カ月で最大となった。2月の米消費者物価指数(CPI)が上昇した ことを背景に、景気が強さを増すなかでインフレ加速への懸念が強ま った。

デリバティブ(金融派生商品)のトレーダーらは、米連邦公開市 場委員会(FOMC)による政策金利の引き上げが2014年終盤より も1年早まるとの見方を強めている。FOMCが13日の声明で景気 判断を上方修正したことが背景にある。10年債と同年物インフレ連 動債(TIPS)の利回り格差は2.41ポイントと、昨年8月以来の 最大に拡大。物価上昇に備えたヘッジの動きが強まった。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーダー、ショーン・マーフィ ー氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標は十分に力強いため、金融当 局による一段の支援は正当化されない」と指摘。「今の環境が特に米 国債の支えになるとは思えない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.3%。同年債(表面利率2%、2022年2 月償還)価格は4/32下げて97 12/32。同利回りは週間では27b p上昇と、昨年7月1日終了週以来の大幅な上昇となった。

米国債は取引終盤で下げ渋る展開となった。10年債利回りの相対 力指数(RSI、期間14日)は72.8と、上昇の行き過ぎを示唆し た。同指数が70を上回ると、利回りが近く反転する可能性があること を示唆する。

「来年の利上げ必要」

米リッチモンド連銀のラッカー総裁は15日、インフレ抑制に向け 恐らく来年には利上げが必要になるとの見通しを示した。

FOMCは13日の声明で、借り入れコスト低下に向けた新たな行 動には踏み切らなかった一方、労働市場は一段と改善していると指摘。 経済状況は、少なくとも2014年遅くまではフェデラルファンド(F F)金利の異例な低水準を正当化する可能性が高いとの見解を示した。

ブルームバーグがまとめた15日時点のデータによると、オーバー ナイト・インデックス・スワップ(翌日物金利と固定金利を交換する取 引、OIS)金利先物の動向では、2013年9-10月ごろにFF実行 レートの0.25ポイント上昇が示唆されている。先月時点の動向では、 同実行レートの上昇は2014年初めまで見込まれていなかった。

RBSセキュリティーズの短期市場・先物・オプション戦略の責任 者、ジム・リー氏は「市場は過去数週間、フォワードレートはあまりに も動きが小さく、レートは概して低過ぎると考えていた」と述べた。

インフレ見通し

米労働省が発表した2月の消費者物価指数は前月比0.4%上昇。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値と一致 した。前月は0.2%上昇した。食品とエネルギーを除いたコア指数は 前月比0.1%上昇と予想(0.2%上昇)を下回った。

消費者物価の見通しを示す10年債と同年物TIPSの利回り格差 は1bp拡大の2.4ポイント。一時は昨年8月2日以来の最大となる

2.41ポイントとなった。

相場のボラティリティ(変動性)は前日に2カ月ぶり高水準から低 下。指標とされるBOAメリルのメリル・オプション・ボラティリテ ィ・エスティメート(MOVE)指数は83.4bpに低下した。14日 には1月3日以来の高水準となる89.7bpに達していた。

◎NY金先物:反落、インドの関税引き上げ発表で-週間でも下落

ニューヨーク金先物相場は反落。インドが貴金属の輸入関税引き 上げを発表したことを嫌気し、売りが出た。世界最大の金現物購入国 であるインドの関税引き上げは今年2度目。

インドのムカジー財務相は16日の議会での予算演説で、金塊お よびコイン、プラチナに対する関税を4月1日から4%に引き上げる と発表した。現在は2%。金相場は週間ベースでも下落した。米連邦 公開市場委員会(FOMC)が13日の声明で景気判断を引き上げ、 労働市場の改善に言及。追加緩和期待が後退したことが金売りを誘っ た。

キトコ・メタルズ(モントリオール)のアナリスト、ジョン・ナ ドラー氏は電話インタビューで、「相場はインドのニュースに反応し ている。これは価格を押し下げるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比0.2%安の1オンス=1655.80ドルで終了した。週 間では3.3%安。年初からは5.7%上げている。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反発。約3週間ぶりの大幅高となっ た。世界最大の原油消費国である米国の景気回復に伴い、燃料需要が 高まるとの観測が広がった。

米鉱工業生産指数は前月比でほぼ変わらずとなったものの、前月 はプラスに上方修正された。2月の米消費者物価指数(CPI)は食 品とエネルギーを除いたコア指数が0.1%上昇と市場予想を下回り、 米金融当局にとってはインフレ抑制に向けた金利引き上げを急ぐ根拠 が弱まった。

PNCキャピタル・アドバイザーズの原油アナリスト、ポール・ クロボ氏(フィラデルフィア在勤)は「米経済が成長するにつれて、 需要は拡大し価格は上昇、需給は逼迫(ひっぱく)するだろう」と指 摘。「相場には引き続き上向きのバイアスがかかっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比1.95ドル(1.86%)高の1バレル=107.06ドルで終了。終値 では9日以来の高値となり、先月21日以来の大幅上昇となった。週 間では0.3%の下落。

◎欧州株式市場

16日の欧州株式相場は4日続伸。ストックス欧州600指数は昨 年7月以来の高値を更新した。保険株が買われた。米国でこの日発表さ れた3月の消費者マインド指数は市場予想に反して前月から低下したが、 売り材料とはならなかた。

オフショア油田サービス会社サブシー7は前日比5.3%の値上が り。特別配当と自社株買いの発表が好感された。英タロー・オイル は3.9%高。同社はガーナ沖に石油を発見したと発表した。独保険ア リアンツも高い。保険株は米国債利回りの上昇を手掛かりに買いが進ん だ。

ストックス欧州600指数は前日比0.5%高の272.4で終了。昨 年7月8日以来の高水準となった。週間では2.6%高、年初来では 11%値上がりしている。

INGインベストメント・マネジメントのシニアストラテジスト、 パトリック・ムーネン氏はブルームバーグテレビジョンのインタビュー で、「まだ上昇の余地がある」と指摘。「多くの投資家はまだ慎重な取 引をしており、投資の対象をディフェンシブ銘柄やディフェンシブな資 産クラスから株式に振り向け始めたばかりだ」と説明した。

この日の西欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇 した。アリアンツは1.6%高。他の保険株では仏アクサと英最大のプ ルーデンシャルがそれぞれ1.9%と1.5%の値上がりだった。

◎欧州債券市場

16日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。週間ベースでは昨年 11月以降で最大の下げとなった。米景気が勢いを得ているほか、欧州 債務危機が収まりつつあるとの見方を背景に、世界的に国債が売られる 展開となった。

ドイツ2年債利回りは3カ月ぶり高水準を付けた。欧州金融安定フ ァシリティー(EFSF)のクラウス・レグリング最高経営責任者 (CEO)は、域内の債務危機封じ込めの取り組みが奏功しているほ か、来週に3回の起債を計画していると語った。

アイルランド国債も軟調。同国の今年の成長率見通しが来月の政府 による見直しの際、引き下げられるとの見方をヌーナン財務相が15日 に示したことが手掛かり。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、ピーター・チ ャットウェル氏(ロンドン在勤)は「米国を中心とした要因でドイツ国 債が売りを浴びた」と述べ、「低金利が長期化するとの見方がやや後退 しつつある。市場の観測が変わり始めており、これで長期債利回りがお しなべて上昇した」と続けた。

ロンドン時間午後4時34分現在、ドイツ10年債利回りは前日比 9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.05%。昨年 12月13日以来の高水準となる2.07%まで上げる場面もあった。週 間ベースでは26bp上昇し、11月25日終了週以降で最大の上げ。 同国債(表面利率2%、2022年1月償還)価格はこの日、0.7下げ

99.58。

ドイツ2年債利回りは前日比5bp上昇の0.33%。一時は

0.36%に達し、昨年12月7日以来の高水準を付けた。

◎英国債市場

16日の英国債相場は下落。10年債利回りは週間ベースでここ3 年で最大の上げとなった。米国でインフレ加速の兆候が高まったことを 受け、世界中で国債が売られる展開となった。

英10年債利回りはこの日、昨年10月以来の高水準を付けた。ユ ーロ圏のソブリン債危機が和らぎつつあるとの観測から、安全投資を求 める動きが後退した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ス タメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「米経済データが好調なほ か、ユーロ圏の脅威が後退しつつあり、中核国の国債から投資資金がシ フトした結果、リスク意欲が改善しているようだ」と述べ、「英国債に 対してもっと慎重な姿勢を取るよう投資家に勧めている」と続けた。

ロンドン時間午後4時41分現在、10年債利回りは前日比8ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.45%。昨年10月 31日以来の高水準となる2.49%まで上昇する場面もあった。同国債 (表面利率4%、2022年3月償還)価格はこの日、0.735下げ

113.66。今週は29bp上げ、2009年1月23日終了週以降で最大 の上昇となった。

30年債利回りは前日比6bp上げ3.49%。一時は3.52%に達 し、10月28日以来の高水準となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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