野村HDを「Baa3」に格下げ-ムーディーズ

米格付け会社ムーディーズ・インベ スターズ・サービスは15日、野村ホールディングス(HD)の格付けを 従来の「Baa2」から「Baa3」に1段階引き下げた。ムーディー ズは世界的な競争で、同社の収益性に疑問が生じていると指摘した。

ムーディーズの発表資料によると、格下げの結果、野村の長期債務 格付けは投資適格級で最低となった。ムーディーズは格付け見通しを 「ステーブル(安定的)」としている。

ムーディーズは昨年11月に野村の格付けを引き下げ方向で見直すと 発表していた。今回の格下げにより、野村は借り入れコストが上昇する 可能性があるほか、デリバティブ(金融派生商品)取引でカウンターパ ーティー(取引相手方)に差し出す担保の増額を余儀なくされる公算が ある。野村は現在、経費の12億ドル(約1000億円)削減に取り組んでい る。同社は2008年の世界的な金融危機の際にリーマン・ブラザーズ・ホ ールディングスのアジア・欧州事業を取得して以来、経費増大に苦しん でいた。

ムーディーズは発表資料で、「世界の同業他社と比較して国際的な 資本市場での低いシェアを考慮すると、野村の同市場における活動の長 期的な立場と収益性に依然不確実性が残る」と説明した。

これを受け野村は、格下げは残念だと表明。「リテール、アセッ ト・マネジメント、ホールセールの各部門において盤石なビジネス基盤 を保持するとともに、厚い自己資本と高い流動性を擁している」と述べ た。

ムーディーズは現在、世界の大手金融機関をめぐり検証を進めてい る。同社は2月15日、借り入れコストの増大や規制による負担増、収益 性低下を理由に野村を含む世界の銀行・証券会社17社の格付けを引き下 げる可能性があることを明らかにした。

マッコーリーも格下げ

ムーディーズは3月15日、オーストラリア最大の投資銀行マッコー リー・グループの格下げも発表。「現在も続く収益の課題」を理由に 「A2」から「A3」に1段階引き下げた。

ムーディーズは、ゴールドマン・サックス・グループなどウォール 街の大手金融機関の格付けを野村よりも高くしている。ゴールドマンの 格付けは上から5番目の「A1」。フランス最大の銀行、BNPパリバ は、欧州債務危機を背景に資金調達コストが上昇した後、昨年12月に格 付けを「Aa3」に引き下げられた。

ムーディーズは4カ月前に大和証券グループ本社の格付けも「Ba a3」に下げていた。

ムーディーズの上級バイスプレジデント、エリザベス・ラドマン氏 は発表資料で、「野村の経営陣は国際的な投資銀行業務に一段と重点を 置こうとしている。これは、この数年間、同社がさまざまな形で探って きた戦略だ。しかし、国際的な資本市場プラットホームにおける同社の 競争上の立場を考慮すれば、われわれは『Baa3』がこれらのリスク をより良く反映すると考える」と説明した。

原題:Nomura Debt Rating Cut by Moody’s to Lowest Investment Grade (1)(抜粋)

--取材協力:Russell Ward、Nathaniel Espino.

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