独首相:ESM上限上げ拒否-EFSFとの組み合わせは協議

ドイツのメルケル首相は、ユーロ圏 諸国の救済に備える資金の規模拡大に反対ではない姿勢を示唆した。危 機拡大阻止のファイアウオール(防火壁)強化の決定は4月の国際通貨 基金(IMF)会合までに行われると述べた。

メルケル首相はユーロ圏の財務相らが30日のコペンハーゲンでの会 議を前に、恒久的なユーロ圏救済基金である欧州安定化メカニズ( ESM)と暫定基金の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を組み 合わせる可能性を協議したと明らかにした。

また、ユーロ圏の当局者は、基金の合計規模を6920億ユーロ(約75 兆7000億円)とすることで財務相らが合意する可能性があると述べた。

メルケル首相は16日ミュンヘンで記者団に、「明白なのは、IMF の春の会合を視野にわれわれが姿勢を決めなければならないということ だ。なぜならば、ファイアウオール強化は当然議題に上るし、IMFの 危機対応資金の増額に関して国際社会から貢献の申し出があるからだ」 と語った。「3月末までにわれわれが方針を決めると信頼してもらって よい」と付け加えた。

財務相らはアイルランドとポルトガル、ギリシャ向け救済プログラ ムを実行しているEFSFと後継基金のESMの扱いについて検討して いる。基金の合計規模は危機が悪化した場合にユーロ圏諸国が拠出する 用意のある金額を示すことになり、他の諸国が危機への世界的な対応と して貢献する額を左右する。

ESM上限引き上げは反対

当局者によると、6920億ユーロは最も実現の可能性が高い数字。他 の選択肢も依然検討されており、救済基金の規模として想定される最低 は5000億ユーロ、最高は9400億ユーロだという。

メルケル首相は通商・産業界の代表との会議後に語り、ESMの上 限を5000億ユーロから引き上げることについてはあらためて反対を表 明。拡大の可能性はないと言明した。財界の指導者らは「無制限な恒久 的救済基金を望まない」ことを首相に伝え、首相自身も同意したと語っ た。ESMの上限が堅持されることは極めて重要だと強調した。

財務相会合で新たな合意がなければ、ESMの上限である5000億ユ ーロが危機拡大に対するファイアウオールの最大規模となる。ただし、 ESM発足と同時にEFSFを閉鎖すれば、拠出可能額は実質これを下 回ることになる。EFSFが既にアイルランドとポルトガル、ギリシャ 救済プログラムに1920億ユーロを約束しているためだ。

このため、ESMを5000億ユーロ規模で発足させ、アイルランドと ポルトガル、ギリシャ救済プログラムはEFSFが続行、EFSF資金 の未使用部分は解消する案が浮上し、この場合の合計規模が6920億ユー ロになるという。

また、EFSFの未使用の2480億ユーロを少なくとも2013年6月ま で利用可能にすれば、合計は9400億ユーロとなる。当初はESMから EFSFへの移行が同時期に予定されていた。未使用の2480億ユーロを それまで利用可能にする案と、政治判断によって必要な場合に復活させ る道を残す案が検討されているという。

米国をはじめ世界各国は国際通貨基金(IMF )の危機対応の原 資増額について決定を手控えており、ユーロ圏は一段の自助努力を迫ら れている。

原題:Merkel Leaves Door Open to Combining Euro-Area Bailout Funds(抜粋)

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