3月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が対ドル反発、11カ月ぶり安値から戻す

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで11カ月ぶり安値から 戻した。最近の円安は急速過ぎるとの見方から買いが入った。

ポンドは対ユーロで3日ぶりに下げた。格付け会社フィッチ・レー ティングスが英国の格付け見通しを引き下げたことを嫌気した。ニュー ジーランド(NZ)ドルは上昇。同国の製造業活動が2010年以来の 速いペースで拡大したことが背景。スイスの中央銀行が成長見通しを引 き上げため、スイス・フランはユーロとドルに対して上昇した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア為 替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏(ニューヨーク在勤) は「日本が金融緩和により積極的で、米国はそれほど積極的ではないと の見方に傾き過ぎたかもしれず、それが対円でのドルの動きに影響し た」と指摘。「ドル買いが頭打ちになり、ドルのロングを幾らか解消す る動きが出た」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、円は対ドルで0.3%上昇し て1ドル=83円49銭。アジアの時間帯では84円18銭と、昨年4 月以来の安値をつける場面もあった。対ドルで見た円の相対力指数 (RSI、期間14日)は5日連続で30を下回っており、下落が行き 過ぎ、ペースが急速過ぎたことを示唆している。円は対ユーロで

0.1%安の1ユーロ=109円26銭。ユーロは対ドルで0.4%上げて 1ユーロ=1.3088ドル。

英ポンド

ポンドは主要16通貨のうち11通貨で下落。フィッチは英国の長 期の発行体デフォルト格付け(IDR)の見通しを「ステーブル(安定 的)」から「ネガティブ」に変更した。英ポンドは対ユーロで0.2% 安となったが、対ドルでは0.2%上昇。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏は 「市場の焦点が英国の財政状況から他に移っていたため、フィッチの発 表は市場には新鮮なニュースとなった」と述べた。「財政面で英国は回 復軌道にあったが、欧州からの脅威が落ち着いて以来、投資家は財政面 で弱さが見られる国に注目し始めた。英国がその一つであり、日本もそ うだ」と続けた。

フィッチは14日の発表資料で、格付け見通しの変更について、 「債務水準の高さや景気回復が現在の予測より弱くなる可能性を考慮す ると、さらなる経済的衝撃を吸収するには財政余地が極めて限られてい ることを反映している」と説明した。

円の動向

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数 によると円は過去1カ月間で6.1%下落。一方ドルは0.6%上昇し、 ユーロは0.8%の上げだった。

日本銀行は2月14日に資産買い入れ等基金の規模を10兆円拡大 し、白川方明日銀総裁は今月13日、引き続き金融政策を通じてデフレ 脱却を目指すことを示唆した。また米連邦公開市場委員会(FOMC) による景気判断の引き上げで、米金融当局による量的緩和第3弾の観測 は後退している。

2年物米国債の日本国債に対する上乗せ利回り格差は25ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)と、昨年7月以来で最大の水準に 近づいた。利回り格差の拡大によってドル建て資産の投資妙味が高まっ た。

朝方発表されたニューヨーク連銀管轄地区の製造業活動を示す指数 は3月に2010年6月以来の高い水準となった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は3日ぶりに下げて0.5%低下の80.200だった。

◎米国株:S&P500は1400台乗せ、ほぼ4年ぶり-統計を好感

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数はほぼ4年ぶりに 1400ドル台に乗せた。ニューヨーク連銀管轄地区の製造業活動を示す 指数が予想に反して上昇したほか、新規失業保険申請件数が減少したこ とが手掛かり。

S&P500種の主要10業種では、金融と資本財、素材株指数の 上げが目立つ。バンク・オブ・アメリカ(BOA)やゼネラル・エレク トリック(GE)、ダウ・ケミカルが高い。IBMは7日続伸し上場来 最高値を付けた。アップルは朝方に初の600ドル突破となったが、マ イナスに転じた。経済成長の指標となるダウ輸送株平均は3.3%上昇 した。

S&P500種は前日比0.6%上げて1402.60。ストラテジスト らの2012年予想中央値の1400を上回った。ダウ工業株30種平均 は58.66ドル(0.4%)高の13252.76ドル。過去13カ月間で最 も長い7日連続高となった。この日の米取引所の出来高概算は71億株。 3カ月平均を7.5%上回った。

ブラックロック傘下のIシェアーズのグローバル・チーフ投資スト ラテジスト、ラス・ケステリッヒ氏(サンフランシスコ在勤)は電話イ ンタビューで、「年初から順調に来ている」と指摘。「景気は予想以上 に堅調だ。企業は引き続き潤沢な利益を上げている。バリュエーション も妥当で、買いを入れて当然だ」と述べた。

98年以来の好調さ

予想を上回る経済統計や企業決算を背景に、S&P500種は年初 来12%高と、第1四半期としては1998年以来の好調さで推移してい る。同指数の株価収益率(PER、実績ベース)は14.5倍と昨年7 月以来の高水準だが、1954年以降の平均である16.4倍は下回って いる。

朝方の好調な統計発表後、相場は上昇した。ニューヨーク連銀が発 表した3月の同地区の製造業景況指数は2010年6月以来の高い水準 となった。先週の週間失業保険申請件数は前週比で減少。4年ぶり低水 準に並び、雇用市場の改善が一段と鮮明になった。

また米フィラデルフィア連銀が発表した3月の同地区製造業景況指 数は12.5と、前月の10.2から上昇し、エコノミスト予想を上回っ た。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャ ード・シーシェル氏は電話インタビューで、「米経済統計は非常に心強 い」とし、「景気改善や株の割安感を受け、まだ市場に参加していない 投資家が引き寄せられるかもしれない」と解説した。

KBW指数は急伸

この日の米取引所の騰落比率は2対1。景気動向との関連が強い 30銘柄で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.6%上 昇。GEは1.9%高。ダウ・ケミカルも1.6%上昇した。

BOAは4.5%高と、ダウ平均構成銘柄で最も上昇率が大きかっ た。KBW銀行指数は2.7%上昇、構成する全24銘柄が上昇した。 JPモルガンはこの日2.6%高で引けた。

S&P500種構成銘柄の20%以上を占めるテクノロジー株は

0.3%上昇。IBMは0.6%上げて上場来最高値を更新した。アップ ルは0.7%安で取引を終えた。前日まで6日続伸していた。新型「i Pad(アイパッド)」の発売を16日に控え、同社は旧型の価格を引 き下げて競合製品を引き離す構えだ。米鉄道輸送会社CSXは8.5% 高。S&P500種構成銘柄中で最も上げが大きかった。

◎米国債:下げ止まる-10年債は4カ月ぶり高利回りから反転

米国債相場は下げを消す展開。10年債利回りは約4カ月ぶり高水 準から低下した。テクニカル指標で、国債が短期間に下げ過ぎていた可 能性が示唆されたことが手掛かり。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気判断を上方修正したほ か、世界の金融市場の緊張が和らいだと指摘したことを背景に、米国債 は下落基調にあった。ニューヨーク連銀はこの日、借り入れコスト引き 下げに向けた措置の一環として、米国債40億3000万ドル相当を買 い入れた。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デビッ ド・コード氏は「売られ過ぎれば、安値拾いが活発になる。今見られる のはそれだ」と指摘。「相場は極めて激しい売りから戻しつつある」と 続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時35分現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.28%。 一時2.35%と、昨年10月28日以来の高水準を付けた。同年債(表 面利率2%、2022年2月償還)価格は2/32下げて97 17/32。

10年債利回りの相対力指数(RSI、14日間)は72.2で、利 回りがこれ以上はあまり上昇しないことを示している。70を上回ると、 利回りが反転する可能性を示唆する。

30年債利回りは3.41%。一時9bp上昇の3.49%と、9月2 日以来の高水準となった。2年債利回りは2bp低下し0.37%。一時 は0.41%と7月29日以来の高水準を付ける場面があった。

利回り上昇

10年債と30年債の利回りは前日までの段階で、2日間の上げと しては昨年10月27日以降で最大となっていた。同日には欧州首脳に よる債務危機解決に向けた取り組みを受け、高利回り資産の選好が強ま ったことから米国債が下落した。前日までの2日間で10年債利回りは 24bp、30年債利回りは23bpそれぞれ上げた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 今月に入ってからの10年債のリターンはマイナス2.5%。このまま いけば、月間ベースでは2010年12月以降で最大のマイナスとなる。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「最近の米国債利回り の上昇で、様子見姿勢で押し目買いを考えていた投資家に好機が訪れ た」と説明した。

相場のボラティリティ(変動性)は前日に上昇。指標とされる BOAメリルのメリル・オプション・ボラティリティ・エスティメート (MOVE)指数は89.7bpと、1月3日以来の高水準だった。今月 12日には69.9bpと、07年7月以来の低水準を付けていた。

利回りは低下へ

10年債利回りは依然として、昨年の最高である3.77%および過 去10年間の平均3.87%を下回っている。FTNファイナンシャルの チーフエコノミスト、クリストファー・ロー氏はインタビューで、月初 からの利回り上昇は限定的との見方を示した。

同氏は「下期には利回りは低下するとみている」とし、今年の終わ りには2.1%になるとの予想を示した。

ロー氏は労働市場の改善が現在のペースでは続かないほか、企業の 設備投資は急激に減速しつつあると指摘。また輸出に対する海外の需要 は低下すると予想。利回りは向こう数カ月で2.5%に上げる可能性は あるが、1.8-2.3%のレンジ内にとどまるだろうと述べた。

◎NY金:反発、3週間ぶり大幅高-ドルの下落や現物需要が支え

ニューヨーク金先物相場は反発。3週間ぶりの大幅高となった。ド ルが値下がりしたことで、代替投資先としての金の買いが膨らんだ。

UBSのリポートによれば、前日のインドの金現物需要は昨年1月 以来の最高となった。米造幣局によれば、アメリカンイーグル金貨の販 売量は今月に入って2万3500オンスと、先月全体の販売量を上回っ ている。金は過去3日間に4%下落、前日は一時1634.70ドルと1 月17日以来の安値を付けた。ドル指数はこの日、主要通貨のバスケッ トに対して一時0.5%値下がりした。

商品ブローカー、インフィニティ・トレーディング(オレゴン州メ ドフォード)のフェイン・シェーファー社長は電話インタビューで、 「価格が急激に下落すると、買いが入るものだ」と指摘。「ドルの下落 は常に支えとなる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1%高の1オンス=1659.50ドルで終了。先月21日以 来の大幅上昇となった。年初からは5.9%値上がりしている。

◎NY原油:続落、米英首脳が戦略備蓄の放出を協議との報道で

ニューヨーク原油先物相場は続落。オバマ米大統領が戦略石油備蓄 の放出についてキャメロン英首相と協議したとの報道が背景。

両首脳は合意に至らなかったと、カーニー米大統領報道官は明らか にした。これより先、戦略備蓄の放出で英国が米国に協力することを決 定したと、ロイター通信は匿名の関係者2人を引用して伝えていた。

ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティーブ ン・ショーク社長は「戦略石油備蓄の放出をめぐる憶測で原油は大きく 値下がりした」と指摘。「現時点で備蓄放出の計画が進んでいてもおか しくはない。弱気な見方で相場が下げ続けるのかどうかを見極めたい」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比32セント(0.30%)安の1バレル=105.11ドルで終了。終値で は6日以来の安値となった。年初からは6.4%値上がりしている。

◎欧州株:続伸、ストックス600は7月以来の高値-米景気を楽観

15日の欧州株式相場は3日続伸。ストックス欧州600指数は昨 年7月以来の高値に達した。この日発表された雇用や製造業に関する 米経済統計を受けて、同国の景気回復が勢いを増しつつあるとの楽観 が高まった。

スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H& M)は2.4%上昇。2月の売上高が予想に反して増加し、買いを誘っ た。半導体業界向け装置メーカー、独アイクストロンは15%急伸。ド イツ銀行による投資判断引き上げが好感された。

フランスの酒造メーカー、ペルノ・リカールは2.1%下げた。投 資会社グループ・ブリュッセル・ランバートが保有株を4億9900万 ユーロで売却したことが響いた。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の270.98で終了。 この日は方向感のない取引に終始した。年初来では11%の値上がり。 ユーロ圏がソブリン債危機を封じ込めるとの楽観や市場予想を上回る米 経済指標が背景。

ブルーウィン・ドルフィン・セキュリティーズのチーフストラテジ スト、マイク・レンホフ氏(ロンドン在勤)は「米国からいくつかのプ ラス材料が得られつつある」と述べた上で、「株式相場は短期間で大き く上昇した。現時点で一段高となる余地は非常に限られている」と語っ た。

この日の西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が上昇 した。

◎欧州債:ドイツ債は3日続落、スペイン入札好調で-英長期債は下落

15日の欧州債市場ではドイツ国債が3日続落。スペインの国債入 札で応札倍率が前回の入札を上回ったことを受け、域内で最も安全とさ れるドイツ国債の需要が後退した。

ドイツ30年債利回りは一時、年初来最高を付けた。この日は、ス ペインが2015、2018年償還債を計30億ユーロ発行したほか、フラ ンスは約100億ユーロ相当の国債入札を実施した。スペインが入札を 行ったのは、ラホイ首相が2012年の財政赤字目標を上方修正した2 日以来で初めて。

ニューエッジ・グループの債券アナリスト、アナリサ・ピアッツァ 氏(ロンドン在勤)は、スペインの入札について「同国の財政緊縮への 懸念があるにもかかわらず依然として需要がしっかりしているかどうか を確認する上で試金石だった」と述べ、「引き続き良い結果が得られ た」と続けた。

ロンドン時間午後4時現在、ドイツ5年債利回りは4ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.97%。一時は0.98%まで 上げ、先月9日以来の高水準となった。同国債(表面利率0.75%、 2017年2月償還)価格は0.180下げ99.950。

ドイツ30年債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.63%。昨年12 月12日以来の最高となる2.68%まで上昇する場面もあった。10年 債利回りもほぼ変わらずの1.96%。

スペイン銀行(中央銀行)の発表によると、2016年4月償還債の 応札倍率は4.13倍、平均落札利回りは3.374%となった。1月の前 回入札ではそれぞれ2.21倍、3.748%だった。15、18年償還債も 発行された。これら入札の目標上限は35億ユーロ。

英国債

15日の英国債市場では長期債は2年債を下回るパフォーマンスと なった。英政府が2042年12月償還債を20億ポンド発行したことに 反応した。

30年債利回りは前日比2bp上昇し3.42%。2年債利回りは7 bp下げ0.44%。一時は0.57%まで上げた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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