ドルが対円で11カ月ぶり高値、日米金利差拡大で一時84円台回復

東京外国為替市場ではドルが対円で 続伸し、一時約11カ月ぶりに1ドル=84円台を回復した。米国で量的 緩和第3弾(QE3)の観測が後退する一方、日本では追加緩和期待が 根強く、日米金融政策見通しの違いが意識される中、日米金利差の拡大 を背景にドル買い・円売りが先行した。

前日の海外市場で83円後半まで上昇していたドル・円相場は、この 日の東京市場でさらに上げ幅を拡大。一時、昨年4月13日以来の水準と なる84円18銭までドル高が進んだ。ただ、その後はドルの上昇も一服 し、欧州市場に向けては84円台を割り込んでいる。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏は 、日米の金融政策スタンスの違いを背景に日米2年債利回りが拡大して いるが、「まだドル・円の上昇スピードには追いついていない」と指摘 した。「これまでの経験則でいけば、いずれ収斂すると思うので、米金 利は上がり続ける、もしくはドル・円が若干調整するだろう。ただ、そ の場合もあくまで調整で、方向は完全に上だ」と語った。

ドルは対ユーロでも一時、1ユーロ=1.3004ドルを付け、先月16 日以来の高値を4営業日連続で更新。その後は1.30ドル前半でもみ合い となり、欧州市場に向けては1.30ドル半ばまでドルが値を切り下げる展 開となっている。

一方、円は主要通貨に対してほぼ全面安となり、対ユーロでは一時 1ユーロ=109円64銭まで下落。2月27日以来の安値を塗り替える場 面が見られた。

日米金利差が昨年7月以来の最大

13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、少なくとも20 14年遅くまで政策金利をゼロ近辺に据え置くことが正当化される可能 性が高いとの見解が改めて示された。一方で、労働市場が一段と改善し ているなどと景気判断をやや引き上げ、追加緩和については言及しなか った。

バークレイズ・キャピタルのFXストラテジスト、逆井雄紀氏(ニ ューヨーク在勤)は、QE3は「このまま米経済が緩やかだが堅調に回 復していけば、ほぼないだろうというコンセンサスになりつつある」と 指摘。クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨スト ラテジストは、「日銀は動くとしたら緩和しかないが、FRB(米連邦 準備制度理事会)はこれ以上の緩和はないということで、そこら辺の線 引きは明確になった」と話した。

FOMCの結果を受け、米国債相場は下落。ドル・円相場と相関性 が強いとされる日米2年債利回り格差は昨年7月以来の水準まで拡大し た。

IGマーケッツ証券の為替担当アナリスト、石川順一氏は、「きょ うの米経済指標で景気回復が本物だと確認できれば、QE3観測のさら なる後退につながって、対主要国通貨でのドル買いにつながるだろう。 全般的にドル買いトレンドという環境になりつつあるのかなという感じ がする」と指摘した。

米経済指標

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 15日発表の3月のニューヨーク連銀製造業景況指数は17.5と2010年6 月以来の高水準となった2月(19.5)から低下すると見通し。一方、3 月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数は12.0(前月は10.2)と昨 年4月以来の高水準に達するとみられている。

また、先週分の新規失業保険申請件数は35万7000件と前週の36 万2000件から減少する見込み。そのほか、2月の生産者物価指数(PP I)の発表も予定されている。

--取材協力 油井望奈美 Editor:Joji Mochida, Masaru Aoki

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