債券大幅続落、米債安・株高や中期債売り警戒-先物8カ月ぶり安値

債券相場は大幅続落。米国景気の 回復期待から前日の米債相場が大幅下落した流れを引き継いで売りが 先行。午後発表の20年債入札結果を受けていったんは戻したものの、 中期ゾーンの現物債売りなどをきっかけに相場は下げ幅を拡大した。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部 長は、「20年入札はしっかりで生保の買い余力がうかがわれたものの、 5-10年ゾーンの売りが強い。海外金利の上昇で決算を控えた銀行が ヘッジ売りを強めているのではないか。米長期金利がレンジを上抜け たことで今後が読みづらくなった」と話した。

東京先物市場で、中心限月6月物は前日比62銭安の141円31銭 で開始し、直後に141円29銭まで下げた。午後の20年入札結果発表 後には141円59銭までやや戻したものの、再び売りが優勢になると水 準を切り下げ、結局は85銭安い141円08銭と、中心限月で昨年7月 11日以来の安値で引けた。

6月物の日中売買高は6兆6634億円となり、中心限月ベースで 2008年4月25日(7兆円)以来の水準に膨らんだ。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は同4ベーシスポイント(bp)高い1.05%で開始。その後は上げ幅を縮 めて、午後の入札結果発表後には2bp高い1.03%まで戻したが、午後 2時半過ぎから再び水準を切り上げ、3時過ぎには5bp高い1.06%と 昨年12月5日以来の高水準を付けた。

5年物の103回債利回りは同5.5bp高い0.375%まで上昇。新発 5年債利回りとして昨年12月初め以来の水準に達した。パインブリッ ジの松川氏は「5年債の重さが鮮明で、超長期とのスティープ(傾斜) 化取引の解消も影響している可能性がある。アンカーである5年債が 下げ止まるかがポイントだ」と話した。

前回入札された20年物の133回債利回りは、午後の入札後にいっ たんは横ばいの1.785%まで戻していたが、その後は4.5bp高い1.83% に上昇した。

20年入札、最低価格は予想上回る

財務省がこの日実施した20年利付国債(134回債)の入札結果に よると、最低落札価格は99円95銭となり、事前予想の99円85銭を 上回った。小さければ好調とされるテールは12銭となり、前回の5銭 から拡大。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.26倍となり、前回 の2.79倍を上回った。

SMBC日興証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、20年債 入札について、「新発債で利回り1.8%近辺で迎えたこともあり、強い 結果となった。これを受け、午後に20年債が買い戻された」と話した。

日本相互証券によると、この日入札された20年物の134回債利回 りは、業者間取引では1.81%で寄り付き、いったん1.79%を付けたが、 午後3時18分時点では1.82%で取引された。

不安定な相場が続くとの声

もっとも、入札結果は順調だったものの、相場全体を押し上げる 要因にはならなかった。野村証券の松沢中チーフストラテジストは、 「この入札では相場を下げ止めるきっかけとしては弱く、来月初めの 10年債入札をこなすまで相場が不安定な状態を続ける可能性が高そ うだ。水準的にはおそらく1.10%近辺でいったん相場が下げ止まるの ではないか」とみていた。

きょうの株式市場で日経平均株価は3日続伸し、一時1%高い1 万158円まで上昇し、昨年7月以来の高値を付けた。円は対ドルで1 ドル=84円台と11カ月ぶりの円安・ドル高水準に達している。

14日の米債相場は大幅続落。米連邦公開市場委員会(FOMC) が景気判断を上方修正したことから、この日の30年債入札(銘柄統合、 発行額130億ドル)で逃避先としての米国債の妙味が低下した。米10 年債利回りは前日比14bp上昇の2.27%。一時は2.29%と昨年10月末 以来の高水準を付けた。

--取材協力:船曳三郎 Editors:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

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