日銀議事要旨:長期的には物価上昇めど1%上回る可能性-複数委員

日本銀行は16日午前、2月13、14日 に開いた金融政策決定会合の議事要旨を発表した。それによると、何人 かの委員が、当面目指す物価上昇率は1%としながらも、より長い目で 見た場合には、同上昇率は「1%を上回る水準に高まる可能性」があ る、と述べたことが分かった。

日銀は2月会合でこれまでの「物価安定の理解」に替えて「物価安 定の目途(めど)」を導入。当面、消費者物価指数(CPI)の前年比 上昇率1%を目指し、それが見通せるまで「強力に金融緩和を推進して いく」と表明した。

目指すべき物価上昇率について、複数の委員は「『1-2%』とい う表現も一案である」と指摘。ある委員は「為替相場が長期トレンドと して一方向に傾くことがないよう、長期的には主要国の多くと共通の物 価上昇率を目指す必要があり、現状それは『2%』である」と語った。 これに対し、別の委員は「わが国が直面している経済状況は海外主要国 と異なることから、必ずしもこれらの国と同じ水準まで目指すべきこと にはならない」と述べた。

「物価安定のめど」について、大方の委員は「日銀の物価安定に関 する基本的な姿勢は変わらない」と述べた。一方で、何人かの委員は 「見直し後の表現であれば、日銀として、今後も必要に応じて追加的な 手段を講じていく姿勢にあることがより分かりやすい」と語った。

「目標」では機械的な印象

これまでの「物価安定の理解」を「めど」に替えることについて、 多くの委員は「これまでの『理解』という言葉の語感からは、日銀が受 け身的に経済物価情勢の改善を待っているかのような印象を受けがちで あり、能動的に達成を目指す姿勢が伝わりづらい」との認識を示した。 また、何人かの委員は「『目標』は一定の物価上昇率を維持するため に、短期的な物価の振れに対して機械的な政策運営を行う印象を与えが ちである」と述べた。

その上で、委員は「中長期的に持続可能な物価安定と整合的な物価 上昇率について、『中長期的な物価安定のめど』と呼ぶことが適当」と の見解で一致し、英語表現は『The price stability goal in the medium to long term』とすることが相応(ふさわ)しい」との認識を 共有した。

日銀は物価安定の目途を公表するのと併せて、資産買い入れ等基金 を「55兆円」から「65兆円」に拡大し、10兆円の長期国債を買い増すこ とを全員一致で決定した。委員は「政策運営に関する情報発信の在り方 の見直しに併せて、一段の金融緩和強化策を講じることが、日銀の政策 姿勢の明確化を行動で裏付け、その効果を高める観点から望ましい」と いう認識で一致した。

前向きな動きを支援

また、委員は「このタイミングで金融緩和の強化策を講じること は、先行きの内外経済の不確実性がなお大きい中で、最近みられている 前向きの動きを金融面からさらに強力に支援し、わが国経済の緩やかな 回復経路への復帰をより確実なものとする観点からも重要である」との 考え方を共有した。

具体的手段については、大方の委員は「日銀の政策姿勢の明確化を 行動で裏付ける観点から、10兆円程度という思い切った規模の増額を行 うことが適当」との見解を示した。その上で、買い入れの対象につい て、これらの委員は「現在の金融環境等を勘案すると、長期国債とする ことが適当」との認識を共有した。

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