米国10年債下落、週間では8カ月ぶり大幅安-インフレ懸念で

米国債市場では10年債が下落。週間 ベースでの下げ幅は過去8カ月で最大となった。2月の米消費者物価指 数(CPI)が上昇したことを背景に、景気が強さを増すなかでインフ レ加速への懸念が強まった。

デリバティブ(金融派生商品)のトレーダーらは、米連邦公開市場 委員会(FOMC)による政策金利の引き上げが2014年終盤よりも1年 早まるとの見方を強めている。FOMCが13日の声明で景気判断を上方 修正したことが背景にある。10年債と同年物インフレ連動債 (TIPS)の利回り格差は2.41ポイントと、昨年8月以来の最大に拡 大。物価上昇に備えたヘッジの動きが強まった。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーダー、ショーン・マーフィー 氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標は十分に力強いため、金融当局に よる一段の支援は正当化されない」と指摘。「今の環境が特に米国債の 支えになるとは思えない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.3%。同年債(表面利率2%、2022年2月償還) 価格は4/32下げて97 12/32。同利回りは週間では27bp上昇と、昨年7 月1日終了週以来の大幅な上昇となった。

米国債は取引終盤で下げ渋る展開となった。10年債利回りの相対力 指数(RSI、期間14日)は72.8と、上昇の行き過ぎを示唆した。同指 数が70を上回ると、利回りが近く反転する可能性があることを示唆す る。

「来年の利上げ必要」

米リッチモンド連銀のラッカー総裁は15日、インフレ抑制に向け恐 らく来年には利上げが必要になるとの見通しを示した。

FOMCは13日の声明で、借り入れコスト低下に向けた新たな行動 には踏み切らなかった一方、労働市場は一段と改善していると指摘。経 済状況は、少なくとも2014年遅くまではフェデラルファンド(FF)金 利の異例な低水準を正当化する可能性が高いとの見解を示した。

ブルームバーグがまとめた15日時点のデータによると、オーバーナ イト・インデックス・スワップ(翌日物金利と固定金利を交換する取 引、OIS)金利先物の動向では、2013年9-10月ごろにFF実行レー トの0.25ポイント上昇が示唆されている。先月時点の動向では、同実行 レートの上昇は2014年初めまで見込まれていなかった。

RBSセキュリティーズの短期市場・先物・オプション戦略の責任 者、ジム・リー氏は「市場は過去数週間、フォワードレートはあまりに も動きが小さく、レートは概して低過ぎると考えていた」と述べた。

インフレ見通し

米労働省が発表した2月の消費者物価指数は前月比0.4%上昇。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値と一致し た。前月は0.2%上昇した。食品とエネルギーを除いたコア指数は前月 比0.1%上昇と予想(0.2%上昇)を下回った。

消費者物価の見通しを示す10年債と同年物TIPSの利回り格差は 1bp拡大の2.4ポイント。一時は昨年8月2日以来の最大となる2.41 ポイントとなった。

相場のボラティリティ(変動性)は前日に2カ月ぶり高水準から低 下。指標とされるBOAメリルのメリル・オプション・ボラティリテ ィ・エスティメート(MOVE)指数は83.4bpに低下した。14日には 1月3日以来の高水準となる89.7bpに達していた。

原題:Treasuries Post Biggest Weekly Drop in Eight Months Amid Growth(抜粋)

--取材協力:Liz Capo McCormick、Emma Charlton.

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