ゴールドマン、時価総額1800億円吹き飛ぶ-反響呼ぶ社員の批判

米銀ゴールドマン・サックス・グル ープを退職する社員がロイド・ブランクファイン最高経営責任者 (CEO)の経営手法と顧客の扱いを痛烈に批判し、ウォール街(米金 融街)で大きな論議を呼んだ。これに伴い、同社の時価総額が21億5000 万ドル(約1808億円)相当も吹き飛んだ。

ゴールドマンの株価は14日のニューヨーク市場での取引で3.4%安 となり、S&P500種金融株指数を構成する81銘柄で3番目に大きい下 落を演じた。米紙ニューヨーク・タイムズにロンドンで勤務する社員グ レッグ・スミス氏の批判的な寄稿が掲載されたことが引き金だ。

ゴールドマンで12年間勤務したスミス氏は「会社の道徳心の低下」 の責任がブランクファインCEO(57)とゲーリー・コーン社長(51) にあると非難した。同社は社員と元社員に宛てたメモで、スミス氏の主 張は、会社の価値観やカルチャー、そして「わが社の圧倒的多数の人々 が会社と会社が顧客のために行っている仕事をどのように考えている か」を反映していないと反論した。

ゴールドマンなどの金融機関の自己勘定取引を制限する「ボルカー ルール」の生みの親ともいえるボルカー元米連邦準備制度理事会 (FRB)議長(84)はワシントンで開かれた会議で、スミス氏の批判 について、「過激かつ強烈」な内容だとした上で、「多くの利益相反に つながるビジネスなのではないかと懸念される」と発言した。

「過激かつ強烈」

14日の同社の株価は4.17ドル安の120.37ドルで終了。年初来で は33%の上昇をなお維持している。

ゴールドマンはスミス氏が寄稿で示した見解には同意しないとのコ メントを電子メールで発表した。広報担当のデービッド・ウェルズ氏 (ニューヨーク在勤)は、この電子メールや先のメモの内容以上の発言 を控えている。

ゴールドマンが債務担保証券(CDO)をめぐって米証券取引委員 会(SEC)から提訴され、その後5億5000万ドルを支払う和解を余儀 なくされた後も、経営幹部らは態度を改めていないとスミス氏は指摘す る。

メールで回覧

ウォール街では、同氏の寄稿が電子メールを通じて至る所で回覧さ れた。ゴールドマンのライバルであるバンク・オブ・アメリカ (BOA)のメリルリンチ部門のある社員は、コピーを顧客に送らない ようチームに指示があったことを明らかにした。「ゴールドマン・サッ クスからの反応」や寄稿のパロディーも回覧の対象となった。

シティグループの元バンカーで、現在はロンドンのヘッドハンティ ング会社ベニ・パートナーズのマネジングパートナーを務めるステファ ヌ・ランボソン氏は「彼らにとっては全くの痛手だ。会社に対する意識 が低下し、明日の勝者であるはずの多くの人々が『自分は本当にゴール ドマンと一緒にいたいのだろうか』と一歩引いて自問していることだろ う」と話している。

原題:Goldman Stunned by Op-Ed Loses $2.2 Billion for Shareholders(抜粋)

--取材協力:Ambereen Choudhury、Liam Vaughan、Cheyenne Hopkins、Jeff Kearns.

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