日本株は安く始まる、円安・ドル高に一服感-原油軟調も影響

東京株式相場は4日続伸。米国で堅 調な経済指標が相次ぎ、景気回復期待が継続していることから、海運や 銀行、電機などの輸出関連の一角が上昇。個別では、業績予想を上方修 正した日立製作所や増配を発表した川崎重工業が買われた。

一方、相場の過熱感や為替市場での円安・ドル高基調の一服を受け て、短期的な上昇が目立っていた輸送用機器やゴム製品、その他金融な どは売りに押され、日経平均株価は前日の終値を挟んでもみ合う展開だ った。

TOPIXの終値は前日比3.12ポイント(0.4%)高の866.73、日 経平均株価は同6円55銭(0.06%)高の1万129円83銭。TOPIX はきょうの高値引け。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「米国 の金融緩和による流動性相場が日本株も支える構図になっている」と指 摘。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はマーケットを 支えるという強い意志を感じるとしており、「短期的には上昇トレンド は続く」と予想する。

米国では15日、堅調な経済指標の発表が相次いだ。米労働省が発表 した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週から1万40 00件減少して35万1000件と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想中央値35万7000件を下回った。また、米フィラデルフ ィア連銀が発表した3月の同地区製造業景況指数は12.5と、前月の

10.2から上昇した。

米景気回復期待を背景に、東証1部業種別33指数では海運、空運、 電機、非鉄金属、銀行、証券・商品先物取引、鉄鋼、化学、機械、精密 機器、保険など、輸出関連や金融の一角、素材が上昇率上位に並んでい る。上昇率1位の海運は、ばら積み船の国際運賃市況であるバルチック ドライ海運指数は16日続伸中で、市況の底入れ・回復が業績に及ぼす好 影響が期待された。

個別では、川崎重工が高い。12年3月期末配当を従来予想の4円か ら5円に引き上げると15日に発表しており、増配を素直に好感する買い が膨らんだ。また、米ウェスタン・デジタルへのハードディスクドライ ブ事業の売却益が従来予想を上回ったとして、2012年3月期の連結純利 益予想を従来に比べ40%増額し、2800億円になるとの見通しを発表した 日立が52週高値更新。

一方、16日朝の東京外国為替市場では、円安基調がやや一服。前日 に一時1ドル=84円台まで円安に振れていたドル・円相場は1ドル=83 円台中盤まで戻している。また、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比 を示す騰落レシオ(25日移動平均)は15日、132%と相場の過熱圏入り を示す120%を24日連続で超えた。

業種別ではゴム製品やその他金融、輸送用機器など、3月に入り上 昇が目立っていた業種が下落率の上位に来ており、相場の短期的な過熱 感や円安・ドル高基調の一服を受けて、目先の損益を確定する売りが膨 らみ、相場の上値を抑えた。3月に入ってからの東証1部33業種の上昇 率上位は、その他金融が7.9%、ゴム製品が6.2%、輸送用機器は5.7% などとなっていた。下落率1位のゴム製品に関しては、天然ゴム生産国 協会が世界の天然ゴムの不足が今年、拡大するとの見通しを示したこと も懸念材料となった。

個別では、SMCが軟調。シティグループ証券投資判断を「買い」 から「中立」に引き下げた。同証では、円安とマクロ経済環境の好転が 業績面のプラス材料だが、在庫圧縮のために減産すれば粗利益率に下げ 圧力かかると懸念している。また、オーエスジーが急落。設備投資と借 入金返済のため、海外市場で年限10年の新株予約権付社債を発行すると 発表。潜在株式数の増加を嫌気した売りが出ている。

東証1部の売買高は概算で22億4万株、売買代金は1兆3059億円、 値上がり銘柄数は975、値下がりは531。国内新興市場は、ジャスダック 指数が前日比0.1%高の53.40と7日続伸、東証マザーズ指数が同0.3% 高の382.27と反発した。

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