債券反発、米債安一服や金利急騰の反動で-先物一時8カ月ぶり安値

債券相場は反発。米国債相場の下 げが一服したことや前日までの相場急落で利回りが大幅に上昇して水 準感からの買いが優勢だった。もっとも、午後には現物債などへの売 りで先物相場が8カ月ぶりの安値圏に達する場面もあった。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グルー プ長は、「きのう、おとといと円安・株高を受けて、リスク選好の動き が強まり、債券相場は想定以上に急落したので、朝方は買い戻しが入 った」と説明。しかし、上値を追いにくくなった印象が強くなり、午 後は伸び悩んだとも話している。

東京先物市場で、中心限月6月物は前日比13銭高の141円21銭 で取引を開始し、いったんは141円49銭まで上昇した。しかし、午後 1時半過ぎから水準を切り下げ、一時は9銭安の140円99銭まで下落 し、中心限月で昨年7月11日以来の141円割れを記録した。その後は やや戻して、結局は14銭高い141円22銭で引けた。

6月物の日中売買高は6兆1217億円となり、中心限月で2008年 4月25日以来の高水準となった15日(6兆6634億円)に続いて、連 日で6兆円台に乗せた。

先物は14、15日の2営業日で1円40銭程度の下げ幅を記録した。 みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは「大きく売られ 過ぎた反動で買いが先行し、相場は反発。きのう5年債も売られ過ぎ た感じだったほか、先物は持ち高調整の売りを浴びていた」と話して いた。

もっとも、相場は一時下げに転じるなど不安定な展開が続いた。 SMBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、「低位安定 のよりどころとなっていた米10年金利の低位安定相場の潮目が変わ った。円安・株高トレンドはそう簡単に崩れそうにない。円債市場の センチメントが急激に悪化する中、買い材料は水準感しかない。押し 目買いが先行するものの、自律反発の域を出ない」との見方を示して いた。

長期金利一時1.03%

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は同2ベーシスポイント(bp)低い1.035%で開始。直後に1.03%まで 低下したが、午後に入ると徐々に水準を切り上げ、2時過ぎには0.5bp 低い1.05%まで低下幅を縮めた。その後は1.045%で推移している。

5年物の103回債利回りは午前に2bp低い0.345%に下げていた が、午後に入ると0.375%まで上昇。前日に付けた新発5年債利回り として3カ月半ぶりの高い水準に並んだ。その後は0.5bp低い0.36% で取引されている。30年物の36回債利回りは2.5bp高い1.985%に上 昇。3カ月半ぶりの高水準を付けた。

15日の米国債相場は下げを消す展開。米10年債利回りはほぼ横 ばいの2.27%程度。一時は2.34%と約4カ月半ぶりの高い水準を付け たが、その後は買いが優勢になった。一方、米株相場は上昇。S&P 500種株価指数はほぼ4年ぶりに1400台に乗せた。ニューヨーク連銀 管轄地区の製造業活動を示す指数が予想に反して上昇したほか、新規 失業保険申請件数が減少したことが手掛かり。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、「きのう大きく売られて行き過ぎ感が出ていたが、海外市場で債券 相場が落ち着いたことで、買い戻しが入っている。来週も先物中心に 売られやすいリスクが残るだろう」と話した。

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